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コンサルタントの本棚(全て)

この記事は、コンサルタントとして働く私が読んだ本を徒然なるままに、(ざっくりした)分類とともに、備忘録的に記録するものです。

ひっそりとした夢として、いつか図書館を開きたいというものがあります。それをまずは自分が読んだ本だけでも、ネットの中だけでも、実現させてみようと思います。

私が読んだ本を皆さんに紹介することで、一種の自分晒しをするとともに、皆さんには、コンサルタントとして約5年働く1社会人の趣味を垣間見て貰えればと思います。

かといって、皆さんの人生に全く役に立たないかと言われるとそうではないだろうと信じます。なぜならば、①ここに記録する本は主に"名著"と呼ばれる本が多くなるであろう、②そもそも本とは出会いを促進してくれるものであろう、③(私の個人的な)メモによって読書の事前・事後理解が捗る可能性が幾ばくかは存在するであろう、から。

ちなみに2024年5月以降の読書数は以下のようになっています。(記事紹介するのは一部のため、数は一致しません)


読書数の推移

はじめに

早速、本をダラダラと紹介する、というのもアリですが、前提情報として2点お伝えします。①私の本の選び方、②本の評価/おすすめ度の付け方、についてです。そしてさらなる前提情報は、2024年5月以降に読んだ本ということです。
※なお、当記事のURLはAmazonアソシエイトリンクですので、気になる方は別途ご自身で検索し、ご購入下さい。(気にせず、購入いただいたらそりゃ嬉しいですヨ)

①私の本の選び方

基本的には、その時時の心の赴くままに読書をすることが多いため、ジャンル/テーマ/著者等に偏りもしくはばらつきが存在します。

一方で、2024年現在においては、「1ヶ月につき1小説家」「心理学を学びたい」という自分テーマを設定しているため、作家やテーマに偏る可能性はあります。

また、村上春樹の小説『ノルウェイの森』の登場人物永沢の以下の発言にも大きく影響を受けており、いわゆる"名著"と呼ばれるものを好む傾向が存在します。

「現代文学を信用しないというわけじゃない。ただ俺は時の洗礼を受けていないものを読んで貴重な時間を無駄にしたくないんだ。人生は短い」

村上春樹 『ノルウェイの森』

一般的に流行っている小説(〇〇大賞受賞等)や、SNS等で話題になっているビジネス本等も読むことはありますし、これが絶対というわけではありません。流行りものより、名著を好むという"傾向"があるということです。

②本の評価/おすすめ度の付け方

他者が書いた本を評価する、または、更に他者におすすめをする、ということは恐れ多いものです。しかし、本を並べるにあたって、私はこのnoteではジャンルに加えて、時系列ではなく、おすすめ度を用いて並べたいと考えています。

私は書評家ではないので、私の記載するおすすめ度は「今の自分自身に響いたか」「今の自分の仕事に役立つか」という観点のみであり、決して「文体が素晴らしい」「構成が美しい」などの文学的立場/評価を表したものではありません。

ゆえに、「なぜ〇〇よりも△△のほうがおすすめ度が高いのか」等と言われても「それって、私の感想ですよね」としか答えられず、お互いに気まずい思いをするであろうことは明らかです。(どうかそんな辛辣なコメントはお控え下さい。)

ということで、この記事は、感想を交えた本の紹介にとどまるものであるため、仕事術等々、実務に役立つシリーズについては別途紹介したいと考えていますので、そちらを楽しみにしていただければと思います。


本編

以降でジャンルごとに本を並べていきます。
本の紹介は、「書籍の基本情報」「おすすめ度」「感想/所感/考えたことなど雑記」という内容で進めたいと考えています。が、途中で変わるかもしれません。ご容赦下さい。

