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DAY80:街角のベトナム語~中所得国の罠 Bẫy thu nhập trung bình~

数日前に、ある教授に紹介して頂いた政策大学院大学のウェビナー(ベトナムの生産性動向と残された課題 )を見ていて、ベトナムの文化スポーツ観光局や人民委員会のメンバー40名程にもグループ内共有したところ、経済学者のThọ元早稲田大学教授に対する尊敬の言葉や、日本の高度経済成長時期への研究等、とても反響があった。

「中所得国の罠」とは、発展途上国が中所得にまで経済発展した後、人件費上昇によって工業品の輸出競争力が失われて成長が鈍化し、高所得国と呼ばれる水準には届かなくなる状態ないし傾向を指す通称であり、2007年に世界銀行が『東アジアのルネッサンス』にて、同現象を形容する言葉として用いたのが初出である。
中所得国:一人当たりGDPが3,000ドルから10,000ドル
Wikipedia 

ベトナム語のレッスンを始める前の雑談でこの話をしていたら、さすが経済大学の先生だった。まずは、日本の大学の教授を紹介して頂いた。
CLMVメコン川流域国の研究も多い流通科学大学の上田教授。https://www.umds.ac.jp/academics/profile/index_a/ueda_y/

「ベトナムは、高度経済成長へのゴールデンタイムを逃した」「インフラ整備が整わないまま、人件費が上がりすぎている上に、どんどん高齢化していっている」「流通を加速させないことには、発展を望めない。流通は生産の5年前でないといけない」等と話が盛り上がったので、結局、ずっと戦後の日本高度経済発展の道や、1990年末に中所得国の罠に陥った韓国や台湾はIT分野で産業の高度化を行い、高所得国入りを果たしたが、ベトナムはどの産業分野での発展を望んでいるのか、等の話をしていた。

つい先日、ある一人のメコンデルタのベトナム人のランナー仲間が、「シンガポールのような国を目指したい」と言っていたが、「シンガポールには、歴史や文化が無い。家賃も高すぎるし、面白くない。」と言って、国を去ったシンガポール人を数名知っている身からすると、なんとも複雑になったものだ。

Quản trị kình doanh:経営管理
Các nước lưu vực sông Mê Công:メコン川流域諸国
thu nhập trung bình:平均所得
bẫy:トラップ(罠)

chuỗi cung ứng toàn cầu:グローバルサプライチェーン
Giấm đốc đại học Đà Nằng:ダナン大学の学長
thoát bẫy thu nhập trung bình:中所得国の罠から逃れる
năng lực sản xuất của VN thấp:ベトナムの生産能力は低い
tòa nhà chọc trời:超高層ビル

có tiền lương:給料を持っている
thất vọng về Việt Nam:ベトナムに失望した
có nhiều đối thủ cạnh tranh:競合相手が多すぎる
những nước này có nhiều tiềm năng hơn VN:
これらの国々は、ベトナムよりも可能性が高い

1. ô tô:自動車(本来自国生産量を増やすべきだが、輸入(nhập khẩu))
2. nông nghiệp:農業
3. IT

thời kỳ vàng:golden time 
để phát triển:発展するために

Khi dân số lao động trẻ hơn lương của người lao động chưa cao >>> chi phí sản xuất rẻ dân số nhiều >>> thị trường lớn 
労働人口が労働者の給料の向上前に若さを保っている場合は、安い生産コストと人口増が実現し、大きな市場規模を生む

dân số VN bắt đầu già lực lượng lao động giảm 
(現実は)ベトナムの人口は高齢化し始め、労働力は減少している

Bẫy thu nhập trung bình:中所得国の罠

1. có ô tô giá rẻ: phải sàn xuất trong nước:安い車の生産
(国内流通を拡大していかなければならない)
2. phải xây dựng đường:道路を建てていかなければならない

Hyundai 
vừa sản xuất ô tô:車を生産したばかり
vừa xây dựng rất nhiều cao tốc:多くのハイウェイを建てたばかり
đồng thời:同時に
cao tốc:ハイウェイ

VN đã khá phát triển nên nhiều người xây nhà nhiều 
ベトナムは(インフラ整備というより)より多くの家を建てた
giái tóa nhà dân:人々の恥辱
bồi thường:補償する

lưu thông phải đi trước sản xuất khoảng 5 năm 
流通は生産の5年前でなければなりません

DN-TPHCM 900km mất 30 tiếng:ダナンからホーチミンまでバイクで30時間
(東京から福岡までは1092km:バイクで12時間)
tiết kiệm thời gian:時間を節約する
xe ô tô nhỏ:小型車
xe tải, xe container chậm hơn:トラック、コンテナが遅い
45 tiếng:45時間
hàng hóa sẽ chậm lưu thông:商品の流通が遅くなる
VN đang rơi vào vòng luẩn quẩn:ベトナムは悪循環に陥った

Trợ lý phát triển chính thức từ Ngân hàng Thế giới:世界銀行からの援助
đập:ダム
cao tốc:ハイウェイ
công nghệ:技術
đường hầm:トンネル
chiến tranh triều tiên:朝鮮戦争
hàng quân sự:軍事品
vũ khí:武器
quần áo:服
vào thập kỷ 70s, 80s:70年代、80年代に

火力電力→電力開発→道路・輸送セクター

日本はサンフランシスコで対日講和条約が調印された翌年の1952年8月、世界銀行に加盟し戦後の復興に必要な多額の資金を借り入れました。最初の貸出は、1953年に調印された火力電力プロジェクトに対するものでした。1950年代の貸出は、鉄鋼、自動車、産業、造船、ダム建設を含めた電力開発に向けられました。1960年代に入ると、道路・輸送セクターが主な対象となり、名神高速道路や東海道新幹線などの建設への貸出が行われました。

1966年、日本は最後の借入に調印し、世銀の卒業国となりました。世銀からの資金を基礎として著しい復興と躍進を遂げた事は世界の注目を集めました。こうして日本は、資本市場として重要な役割を担うようになり、現在では、世銀にとって第二の出資国となり、様々な分野で世銀の重要なパートナーとなっています。日本が世銀から借入れた総額はおよそ8億6,300万ドル、31件となり、最後の借入を完済したのは1990年です。

2011年は世界銀行が日本の資本市場で債券を発行してから40周年の記念すべき年でした。過去40年にわたり日本の投資家が購入した世銀債は約1500億米ドルに上り、こうして調達された資金は世銀を通じて世界中の途上国で経済・社会開発に役立てられています。


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