見出し画像

緊急一時帰国後の14日間の隔離生活で学んだ、自分と人との接し方

日本への緊急一時帰国。

各国の国境が封鎖されていき、世界中の航空会社が減便、運休していく中で、直前に航空会社の変更があり、ベトナムは各省を越えるだけでも健康申告書のオンライン申請が必要となった。情報が錯綜し、緊迫していた。何せ社会主義国の政治は、突然変わる。数時間前の「当たり前」が通用しない。

2020年3月は、どこか夢のような、でも遠い昔の現実のような、何かが変わる音がした。まだ、2週間しか経っていないのだ。

あの時私が欲していたのは「これは、夢なのか?」という自分への納得材料だった。周りの状況が刻一刻と変わっていく中で、目の前には変わらない、日常の生活があった。出発直前まで、まだ「社会隔離」が発令されておらず、私はいつものランニングメンバーといつもの公園を走って、カフェへ行っていた。そこで、一時的な「お別れ」の手作りのメダルをもらった。(・・・いつの間に作ったんだー!泣)

画像1

「まぁ、飛行機飛ばなかったら、マミとまた来週末も走れるし、それはそれで良いね」と、満面の笑顔で言われる。相変わらず、私は人々に恵まれている。

これだけ「平和」なのに、私は本当に日本に戻るのか?

提出書類や片づけも、日常の仕事も、突然の虚無感で、全く集中できていなかった。「『長期休暇』を楽しんで!」と言われたが、何て返せばいいのか、わからなかった。出国するまで、出国できるかどうかもわからない。一度都市に出られたとしても、都市封鎖で戻ってこれるかもわからない。

ただ、目まぐるしく変わる周りの「変化」に、やたら冷静になっている自分もいた。ちっぽけな自分が不安に思っても、世界は何も変わらない。目の前のことに柔軟に、冷静に対応していくのみだ。

全ては数日で起こった心境の変化。

それは、充実していたベトナムでの生活を離れなければならない悔しさ、虚無感、唖然、悲しさや、日本入国の緩さへの驚きや不安、日本政府への「対応の遅さ」やマスメディアの感情論への苛立ちから、日本とベトナムの比較から、次第に世界各国の状況を冷静に見ることができるようになり、自分の目の前の生活を客観的に見て感謝できるようになり、今、ようやく自らの「生活」圏で、周りの人々を「想う」ことができるようになった日々だった。

きっとこれからも続く世界で、それでも変わり続けなければならない私たちへの試練。「メンタル不調」を感じる人々へ向けて、少しでも何かを感じ取ってもらえたら嬉しいし、私自身の逆カルチャーショックからクリエイティブへの心境の変化の記録でもある。

Day 1 日本到着 静か、綺麗、安心・・・よりも不安

画像3

ベトナムのホーチミン市を出発したのは朝7時半、そして日本の成田空港に到着したのは同日15時半。

日本は、すべてがキレイで静かで、とりわけ今は、人がいなく自分たちの声しか聞こえない。入国ゲートも並ばずに通過。サーモグラフィー検査はあったものの、帰国前は出国できるか、帰国後は入国できるかわからなかったので、呆気にとられた。これでは、完全に無症状感染者は通過できる。むしろここでPCR検査を徹底してほしい。日本社会の人々には「帰国者が不安」の声が多いが、私たち自身が、簡単に入国でき過ぎて不安。

画像4

機内では数時間置きに清掃が。また日本人の客室乗務員の方が「本日乗務している○○です、よろしくお願い致します。」と日本人の乗客皆さんにお声掛けされていた。ベトナムとは異なる種の「プロの仕事の安心」。

画像5

各社フライトが減便、運休していて同時刻に到着するフライトが無かったのか、荷物もすぐに出てきた。(電光掲示板の赤色は全て運休)

画像6

今朝、ちらっとホーチミン出発時刻を伝えていたベトナム人の友人から、ゲートで待っているときに「マミ、もう空港にいるよね?また日本に戻ったら連絡してね!」と電話がかかってきた。ベトナム人は記憶力や洞察力がすごい。ありがとう。