カテゴリ①経営

企業価値4倍のマネジメント(火浦 俊彦、ベイン アンド カンパニー)|おすすめ度★★★★☆

コンサルティング業界の超有名/一流企業であり、MBB(マッキンゼー、BCG、ベイン)の一角である、ベイン・アンド・カンパニーが出版した『企業価値4倍のマネジメント』。
ベインが支援した企業は、市場平均の4倍のリターンを叩き出していることから、本のタイトルが付けられています。

「定石を守ることが市場を制する基本である」「意思決定の構造改革が重要」というものを基本的なメッセージとして、組織やM&Aといった各論を展開していくものです。
経営で抑えるべき視点だけでなく、実際にどう改革を進めか、まで、踏み込んで書かれており、コンサルタントの視点/経営者の視点どちらでもとても勉強になる本です。

ただ、記事の連載の再構成ということもあり、テーマの選定や全体構成がなぜこうなったのか、の背景がいまいち掴みづらいかなとも感じました。

カテゴリ②コンサルとは?コンサル思考とは?

プロフェッショナル原論(波頭亮)|おすすめ度★★★★★

個人的に、コンサルタントとして働くことになったら、もしくはプロフェッショナルとして働くことになったら、真っ先に読むべき本であり、いわゆる「コンサル本」はこれだけでいいんじゃないかと思うレベルのおすすめ度合い。

以下に紹介するようなスキルアップ本ではなく、プロフェッショナルとは「いかにあるべきか」ということにフォーカスした本であり、プロフェッショナルがマインド面で立ち返る場所になるような本である。

プロフェッショナルの要件から、掟・組織・行動特性へと論を展開するうえでは、元マッキンゼーの筆者の思い/矜持が感じられる。よくマネージャー以上が口にする"俺等の時代のコンサルは~"を肌身で感じられる一冊。
舐めた新人にはこれ読んどけ、と言って渡したい本。

コンサル・コード―プロフェッショナルの行動規範48―(中村健太郎)|おすすめ度★★★★★

『プロフェッショナル言論』がマインド面であるとすると、『コンサル・コード』は行動面の規律を述べた本であると言える。
実際に筆者が所属するFIELD MANAGEMENTの研修資料であるということなので、コンサルの立ち上がりとしては非常に良い一冊だと思う(マインドから入るよりも、〇〇はしてはいけない、△△をすべきであるという行動で縛ったほうが習慣化され、マインドが変わるから)。

行動特性については、厳しくかつ細かく書いてあるので、直ぐに行動を変えられるプラクティカルな内容。なので、今すぐコンサルっぽく働く、を目指すならばすごくおすすめ。

イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」(安宅和人)|おすすめ度★★★★★

マインド/行動ときたら、スキルセットが次に来るのかもしれない。ということで、コンサルタントの思考回路について書かれた本をいくつか。
コンサルの思考スイッチといえば、"イシュー"、"論点"であり、その思考法を一般に知らしめたのがこの本なのではないかと思う。

有名なのはイシューを定義したうえで「犬の道」を行くべきでないと論じたところ。長時間労働が蔓延するコンサルティング業界ですが、常に「犬の道ではないか」と立ち止まるきっかけづくりにもなっている気がします。

変える技術、考える技術(高松智史)|おすすめ度★★★★☆

コンサルが「最初の3年間」で学ぶコト 知らないと一生後悔する99のスキルと5の挑戦(高松智史)|おすすめ度★★★★☆

同じ著者なので、一気に2冊。著者の高松さんは「考えるエンジン」講座で、論点思考を教える元BCGマネージャー。

YoutubeやXなどでも発信している内容を見ていても思っていたが、本を読むと他の本と異なるのが、圧倒的に「行動を変える」ことにフォーカスしていること。コンサルタントとして、"考える技術"を使う/身につけるために「じゃあ実際に何すんの?」に答えるプラクティカルな記述が素晴らしく、意識付けられる。

