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うそつきとトマト⑤
入り口に立ち、ドアをノックした。
中から顔を隠すようにフードのついたマントを羽織ったブリエラがでてきた。
僕は王様に渡された手紙を渡した。
ブリエラはそれを読むと僕を中に入れてくれた。
中に入ると、家のなかは綺麗に掃除してあって、まどのところに一輪の花が飾ってあった。
ブリエラはお茶をいれてくれた。
そしてここにきてからの生活を話してくれた。
ここに来た時、彼女の心は酷く弱っていた。もう何もかもどうでもよかったという。
何故村町を離れたのかというと、彼女を傷付けたと思い、悩む王様や街の人々を見ているのが辛かったという。
皆んなが私のために悩んで苦しんでいる。
カルラの魔法は町中を苦しめているという事。
ブリエラの心は今もなお美しかった。
ぼくはしばらくブリエラと過ごす事にした。
ずっと一人でいたブリエラは久しぶりのお客の訪問に喜びを隠せないでいた。
ぼくはしばらくブリエラと過ごし、ふと自分の家の事を思い出した。
ブリエラにその事を話すと、彼女はこんな所に突然連れてきた事を詫び、きっと皆んな心配してるから、早く帰った方がいいと言い、帰り道を教えてくれた。
僕は王様達に何も言わずに帰る事に多少の罪悪感を抱きながら、役目は果たしたのでよしとして帰る事にした。
⑥へつづく
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