空港のコンビニでその日の食を購入。

「あぁ、帰ってこれた・・・。でも、帰ってきてしまった。」そんな感覚。

今後の「自主隔離」の説明をうけ、この日は手配いただいた空港近くのホテルへ宿泊。

画像7

広いツインルーム。部屋からの外出は控える。荷物が多く移動が続く日々は精神的にも体力的にも疲れる。同じ心境の人々がいることは何よりも心強い。

以前、宿泊施設へ営業へ行っていた職業柄(?)、もし今後、日本への帰国者や渡航者が空港近くの場所で14日間の待機要請が出されたとして(→4月3日以降、入国者は公共交通機関を使わずに、自宅またはホテルでの14日間待機要請が出た)、こちらのホテルはそれを受け入れているのか電話で聞いてみた。

「13泊14日の宿泊は可能ですか?」

すると「現在、最大2泊3日までの受け入れとさせていただいています。あ、ご帰国のお客様ですね・・・恐れ入りますが1泊のみお受け入れしています」とのこと。超ご丁寧に、スパッと断られる。しかも「帰国者」は1泊のみだと。・・それ、言う必要あったと?

(※4月2日追記:今後、政府は空港周辺のホテルを借り上げるなど待機場所の確保を進める、とあった)

24時就寝。睡眠をもっととらないと。2リットルの水の常備は必須。これは、いつも水を大量に持ち歩くメコンデルタの人々に学んだこと。

#四面楚歌

Day 2 新たな「日常」

画像8

朝7時起床。久しぶりに爆睡。ホテルの朝食はコロナの影響で通常のビュッフェがセットメニューに。魚もトマトジュースもお粥もオムレツも全てが甘い。ベトナム料理が恋しい。各テーブルにひとりずつ。みんなまだコートを羽織っている。

"Chị đã đến Nhật Bản an toàn. Chị cách ly 14 ngày vui vẻ nhe." 
「マミ、無事日本に帰ったのね!14日間の隔離を楽しんでね!」


と、ベトナム人の友人。「隔離」は楽しむものなのか!という発見。とにかくポジティブでエネルギッシュ。この気持ちも忘れないようにしないと。観光局の同僚やランナー仲間たちにも「日本に無事帰れたよ」と連絡。「隔離中はベトナム語勉強する!そのあと走る!」と伝えた。「また、一緒に走るために」という想い。私は、心配されるよりも、同じ熱量で共に挑戦できる人々がいる環境が一番自分らしくいられるな、と思った

部屋でベトナム語の勉強、仕事関連のレポート作成、Zaloでの連絡、会議、読書など集中できる空間は嬉しい。日本語が理解できる環境は「安心」だけれど、その分必要ない情報も入ってくる。この感覚。久しぶりの日本に感動するわけでもなく、ただひたすらメコンデルタの「日常」を過ごしたいという想い。でも今はそれができないから、ひたすら新たな「日常」を受け入れる。

検温して共有。何よりも、睡眠と水が大事だ。

#表裏一体  
#自由と責任 (「自主隔離」に対する印象)
#不撓不屈 (友人の私に対する印象)

Day 3 With Corona時代

画像9

昨晩Newspicksで動画配信があって、落合陽一氏が各専門家にコロナ関連の質問を矢継ぎ早にしていくものだった。とにかく「医療機関を潰さないこと」。新型コロナは旧型と違い潜伏期間や治療期間が長いのと陰性判定が出ないと退院できないので病院がパンクしやすい。軽症者をいかに自宅で診られるか、重症者に集中して医療を届けることができるかが大事だと。感染拡大が続くイタリアでは経済悪化→医療費削減、高齢者が多いというもともとの状況と、医療体制の脆弱性による医療関係者の感染率が10%を超え、ここが感染拡大を招いていると指摘があった。日本に関してはルールをつくったら順応する国民性なので「同調圧力」を利用して、コロナ訓練を行う。After CoronaではなくWith Corona。あと2年~3年はWith Coronaだ、と。

「ロックダウン」という言葉は明らかに一人歩きしている。欧米中心主義国、日本。ニューヨークと東京との比較が多く学ぶことは大量にあるけれど、社会構造がまるで異なるし、もっと身近なアジアの「成功事例」からも学ぼう?