どちらかというと前者の「変える技術、考える技術」が高松さんの全体的な思考が表れていて、かつ読みやすいので初心者向け。後者は少しコンサルタントとして働き始めた若手や、ビジネスマンの駆け出し向けに、実務的な考え方を伝える内容。

論点思考(内田和成)|おすすめ度★★★★☆

仮説思考(内田和成)|おすすめ度★★★★☆

ここも、同じ著者なので一気に2冊。『イシューから始めよ』に次いで、コンサルタントの思考法を学ぶという観点では有名かつ、必読書としておすすめされている書籍だと思う。

評価に違わず、コンサルタントがどう考えるか、を論点設定・仮説設計それぞれで教えてくれる本。個人的には『イシューから始めよ』に続けて、『論点思考』『仮説思考』を読むとより効果的になると考える。

若手は、作業の論点から考え始めることが多いと思うので、『論点思考』から始めると吉かなと。

コンサルティング会社 完全サバイバルマニュアル(メン獄)|おすすめ度★★★★☆

思考法というよりは、著者の実際のコンサルティング業界での業務経験からの教訓を引き出す、という観点で書かれた本。

さもすればキラキラ業界という印象を持たれがちな中で(コンサルティング業界自体がそんなブランディングをしている感があるが)、実際のコンサルティング業界とはこんなもんぞ!と気を吐いているような一冊かなと感じた。

個人的に刺さったのはマネージャー時代に「自分に何ができるんだ」と悩み、突きつけられるところ。コンサルタントが数年経って悩むポイントそのものズバリだなと感じて、将来の落とし穴を見た気持ち。

1位思考──後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣(猿渡歩)|おすすめ度★★★☆☆

1位になる、圧倒的に成長するためにどんな習慣が必要なのか、という観点で、著者が意識してきた習慣を述べている本。

著者がアンカー・ジャパンCEOということもあり、1社員というよりも、社長・組織というような高い視座で語られていることも本書の特徴だと思う。

具体的には、習慣の1番目に書かれている「全体最適」。つまり、自分の作業だけでなく、会社にとって何が一番大事か?何が最適か?を考える習慣を持て、という箇所では、1社員ではなかなか考えないような習慣だなと感じた。
組織を率いる/管理職になる段階で振り返ると、学びが再度深まるような一冊だなと思う。

熟考する力~流されない自分をつくる本物の思考術(木山 泰嗣)|おすすめ度★★★☆☆

これはコンサル思考とはちょっと違う趣旨の本。だけど、コンサルタントとして生きていく、さらに広げて、この時代に生きていくためには重要な思考法が書かれている。

感情が先走って、会話するもしくは返信するという事があるのが人間だと思うが、SNSではそれが顕著になり、過度に加熱する〇〇叩きみたいなものが生まれている。それに対して、"熟考する"ことで流されない自分なりの思考を持とう、という話である。

著者は過去に弁護士を経験しており、思考法は"リーガルマインド"をベースにしている。抽象的な"ルール"を解釈し、事実をルールに当てはめ、評価する、というのがざっくりしたリーガルマインドである。

コンサルタントとしては、自分の中に"ルール"の引き出しを増やし続け、クライアントという事実を、評価・解釈することができるようにならねばならんと感じた。

カテゴリ③仕事術・ノウハウ

時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム(木下勝寿)|おすすめ度★★★★☆

北の達人コーポレーション創業者の木下さんの著書。同著者の他の本もすこぶる評判がいいみたいですが(クライアントの社長が激賞してました)、個人的にはこの本が好きです。

コンセプトは、成果を最大化するための法則を一日一つずつ自分のものとしていくものであり、45個の法則が書かれています。

ちなみに木下さんに言わせると、成果 = スキル × 思考アルゴリズムらしく、スキルには3倍くらいの差しかないが、思考アルゴリズムは50倍以上差がつくものであると。つまり、最大で150倍の成果の差が生まれるのである、ということでした。

