「伝統を再解釈してリデザインし自然と共存する」ベトナムのザ・ミスト・ドンコイホテル
「伝統のアップデート」という考え方や価値観は、近年ますます至る所で共有されるようになってきている。伝統の再構築、再解釈、それは、古いものから学び、新しいもの(価値)を見出す観察力。
The Myst Dong Khoiというホーチミン市1区にある5つ星ブティック・ホテルで、「建築デザインの付加価値」を再考した。
このホテルの建築に携わったのはa21studioというベトナムの建築集団で、思えば人々が「建築集団」「建築家集団」と呼ぶようになったのは、オランダロッテルダムの建築家集団MVRDVからなのかなと思う。
「伝統を再解釈してリデザインし自然と共存する」がコンセプトのa21studio。ウェブサイトの写真も素敵。
ホテルで偶然見つけたOUTSIDEINという本は、オーストラリア人とマレーシア人建築家集団PENTAGOが手掛ける東南アジア・南アジアでの建築を紹介していて、スリランカのネゴンボにあるヘリタンスやホーチミン7区にあるRMITにも携わっていたことを知る。
(しかも面白いのはメルボルン出身の建築家が、病院のベッドでRMITホーチミンの改修工事に携われる建築家募集の記事を新聞で見てから始まる)
スリランカのヘリタンス・カンダラマや、このミストドンコイでも思ったけれど、もっと建築家の想いや歴史を宿泊者に伝える伝道者がいれば良いなと思う。ベントタのCinamon Bentota Beachでは宿泊者以外でもすぐに参加できるホテル建築ツアーがあって、専門のツアーガイドが無料でホテル内の歴史建築デザインを紹介してくれた。
ハード面、建築がとにかく先取りしていて、「伝統のアップデート」というコンセプトのもと広がっていくのは良いけれど、ホテルの方々が、その建築家のこととか、デザインのコンセプトを知らない。それはまるで、売っているお酒を知らないバーテンダーのよう。
建築家やデザイナーは、建てるだけで、その価値を飛び立たせることができるかもしれない。でも、ナレーション、コラボレーション、キューレーション・・・全部、その場所に落とし込んで、より深く広く伝えていく時かもしれない。これは、今、私は南インドで実践していきたい。
あと、次回は「温泉のもと」を持ってこようと思った!笑
The Mystの全客室内には半露天風呂が。これで温泉だったら最高(バスソルトはあります)!雪見風呂も良いけれど、熱帯植物と温泉も合うよね。
友人の娘さんが、将来建築家を志望しているというので、是非とも、一級建築士でなり二級建築士でなり、もしくは木造建築士の国家資格は日本で取っておいて、とにかく東南アジア・南アジアの建築をとことん旅してほしい、同じ建築家でも世界各地で活躍する建築家と出会ってほしい、そして、日本というアイデンティティーを持ちながらも、世界のメンバーとチームを組んで、世界で創造してほしい。そう思った。
創造の場所であるカフェ代のサポートを頂けると嬉しいです! 旅先で出会った料理、カフェ、空間、建築、熱帯植物を紹介していきます。 感性=知識×経験 மிக்க நன்றி