画像10

そう、知りたいのは、研究内容やデータなのだ。動画配信も延長して、夜12時頃まで。誰かがコメントで「延長になると免疫力が低下する」と笑 確かに、睡眠時間の確保のため、22時じゃなく、18時くらいから動画配信してほしい。

朝、9時半までにカフェで朝食。今日は雨。そして寒い。バイキングではなく、セットメニューを。サラダやフルーツは別途欲しいものを注文する。

画像11

全てサランラップに包まれたパンや、グレープフルーツ、パイナップル、オレンジ。既に、メコンデルタのその辺に生っているマンゴーやドラゴンフルーツが恋しい。日常に溢れている野生の「生きている」実感

ただ、同時にふと思った。これは同時にバイキングで廃棄されていた食材をも減らすことができるかもしれない、と。

画像12

無料貸し出し品が多いので助かる。例えば加湿器、電子レンジ、体温計、変圧器、ビニール傘、卓上ミラーなども。さて、部屋で走るか。持って帰ってきた本は全部読むのと、昨日ベトナム語の先生に連絡して引き続きオンラインでベトナム語レッスンを行ってもらうことにした。

#至れり尽くせり  
#転ばぬ先の杖
#暗中模索 (世界と人生の現状)

Day 4 情報の取捨選択

また雨。そして寒い。今週末もずっと雨模様。あのメコンデルタの熱帯気候と豪快な雨期の一瞬の雨が恋しい。完全に逆カルチャーショック状態なんだろうな。走りに行きたい。清潔で静かですごく集中できる環境だけれど、バイクの騒音と子供の笑い声が聞こえない。

画像13

朝食後、「いってらっしゃいませ」と言われる。私には、どこへも行ける場所は無いんだけどな。これかもしれない、日本の寂しいところは。ふと、#stayhomeと言われても、homeが無い人々はどうするんだ?と思う。アメリカのサンフランシスコで見た大勢のホームレスの人々は今、どうしているんだろう?大学時代に留学先で渡航後2週間目に受けた人種差別、男性だらけの営業職、いろいろ「少数派」だった私は常に「少数派」の人々のことを考えるくせがあるのかもしれない。ひたすら部屋で運動と勉強とオンライン会議。

「日本は便利だ」という人々がいるけれど、私にとって、例えば施設や語学学校や公的機関に連絡するときにベトナムみたいにFBやメッセンジャー、Zaloで簡単に連絡できるのと違い、日本ではサイトの問い合わせフォームや電話という点がとても不便。電話なんて、お互いの労力と時間を使うだけなのに。相談窓口(電話)で勤務する人々、本当、大変。でも、それが日本社会の人口構造とネットリテラシーの現実。

ネガティブなニュースばかりが目に入ってしまうので、とにかく意識的に情報の取捨選択。そして、できる限りカントーのメンバーとのzalo連絡。あぁ、今日は出場するはずだったバドミントンの試合日だった。でも、できないことを嘆いても仕方がない

画像14

ベッドが近くにあると、すぐに寝ころびたくなる。読書に集中できると思ったけれど、やはりカフェが一番良いのかも。明日はGoogle Local Guideの映像制作でもしよう。クリエイティブなことに時間を使いたい。

#一日千秋の思い
#目から鱗

Day 5 「家族」の文化

画像15

朝5時起床。静かだ。朝食は6時半からなので、洗濯物や少し掃除をしてからいつもの場所へ。この部屋にして良かったな。「世界を旅するわくわくを」といういつも目にする言葉が、心強い。

余談だけれど、今後コロナ感染の「軽症者」がホテルで隔離されるみたいだけれど、是非、開放的な、外の景色が良く見える窓が大きい部屋にしてほしい。スイートとか、大きいお部屋というわけじゃなく、ただ、少しでも気分が明るくなる空間を。部屋のデザインは精神にとても影響すると思う。

画像16

フロアごとにコンセプトの国が異なり、ここはメキシコをイメージ。

今日から、カントーでも飲食店や医療関連のお店以外は全て一時営業を停止。イベント行事も4月15日まで自粛。その情報も文化スポーツ観光局の局長がフェイスブックで自分の子供たちの写真と一緒にアップしていた。心が温まる。