私の好きな法則は、「日付の数値化」でしょうか。目標達成やスケジュールを、ともすれば月数や年数で考えがちですが、そうではなく、より細かい日数(厳密には営業日数)や時間単位で管理すべき、タスクを割り振るべきという法則です。漠然とした目標を具体の足元まで持っていくことが大事という話です。

外資系コンサルのビジネス文書作成術―ロジカルシンキングと文章術によるWord文書の作り方(吉澤 準特)|おすすめ度★★★★☆

『外資系~』のシリーズはいくつかあり、それぞれがコンサルタントとして働くには必須のものと考えます。

ただ、私がビジネス文書作成術を一番上に持ってきたのは、「文章をちゃんと書けないやつは何をやらせてもダメ」という考えがあるからです。

文章を書くのはスキルであり、後天的に必ず身につくものと思います。それは、見栄え・文章構造等など一つ一つの気をつけるべき項目を抑えることによって、無意識レベルに身体に染み付くものだと考えます。
そして、文章がかけるやつは、ExcelもPowerPointも、メールもちゃんとできるようになる、というスパイラルなのではないかと考えています。

まずはWordで文章をちゃんと書けるようになりたいものです。

外資系金融のExcel作成術―表の見せ方&財務モデルの組み方(慎 泰俊)|おすすめ度★★★★☆

次は、Excelです。Powerpointもありますが、正直そちらは企業ごと/上司ごとに振れ幅が大きすぎて一部参考にならない部分があると考えています。

一方でExcelは、基本的にどの会社に行ってもこの本に書かれているルールが正となって運用されていることが多いです。特にプロフェッショナルファームだと。

故に、まずはお作法としてのExcelを学び、そこから飛躍していくという点で、Excelをこの本で学ぶのは必須だと考えます。

ただ、タイトルにあるように財務モデルが作れるようになるかと言うと、そうではないので、他の書籍なりで学ぶことが必要です。

外資系コンサルのリサーチ技法: 事象を観察し本質を見抜くスキル(アクセンチュア 製造・流通本部 一般消費財業界グループ)|おすすめ度★★★★☆

コンサルタントになって、任されるのにどうしても成果が出ない、という悲しい作業がリサーチなのではないかと思ったりします。
リサーチはともすれば、「運良く見つけられたやつがすごい」みたいな雰囲気もありますが、WordやExcelのようなスキルです。(というかそう信じたいです)

リサーチの手法・手段がそれぞれどんなものがあり、どう使っていくのかという、武器と使い方が書かれている点で、コンサルタントの立ち上がりには良い一冊だと思います。具体どうするの?というときにはやや物足りない部分があるかもしれません。

みんなのフィードバック大全(三村 真宗)|おすすめ度★★★★☆

コンサルティングファームは率直なコミュニケーションが奨励される文化であり、上司・部下の関係は指示命令系統であるものの、意見ができないような関係ではありません。上司に対して、部下は間違っていると思ったらそれを伝える責任を保有しています。逆は当然のことながら。

そんな文化の中で、実際問題、自分の行動を指摘されるのは正直面白くないことも多いです。面と向かって、「〇〇はこうではない。間違っている、正すべきだ」と言われるわけです。

そんな文化を促進培養される環境と捉えられると、成長速度が爆速になります。そのために必要な一種の能力がFB及びコーチャビリティです。

なかなか、FBやコーチャビリティについての書籍は少なく、学ぶ機会がないですが、この本は貴重な勉強材料だと思います。

超・箇条書き(杉野 幹人)|おすすめ度★★★★☆

上のWord文書でも書きましたが、仕事のすべての土台は文章力(自分の考えをテキストで伝える技術)にあると考えます。その中で、効率的にタイパよく伝えるための技法が箇条書き。

箇条書きを3つの要素(構造化/物語化/メッセージ化)で進化させたものが超・箇条書きであり、この著者が浸透させたいと思っているものです。

構造化については『外資系コンサルの~』でも書かれていますが、この本において重要なのは、どうやって相手に読みたいと思わせ、動かすかという物語化とメッセージ化の部分にあります。

