自分の人生に、自分は生きているだろうか?【「ひとりずもう」(さくらももこ 著)】
皆さんは、今まで自分の欲求と向き合ってきたでしょうか?
(突然)
私は小さい頃、大人の期待に応える、というのが正しい生き方なのだと認識して生きていました。
なので、学校では常にいい子、いい成績、学級委員生徒会長を務める…みたいな子供でした。(クソお固めですわね)
進学先も、
「今はやりたいことが決まってないから、
何でも出来る(専門学校ではない)、就活で有利になるような学校に行こう」
と半ば親に誘導されて納得したような気になって、今ここ、です。
でも、私は昔からずっと、書きたかった。
今思えば黒歴史でしか無いのですが、ベッドにこもって朝の3時4時くらいまで小説をコピー用紙に書き続け、
完成した目も当てられない作品を友達に配って回るという、タイムスリップして今すぐやめさせたいような行為をしていました。
(はい、そんな目で見ない!)
勉強より執筆を優先していたのでお母さんの怒りが爆発していたのを覚えています。
まあ、その後初恋を経験し、あまりの刺激の強さに私は自分らしくいることよりも女でいることを選んだので、大人になるまで書くことをずっとやめていたのですが…。
とにかく私は書きたかった、
でも素直に自分の欲求に従う勇気や判断力に欠けていたので、
自分の心の声に耳を傾けることをやめ、一番誰にもとやかく言われなさそうな道を選んだ、というわけです。
別にその判断を誤ったとか後悔は1ミリもしておらず、
むしろ学びの多い、これ以上なく楽しい学生生活でした。
ただ、私は自分のことをもっとちゃんと見てあげることも出来た、というか大人になってそれが出来ていないことに気づけて良かった、と思うのです。
「ひとりずもう」(さくらももこ 著)を読みました。
漫画家・さくらももこさんの、幼少期から漫画家になるまでを綴った漫画エッセイなのですが、
やりたいことをやる、とか
自分の生きたいように生きる
を子供時代から体現出来る人もいるんだなあと驚きました。
(シンプルが一番難しいよママ…)
小さい頃からマイペースで、自分のやりたくないこと、行きたく無い場所からは自分を遠ざけ、
友達から遊びに誘われても家でボーっとしていたいから断る、とか
夏休みの部活に一度も参加せず家でカブトムシの世話してる、とか
家の手伝いもせず、勉強もせず、とにかく絵を描いたり花を摘んだりカブトムシを育てたり…(ボヘミアンですね)
怠け者とか勉強しなさいとか付き合い悪いとか色々言われるのでしょうが、そのスタイルを貫けるということは、自分にとって居心地の良い生き方がどんなものかを無意識にでも理解していたんじゃないかなと思うのです。
(いや強いよさくらさん)
そんなさくらさんにも、高校卒業に伴い、将来の進路を決めなくてはならない時期がやってきます。
漫画家を目指すも、一度挫折し、将来を見直すシーンがありました。
でも、この後やっぱり諦めきれず、今までずっとぼーっと過ごしていた学生最後の夏休みを、朝から晩まで漫画執筆に捧げるのです。
そして、たまたま通りがかった青年に一目惚れして、恋煩いをしていたのですが、それすら漫画を書いていたら忘れてしまう、というシーンがあります。
自分の「これやりたい」とか「こうなりたい」って声を聞いて生きていくって、私にはすごく難しく感じます。
世間の目を気にしたり、
謎の自分で引いたレールの上を落ちるのが怖かったり(謎だけど)、
時間がないお金がないあれがないこれがない、
諦めたり見て見ぬフリをする理由っていっぱいあると思います。
でも、自分の欲求や声から逃げていたら、本当に自分が何をしたいのかわからなくなってしまうと思うのです。
現に私はそうやって生きて、何をしたいのかが全くわからなくなった事があります。
休みの日は恋人がいないとダメ、恋人に予定がある日は何をしたらいいのかわからず途方に暮れる、という始末でした。
自分で決断して自分の力で生きていく、というのと
自分の欲求や声に耳を傾けて生きていく、というのは別物だと思います。
自分の欲求を、叶わない物、邪魔な物として諦めたり見ないフリするって決断する事だっていくらでも出来ちゃうのです。
でも、それを繰り返すうちに、自分の人生に自分がいなくなっちゃうんじゃないかって思います。
もし昔の私のように、あれ、なんか変だな…自分のしたい事がわからないな…って違和感を感じている方がいらっしゃるなら、
是非「ひとりずもう」をお勧めしたいなって思いました。
自分が何が好きで、何を欲してて、何をしている時が幸せなのか、
些細なことでも、自分の声を聞く訓練を、私も続けていきたいと思いました。
ということで、どこからか「ドーナツ食べたいよ」という声が聞こえてくるので、ドーナツを食べに行って参ります…。
(こうして一人の女が肥満になるのであった…)
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