マガジンのカバー画像

うそつきトマト①〜⑧

8
お話、うそつきトマト①〜⑧をまとめてよめます。
運営しているクリエイター

#小説

うそつきとトマト⑧

うそつきとトマト⑧

ブリエラは僕がトマトをもっている事を知っていて、トマトを取り返そうとしていた。



人間の世界の大きさだと僕はとてつもない巨人なので、言葉巧みに誘い出して野菜王国に連れていった。



あの時あったナスの車に乗っていた使者はブリエラに操られていたようだ。

結局トマトはどこにあるかわからなかったので、僕ごと森へ葬りさろうとしたようだ。

信じられない話しだが、初めて会ったこの二匹が

もっとみる
うそつきとトマト⑦

うそつきとトマト⑦

これには僕はおどろいた。と言うか、にわかに信じ難いその話を信じてよいのか、わからなくなった。

イグアナ達のはなしはこうだ。

ブリエラはイグアナの国にいる悪い魔女だった。
カルラはもともとは野菜王国の王様の妃だった。

ブリエラは野菜王国に住みたかったので、魔法をかけてみんなの記憶を操り、カルラを追い出した。

カルラの事を意地悪で嫉妬深い妹と王様に思い込ませ遠ざけた。

カルラはイグアナの国の

もっとみる
うそつきトマト⑥

うそつきトマト⑥

ブリエラの言う通り歩いて行くと、木のトンネルに辿りついた。

あとはここをくぐればもとの大きさに戻る。

僕はブリエラから教わった木のトンネルを潜ろうとしていた。

入り口に入ると突然、何かに引っ張られてトンネルの外に引きずり出された。

突然の事にしばらく固まっていると、そこにニ匹のイグアナがあらわれた。

「痛い思いをさせてしまってすみません。どうか話を聞いて下さい。私達には

もっとみる
うそつきとトマト⑤

うそつきとトマト⑤

入り口に立ち、ドアをノックした。
中から顔を隠すようにフードのついたマントを羽織ったブリエラがでてきた。

僕は王様に渡された手紙を渡した。
ブリエラはそれを読むと僕を中に入れてくれた。

中に入ると、家のなかは綺麗に掃除してあって、まどのところに一輪の花が飾ってあった。

ブリエラはお茶をいれてくれた。

そしてここにきてからの生活を話してくれた。

ここに来た時、彼女の心は酷く弱っていた。も

もっとみる
うそつきとトマト④

うそつきとトマト④

「何を困って居るのですか?」
と尋ねると王様は力なく話しだした

「私には妃がいる。名をブリエラともうして、隣の国の姫だった娘だ。

隣の国は魔法使いの国で、ブリエラも魔女であった。ブリエラは優しくてそれはそれは美しい姫で皆んなに愛されていた。

ブリエラにはカルラという妹がいる。

カルラは嫉妬深く、いつも1番でなくては気が済まない性分だった。

ある日カルラがこの国に遊びに来る事になった。

もっとみる
うそつきとトマト③

うそつきとトマト③

ぼくがキョトンとしていると、彼は色々はなしてくれた。

彼が言うには、これはナスの形をした乗り物だという事。

自分達は小人だという事。

ナスが大きくなったのではなく、ぼくが小さくなったのだという事。

またトンネルを通ればもとのおっきさに戻れるということ。

そして、この国の人々は魔法で嘘がつけないということがわかった。

なんとも信じがたいはなしなのだが、こうして目の前にある光景をみると信じ

もっとみる
うそつきとトマト②

うそつきとトマト②

これには驚いた。

ナスに話しかけられた人がこの世に何人いるか。

多分ぼくだけだろう。

ぼくはおそるおそるナスを拾った。

内心まだ信じていなかった。
だってナスが話すなんて、そんなのきいた事がない。

ぼくの目の前にきたナスは話し出した

「私はやさい王国からやってきました」

やさい王国!?!

ぼくがこんらんしているのはおかまいなしにナスは続けた。

「あなたのこれまでの冒険の数々はやさ

もっとみる
うそつきとトマト①

うそつきとトマト①

もし道端に置いてあるトマトを見つけたらそれは拾ってはいけない場合がある。

あるあつい晴れた日、子供の僕は道端に置いてあったトマトを拾った。

それは、太陽の光を沢山浴びた綺麗な赤色をしていて、パンと張ってキラキラしていた。

あまりに綺麗なトマトだったので、思わず拾ってしまった。

そうそう、ぼくが小学生の時に起きた不思議なお話をしよう。

ぼくはいつもうそをついている子供だった。

行ったこと

もっとみる