「何も言ってない文章」(私が上司から受けたFB)を書かないためにも、是非一読をおすすめします。

1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術(伊藤 羊一)|おすすめ度★★★☆☆

文章がかけたら、「後は読んで下さい」としたいところですが、忙しいビジネスマンにとって、簡潔に重要なことを伝え、動いてもらうスキルも重要です。

書かれていることは基本的に、『超・箇条書き』で述べられたことと同様ではあるものの、「伝える」ということに特化しており、伝えるために特有なスキルハックが書かれている点で、読んで損はない(というか読むべき)本だと考えます。

ファイナンスのプロになる Excel財務モデリングの教科書I -ミスを減らせるルール編(服部 浩弥)|おすすめ度★★★☆☆

『外資系投資銀行の~』と似た形ですが、どちらかというとExcelのファイルの作り方に関するお作法をより厳密にした本がこちらです。

タイトルは「ファイナンスのプロになる」となっていますが、シリーズ1冊目のこちらは、"ルール編"であり、財務モデルの作り方には殆ど触れられていません。そこにはよくよく注意したほうが良いと思います。

ただ、M&Aアドバイザリーや事業再生などに従事するコンサルタントにとって、Excelファイルで会話できることの重要性は計り知れないものがあるため、『外資系投資銀行の~』に加えて、こちらも通読し、ルールを徹底できるようにするのが早期立ち上がりにつながると思います。

カテゴリ④副業・SNS

X集客の教科書 500フォロワーで稼げる人 10万フォロワーで稼げない人(門口 拓也(もんぐち社長))|おすすめ度★★★☆☆

Xを使ってビジネスを拡大したい、副業したい、稼ぎたい、みたいな考えを持った、スモールビジネスオーナーやビジネスマン向けのXで売上向上を実現するための手法が書かれた本。

アカウント設計~投稿内容まで、一部はWebマーケティングに関わる人であれば当たり前と思うこともありますが、Xで成果を出す著者による具体例が豊富にあり、読んで損はないと思います。
特にXの投稿内容例は数多く、なかなか無料のノウハウでは手に入らない素晴らしい内容だと思いました。

カテゴリ⑤歴史・経済・政治・哲学(諸々)

格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか(オデッド・ガロー)|おすすめ度★★★★☆

タイトルは『格差の起源』ではあるが、この本で答えが出されているものは、「なぜ人類は反映したのか」と「なぜ格差が生じたのか」の2点。
2部構成になっており、前半後半でそれぞれに対して解が出される。

「技術進化によって、社会は繁栄する」と短絡的に考えがちではあるが、実際は、一定の年代まで、技術は発展しても一人当たり所得はほぼ横ばいであったことが示されている。その低い水準の所得がなぜ/どのタイミングで、現在につながる繁栄基調へと転換したのか、という思ってもみなかった問い&思ってもみなかった解が論じられ、一気読みできるほど楽しい本だった。

後半のなぜ格差が生じたのか、についても同様で、経済学・歴史学の方法論によって証明するというのはこういうことかなんて考えながら面白く読めた。深い中身は皆さんの面白さのためにここでは言わない。

なぜ大国は衰退するのか ―古代ローマから現代まで(グレン・ハバード、ティム・ケイン)|おすすめ度★★★☆☆

旅行がてらの移動時間で読んでみた本。ローマ帝国や大英帝国など、過去に繁栄した大国がなぜ衰退する途をたどってしまったのか、という問いに対して解を与えようとするもの。

ほぼほぼ移動時間で細切れで読んでしまい、内容が頭に入っていないというのが正直なところではあるが、個別事例から汎用的な解につなげる論証はすごいなと率直に感じたことを覚えている。