画像17

今日からカントーのジムも一時休業。月曜日、初めてZaloでジムをやってみることに。どうなるのか全くわからないが、やってみないとわからない。

#轍鮒之急 (てっぷのきゅう:危険や困難が目の前に迫っている状況)
#ニ兎を追う者は一兎をも得ず  
#急転直下

Day 6 オンライン・エクササイズ

今日は久しぶりに晴れた。空気が澄んでいる気がする。けどまだ寒い。ふと思った。この「自主隔離」は、病みそうだとか、気持ちの移り変わりが激しそうだと思ったけれど、なんだかんだ、もともと私はカフェに籠るのが好きだったし、大人数で集まるのは好きではないし、部屋に1日中引きこもっていた頃とあまり変わらないのではないか、と。私は、もとから「隔離体質」だったと気づく。いや、もちろん、気持ちのコントロールするために、自分なりの気分転換をいろいろ導入しながら。セルフ・マネジメント大事。

画像18

画像19

柑橘系のフルーツは本当に助かる。毎回、このセット。

ベトナムと日本の時差は2時間で、日本が2時間進んでいるので非常に連絡が取りやすい。Zoomでオンライン・エクササイズを。ヨガもできそうな気がする。もちろん、Youtubeには多くのオンライン・レッスンがあるけれど、みんなと共にするのが良い。雑談も含めて。

#虎に翼  
#鬼に金棒  
#歳月人を待たず
#郷愁の念

Day 7 クリエイティブに生きたい

画像20

朝7時半起床。本当は、もっと早く起きたい。6時には起きて走りに行きたい。けれど、今の生活や外の気候はそれを許してはくれない。いつの間にか1週間が過ぎていた。でも、とても充実しているものではある。有事の際の行動は日頃の積み重ねが出る。冷静な判断を。

Google Local Guideの今年のConnect Liveへの申込みを終えた。最終日。世界中で「イベントを自粛すべき」と言われるけれど、私達にとって大事なのはそこではなく、この申込みにあたってムービーを制作したり、ブログを執筆したり、Google Mapでリストを作成したり、そんな創作活動に意義を見出しているから。今だからこそ、というより普段から、私は、とにかくクリエイティブに生きていたい。それだけ。

#唯一無二  
#不幸中の幸い  
#日進月歩

Day 8 宿とクラウドファンディング

画像21

朝食時は、もうスタッフの方々にも覚えられている。「お待ちしておりました。」と言われた際は、もうプロだな、と思った。パンかゴハンか?という選択も、私はいつもゴハンなので覚えられている。

「帰国者」というだけで、宿泊を拒まれたり、朝食を部屋で食べるように指示されたり、数泊ごとに場所を変えるよう言われたりした、という話も聞いた。ホテル側の状況も理解できる。「可能性」は否定できない。でも、これ「帰国者」だけじゃないよね?あと、「感染者」というだけで、その人々の行動全てを批判するような言動や、病院を特定して誹謗中傷を言う人々の心理はとても悲しい。

「帰国者」側からすると、日本の検疫の緩さや人々の危機感の無さに驚くほど、現地ではコロナだけじゃなくあらゆるリスクにさらされるので厳重に健康を維持していたつもりだし、むしろマスクを着用していないと罰金だったり、フェイクニュース流したら処分だったり、とても管理されていた。そして今は毎日2回の検温。この温度差よ。

同時に、もともと日本で宿泊業の方々と仕事をしていて知り合いも多いので、日本に帰ってきたあとに、ちょうど4月以降休業することにしたホテルやゲストハウス、閉業となってしまった宿のオーナーの話を至る所で聞いていた。友人のホステルも稼働率が10%未満となっており、「未来宿泊券」をリターンとするクラウドファンディングに挑戦予定で、申請中とのこと。できる限り、一緒にできることは無いか考えていきたい。クラウドファンディングをちらっと見ていて、以下の北海道の宿が旅人とWebメディア化するプロジェクトをしていた。面白い。

自分は誰かと話すことで「自分にも、できることがある」と実感した瞬間だった。むしろ、時間があるので、とことん面白いことに関わっていたい。

#巧遅は拙速に如かず

Day 9 それでも世界は動き続ける

画像34

サラダをいつも追加で注文していたら、いつものプレートに一緒に持ってきてもらえるようになった。

画像24

ホーチミンの空港で取ってきたフリーペーパーには、病院、空港など、それぞれコロナ対策の最前線で働く人々へのインタビュー記事とその人々への感謝の気持ちが記載されていた。日本にも、こういう人々を褒めたたえる記事がもっと欲しい。もっと「頑張っている人々」の声が反映されてほしい。

