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vol.6 海外のスタジアムやアリーナのはなし

こんにちは、haruです。
イベントやeスポーツ、ゲームや音楽などオンライン・オフライン問わずエンターテインメントを生業にしています。

前回はラスベガスで見たショーについて書いたのですが、

vol.5 インプットのはなし
https://note.com/pixxy/n/n69a40dd5a9d6

今回は海外のスタジアムやアリーナを見に行って感じた事のおはなしです。


ラスベガスから飛行機で1時間ほどでロス。日本とラスベガスを行き来するときはだいたいロス経由です。

ドジャー・スタジアム

1つ目。MLB、ロサンゼルス・ドジャースのホームです。なんといっても特徴的なのは球場の入り口がスタジアムの最も標高が高い場所になっているということ。
ロスの市街地から山を上がっていき、ドジャー・スタジアムの正門をくくるとそこがスタンドの一番上。グラウンドを見下ろす景色が一番に目に入ってきます。インパクトありますよね。おもわず声が出ます。

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ドジャースというチーム、日本人にとっては野茂英雄が最初に所属したMLB球団として有名です。野茂の以降も、石井、黒田、前田健太、ダルビッシュなどたくさんの日本人がプレーしたチームです。
歴史的にはMLB初の黒人選手であるジャッキー・ロビンソンという野球の歴史を変えた選手の所属していたチームでもありますね。

僕が訪問した日はスタジアムツアーに申し込んでいたので、試合前の球場を隅々まで見ることができました。過去の球団レジェンド選手達の記録と受賞歴がこれでもかと展示されています。さすが名門球団。
さらに展示エリアの奥のVIP席がこれまたすごい。ここにしかない歴代選手のパネルと直筆サイン、メッセージなどが所狭しと並んでおり、試合がなくてもファンならこの部屋だけで十二分に楽しめる作りになっています。

また、スタジアムの入り口すぐには過去のドジャース選手のポジション別ランキングや、選手の背番号のモニュメントなど、とにかくOBを大事にリスペクトしている様が見て取れます。歴史が球団を作るのですね。

ステイプルズ・センター

2つ目。こちらはNBA、レイカーズ及びクリッパーズの本拠地。

さすがというか当然というか、とてつもなく大きい。日本でもプロバスケの試合をいくつか見に行きましたが、やはり規模が比べ物にならない。2万人近く入るハコです。日本ではまだ本当の意味でのバスケのアリーナはほとんど存在していなくて、「体育館」で興行をしているので、その差たるや。。

ここで最も印象的だったのはVIPルームでした。1Fと2Fの間にVIPフロアがあるのですが、当然すべて個室。まるでマンションの1フロアがそのままアリーナに作られているような作りです。VIPルームの数がとんでもなく多い。それだけ需要があるのですね。

また、ここでも当然歴史が大事にされていて、アリーナ外には過去のレジェンド、マジック・ジョンソンやカリーム・アブドゥル・ジャバー、シャックなどの銅像が並んでます。そして選手だけじゃなくて、実況者の方の銅像なども並列にならんでいるのがいかにもアメリカらしい。スタッフや裏方、選手以外の人達にもちゃんと光が当てられています。

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ペトコ・パーク

ロスからちょっくら南下して、サンディエゴ。
MLBサンディエゴ・パドレスの本拠地、ペトコ・パークです。

ここはもうスタジアムという表現に収まっていません。
そう、日本ハムが建設中のコレです。

北海道ボールパーク
https://www.hkdballpark.com/

敷地内に子供用の野球場があり、試合前に子供達はそこで夢中になって野球をしています。その横で大人達は外野スタンド最前列に設置されたバーでビールを飲みながら、守備練習をしている外野手にボールをおねだり。選手はフライをキャッチしするとボールをスタンドへ投げ込む。
どちらも当然チケットが無いと入れないエリアなので、治安も悪くないので大人も安心して子供を遊ばさせられる。

子供の野球場の横には、なぜかビルが立っておりグッズショップやレストラン、屋上観覧席、VIP席などが設置されてます。
もはや野球を見るのは目的の半分程度でよくて、丸一日楽しめるまさにボール・パークです。
横浜ベイスターズが「ライバルは他球団やサッカーなどではなく、居酒屋」と言っていた事を思い出しました。大人も子供も本当に楽しそうでした。

スタンドでは何十年も前に引退した選手のユニフォームを着て観戦している老夫婦を見つけました。見慣れない選手名(とデザイン)だなと思って調べると、1980年代に活躍した選手だと。甲子園で2020年に夫婦で掛布の当時のユニフォームを着ているようなものです。でもそれが全然違和感なくて、むしろしっくりと馴染んでいて。その街の人達に野球が文化として浸透しているんだと感じた瞬間です。

エミレーツ・スタジアム

お次はイギリスはロンドン、サッカープレミアリーグはアーセナルの本拠地エミレーツ・スタジアムです。

日本のJリーグとは違い、やはり本場イギリスのサポーターは暑苦しい!おっさんばかり。女性も子供も全然いない。
しかもほとんどが試合開始ギリギリに登場。日本みたいに1〜2時間前から集まってゴール裏の場所とって、フラッグ掲げて、応援の準備して、みたいなことはやりません。国民性が出ますよね。
30分くらい前まで客席ガラガラで、本当に今日チケット完売?って思ってたらキックオフ5分前にはしっかりと埋まってました。

このスタジアムで目を惹かれたのは外壁にずらっとならんだチームOBの写真とテキスト。自分の買ったチケットの入り口を探しながらスタジアムの回りをぐるぐる歩くのが苦にならないですね。

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ご多分にもれず、エミレーツのVIP席も超豪華でしたね。
なんでも2FのフロアはすべてVIPだそうで、ガラス張りになっているので外からも丸見えです。見た感じは完全にレストラン。料理とお酒を楽しみながらゆっくりとくつろげるスペースです。

歴史がハコと文化を作る

と、色々見てきて一番感じたことは2つ。

・クラブ(チーム)が歴史やOBをとっても大切にしている
・VIPがとにかく充実している

日本の野球もそれなりに歴史があると思いますがそれをどれだけ継承しようとしているか、の姿勢に大きな差があると感じました。
ましてや日本のサッカー、バスケなんてまだまだ欧州のサッカー、アメリカのバスケとくらべたら赤ちゃんみたいなものですしね。

VIP席も数・質共に日本とは大きな違いがありました。
残念ながら、日本では悪平等の考え方が強いので、VIPが一部の限られたもので通常の席と大差ない状態になってしまっています。
日本でも変わりつつあるかとは思いますが、「一時の特別な体験」にお金を払う人はたくさんいると思うので、スポーツチームのマネタイズという意味でも、つきぬけたVIP体験を作ること、その数を増やすことは今後大切になってくるのではないでしょうか。

どの施設もそれぞれに発見と学びがあって最高の経験でした。
次見にいけるのは一体いつになることやら。

それではまた。