社会契約論(ルソー)|おすすめ度★★★☆☆

今現在の民主主義につながるルソーの『社会契約論』。なんとなく、社会の構造や政治に興味を持っている時期だったので、手にとってみた。

発刊当時は、ルソーの思想は危険思想であり、発禁処分を受けるなど、社会に受け入れられなかった様子だが、現在の社会が表すように、その後ルソーの思想は脈々と引き継がれ、現代社会を形成するようになっている。

大きくは、国民と国家はどのような関係性であるべきか、ということが重要な論点であると理解しているが、間違っていると嫌なので詳しくは述べない。読んでほしい。面白いよすごく!

純粋理性批判(カント)|おすすめ度★★☆☆☆

人間として生を受けたからには読んでおかないといけない必読書の1つである気がして、上・中・下とセットで買ってみたが、上を読み切って力尽きた。というか、理解できずに放り投げた。

恐らく1度で理解するものではなく、何度も何度も(それこそ学生時代を費やして)読むことで、理解が深まるものなのだろう。

恐らく、物事を人間は理解しようとするが、どこが人間の知識の限界7日、という話なんだろうと(要約サイトなどを見ながら)考えるが、正直に行って、何も理解していない。いつか時が来たら再読することになるのだろうか…。

カテゴリ⑥日本文学

青年(森鴎外)|おすすめ度★★★★☆

2024年5月は森鴎外フェアだったので。夏目漱石の三四郎に並ぶ(時代的にも)青春小説であるとの触れ込みもありますが、個人的には森鴎外派なので、こちらを推したい。

森鴎外のエリート感とちょっとした人間嫌い感が好きで、かつこの小説にも現れているのが好きです(舞姫も近いか?)。人間は如何に生くべきか?という問いに鴎外が登場人物の口を借りて回答しているようなそんな気がします。

森鴎外の時代の大学生の生活を見ると、学生時代の過ごし方の相違に驚くことがよくあります。そして、社会からの学生への期待というものも、今と異なるのだろうなと思ったりします。

阿部一族・舞姫(森鴎外)|おすすめ度★★★★☆

国語の教科書で読んだ記憶のある舞姫。主人公がなかなかにひどいやつだという印象がありましたが、やはり再読してもひどいやつだと思います。

舞姫の他に、タイトルにもなっている阿部一族は、歴史の中で、日本人にとっての恥文化・切腹文化等など、日本人への理解を深める小説だなと思います。(今に受け継がれているかは別ですが)

山椒大夫・高瀬舟(森鴎外)|おすすめ度★★★☆☆

山椒大夫は、切ないなぁというのが感想です。結局、助かって幸せにならない登場人物もいて、青春小説を始めとする明るい物語が好きな私にとっては正直苦しい小説であったりします。

一方で、高瀬舟は人間がどういう感情を持つのか、死とは?というような問いに対して考える機会をくれる小説だった気がします。鴎外自身が医者であることからも、普段からそんな事を考えていたんだろうなぁと想像できます。

雁(森鴎外)|おすすめ度★★★☆☆

結構好きだった記憶はあるんですが、読んだ後にメモをするのを忘れ、どんなところが良かったのか、何故良いと感じたのかをなかなか思い出すことができません。笑

解説に書いてあったことかもしれませんが、小説家が状況描写に込める意味というのはすごいなと思った記憶があります(なんだその浅い感想は)

ヰタ・セクスアリス(森鴎外)|おすすめ度★★☆☆☆

正直良くわからずに、個人的な森鴎外フェアだったので、買ったのですが、タイトルの意味を知って、中を読んでみたら、びっくりしました。
性生活について書かれた本だったのです!

当時は発禁処分を受けたりしたみたいですが、まぁそれもそうなりそうだなと思いました。あんまり内容についてもそれほど印象深くなかった気がします。鴎外を始め、こういった小説は世の中に結構ありますが、なんで書こうと思ったのか、が気になります。

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