それにしても、まだまだベトナム語のニュース記事全てを読み込むには時間がかかる。同時にベトナム語の文章は哲学的というか、考えさせられる内容も多いので、今後も多くの文章を読み続けていきたい。

16時頃、急に悪寒を感じた。鼓動が速くなった気がした。同時に、一瞬、世界が止まった気がした。「これ、コロナ来たかも」と、コロナの逆襲のような、何かの異変を感じた。とりあえずベッドに横たわる。スマホを片手に、「悪寒 原因」「悪寒 コロナ」「予防 熱」と手あたり次第に調べる。いや、本当は知っているはずだ。この後、高熱が来る可能性が高い。とりあえず、水分補給と安静に。冷静に。大丈夫、部屋の景色は変わらない。

体は大変なような気がしたけれど、心が追い付いていない。何をするわけでもなく、ただFacebookを見つめる。こういうとき、人はやたら普段していることをするのだな、と実感する。世界が止まった気がしたけれど、現実は、皮肉にも私がどう思おうが、行動しようが、健康であろうが、不健康であろうが、何を言おうが、動き続けている

画像29

LINEで、医者や専門家に直接質問できるサービスがあることを知った。300名弱の方々のリストが掲載されており、「いますぐ相談」「あとから回答」等医者の状況に応じた選択が選べる。状況を伝えると「もし37.5度以上の熱が3日以上続く場合は、保健所へご連絡を」と言われる。そうだ。こういう人々が、電話をかけたり、不安で直接病院へ訪れようとするから、余計な感染が広がったり、医療崩壊を助長させてしまうのだ。

以前、以下の女性保健師の声を聞いて、唖然とした。不安なのはわかるけれど、「専門家」の仕事を何だと思っているんだろう?とも思う。これは人間だけではなく、システムの問題でもあると思う。ちょっと話が飛躍するかもしれないけれど、日本で医療関連の学術研究が進まないのは、専門に集中できる環境が整っていないのもあるかもしれない。

画像30

1時間程安静にしていたら、こんどはお腹がすいてきた。大丈夫。お腹がすくのは健康だ。暖かいお茶も飲む。そして、とりあえず寝る。

#有卦に入る (うけにいる)

Day 10 集中できる環境を自ら創り出す

ちゃんと眠れて、ちゃんと起きれた。うん、当たり前のことかもしれないけれど、これは当たり前のことではないのかもしれない。そして、またお腹が空いた。有難い。 

画像33

コロナの時代は「幸せ」のベース(人間の欲求)が少し下がったかもしれない。

画像27

今の私の自分への使命は「(屋内で)集中できる環境を自ら創り出す」こと。ニュージーランドに住む四角大輔さんも、「居心地のいいジブン空間があるからこそ、外の世界で仕事をがんばれる。旅やバックパッキング登山を楽しめる」という話をしていて、カントーでの「ジブン空間」がいきなり取り上げられた(笑)からこそ、余計、私はジブン空間へ愚直なのかもしれない。

画像36

「社会隔離」が発令されても、まだ外に出ているカントーの人々の写真を掲載していたニュース記事。カントーにいる日本人からしたら、「これがMekong Delta Styleだ」と話していたけれど、ベトナム人の友人に言ったら「これは2日前の記事で、今はちゃんと警察が取り締まっているよ!」とのこと。そこは、強い意志があるベトナム人。

#席暖まるに暇あらず
#灯台下暗し
#一石二鳥

Day 11 辛いのは「会えないこと」

朝、健康に起きれるのが有難い。そして、美味しいものを美味しく頂ける健康に感謝。毎日2回の検温で熱も無いし、集中できる。

画像32

もともと大学院進学を考えていて、ベトナムでも何度かオンライン授業をお試しで受けていたけれど、この期間にもイギリスのUniversity of Birminghamが主催するPublic Administration(行政学)とアメリカのJohns Hopkins Universityが主催するEpidemiology(疫学)を受講。(現在、多くの大学が無料でMOOC(Massive Online Open Course)提供されています)

キャプチャ111

行政学の中では、NHS(国民保健サービス)やTrade Union(労働組合)等イギリスの行政機関を学ぶ上で必須の懐かしの機関が挙げられ、その行政機関がうまく機能しない原因としてLack of strategic leadership skills(戦略的リーダーシップスキルの欠如)やDenial of the problem (問題の否定)、Poor prioritization(優先順位のつけ方の欠如)などがあげられており、Overcome denial and accept the need to change(否定を克服して変わることを受け入れる)ことが重要だと言われていた。これは、私たち人間にもあてはまることだと思う。(まぁ、実際はとても難しいけれど、進むしかない)Johns Hopkins Universityが出しているコロナのデータは日本の日本経済新聞データが参考にしている元データ。世界中のコロナ状況をほぼリアルタイムで更新。

自分の感情をコントロールできるようになって、周りに目を向けることができるようになって、ふと留学時代や旅行先で出会った友人達が気になった。「元気?何か心配事は無い?」と。フランス人の子が今ベルギーに住んでいて、職場の人々や家族でも感染者がいると言っていた。仕事はもう1か月以上前からリモートワーク。家族のひとりが重症化していて、入院しているが医師から今後、もしかしたら会えないかもしれない、と言われていると。コロナ感染が怖いのは、こうして人々の精神をどんどん削っていくこと。

「希望を失わないで!辛いけれど、あなたまで精神弱くなったら免疫力低下するから!!生きて」と、明らかに日本よりも状況が緊迫している状況がわかり、正直、私は何て答えたら良いかわからなかった。「ありがとう、mamiも健康に生きてね」と言われたその子のメッセージに、簡単にイイネを押せなかった。

#泰然自若


Day 12 守りを固めながら、攻める

画像31

ようやく、目の前のことに集中できるようになった。今の環境に適応するために、学び続けないと。

Google位置情報のデータをもとに2月16日ー3月29日の外出状況をまとめたレポートを見つけた。随時アップデートされていて、今後対象地域や言語も増えていく予定。(ちなみに、このGoogle位置情報は、個人でオフの設定も可能)国ごとにPDFダウンロード可。人が、ストレスを軽減しながら生きるコツのひとつは、感情や考え方ではなく、データや数値を信じることだと思う。

世の中の状況と今後を俯瞰して見ながらも、発信、価値観の共有、創造、提案、行動等は着実に行っていきたい。全て、続けないと。

現在、Mekong Delta Timeという過去1年間の振り返りムービーを制作中。私自身の中である種の区切りでもあるし、まさかあの頃、来年の4月に日本にいることになるとは想像していなかったけれど、1年の総まとめをしてから、また前に進める気がする。2019年4月9日は、成田空港からハノイへ出発した日。

今はオンライン会議やオンライン教育だとZoomを使っている人々が多いが、オンラインツールには本当にたくさんの種類がある。その中でもRemoという会議やプレゼンからのグループディスカッションやテーブル移動ができるツールが面白そうだったので、LINEでその話をしていたら数名「お試し」に参加してくれる人々がいた。急遽みんなで「お試し」会議をやってみることに。めっちゃ感謝。

私は好奇心旺盛で直観で動いているけれど、それを続けるためには同じ熱量の人々が必要で、「紹介してくれてありがとう」とか「一回自分でもやってみた」とか言ってくれた際には、もうその人々に完全に奉仕するw

キャプチャ11

4月に、何度かオンラインでの使い方やイベントの立て方講座を実施してくれている模様。このRemoは現在英語のみで提供されているけれど、システムを理解するのは結構簡単で、もう少しいじっていると慣れてきそうな気がする。

夜は、カントーにいるベトナム語の先生とオンラインでベトナム語の授業。案外、簡単にできるものだし、これならカントーにいたときも、わざわざカフェや場所を変えて行く必要すら無かったんじゃないかとも思えてきた。発音、文法、文章、会話も全て。ほんと、人間の行動が変わる。面白くもある。

#今日の一針 、明日の十針
#背に腹はかえられない
#鰯で精進落ち



Day 13 目の前のことに集中する

晴れていた。いつの間にかこの朝食を頂くのもあと1回。

画像26

カントーの観光局の同僚から共有されている資料に目を通す。「コロナ前と現在の経済状況や観光業に勤務する人々の失業や社会保障申請の割合など」が内容だったが、まだまだ深堀していく必要があるだろう。ベトナムでは観光業に対して国からの資金支給やサポート内容はどのようなものがあるのかを聞いたが、まだ回答は返ってきていない。

ちなみに、日本では以下の観光支援予算が出される予定。

画像35

今までの資料やファイル、プレゼンをまとめながら、ふと部屋の机に入っていた古事記を見つけた。古事記を読むための最大のコツは「神様と人の名が出てきたらすぐに忘れること」という文頭の言葉が秀悦で、結局最後まで読むことに。「古事記には夥しい数の神名と人名が現れるが、二度以上登場するのは一割未満しかいない」らしい。古事記を読んだのはいつぶりだろう。むしろ、全部を読んだのは、今回が初めてかもしれない。海、石、木、花、桜、火、一目惚れ、神風、伊勢、歌を詠むという自然と恋愛の言葉が鮮やかだった。そしてここでも疫病の話が。歴史は繰り返す。

何かをし始めたら、いつも集中力が散漫していて、同時進行になっているので、14日後の「生活」には、よりこの集中力をひとつに集約させて物事を進めていきたい

#堪忍五両 、思案十両
#獅子身中の虫

Day 14 春が来ていた そして日常が続く

朝。2週間前よりも心なしか暖かくなった気がする。一応、帰国者に対する「自主隔離」期間の14日間が今日で終わる。朝食が、いつも以上に美味しく感じた。「14日間、ごちそうさまでした」。

画像25

桜が咲いていた。でも、「本番」はこれからだ。これからもこの新たな「日常」が続いていく。もしくは、すぐに変わるかもしれない「日常」

画像22

日本社会は「外出自粛」と言いながらも、同時に行政関係や書類提出、申請で「印刷」「郵送」「訪問」を要求してくる矛盾。新型コロナに関しては、それまでの社会構造や人間としての生き方が明確に現れる。世界各国で、社会格差や差別や社会保障の問題など、今、ニュースで言われているものは全て、それぞれの各国で今まで取り繕うとして、今回それがようやく表に出てきた、とも言えるのかもしれない。

ただ、個人によっては「生活がほとんど変わっていない」のかもしれない。人類史上、これだけ世界が繋がっている時代は無いのだろうし、オンラインで教育も医療も日常の雑談も飲み会も未来宿泊券のギフトの送り合いもできるようになった今、限りなく「自分と人との接し方」と向き合える時代だ。

私は思う。多様性とは、この瞬間にも「#stayhomeのhomeが無い人はどうするのか?」「ネット難民の人々は?」「アメリカのルームシェアの人々は?」「もっと言うと、国を持たない人々は?」「コロナ予防と言いながら、ここで地震や台風が起こったら?」「帰国者側の意見と、ホテル経営者側の意見をお互いが理解し合えている?」「障害がある人々の生活は?」「言葉がわからない海外の人々は?」「オンライン教育や会議が主流になったとき、ベトナムとの時差は2時間だけど、アメリカに留学していた学生たちは?」等と想像力豊かに、多方面からの声なき声に耳を傾けることなんじゃないかと。そして、その外へ目を向ける余裕は、自分のメンタルヘルスを整えてからじゃないと難しい。行き場の無い不安や不満を、目の前の相手やオンラインに吐き出しても、何も解決しないし、それでも無常にも世界は急速に動き続けるのだ。

コロナ時代、私は、これからも自分の時間と想像力を、より深く広く使っていきたい

#胸突き八丁
#待てば海路の日和あり

#毎日の言葉
ベトナムへの一時帰国前、同じベトナムから日本へ帰国するメンバー同士で「精神病むかもしれんから」ということで、一緒に日課を作ることに。その日課とは、今回毎日記載している「ことわざ&四字熟語チャレンジ」。これは、それぞれが新たに学んだことわざや四字熟語を使って、毎日の会話に入れるという、万が一使い方間違っていても誰も修正できない(失礼w)会話。最終的に、ことわざを最初に調べて、会話を何としてでもその流れに持っていって会話が成り立っていないという。でも、シンプルで結構頭使って面白かったので、結構オススメです。

そして、実は全部書き終わって公開した後、アプリでいじっていたら、なぜかDay 9 以降のnote内容がすべて消えて、一回メンタル崩壊しましたwなんとか耐えて、また4月12日に公開。創作活動よ・・・踏ん張りが大事。堪忍五両、思案十両。

創造の場所であるカフェ代のサポートを頂けると嬉しいです! 旅先で出会った料理、カフェ、空間、建築、熱帯植物を紹介していきます。 感性=知識×経験 மிக்க நன்றி