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ぴぴぷる
2019年7月12日 15:41
目が覚めると知らない駅についていた。先ほどまで溢れていた乗客はすっかり消えて、一人だけ。俺が間抜けに寝過ごしているのみだった。 ハッとして立ち上がる。遅刻だ。連絡をいれなくては。いや、すでに無数の着信履歴があるに違いない。慌てて鞄を探るが、一向に携帯が見つからない。鞄の中身をひっくり返そうとしたところで、「にゃー」と鳴き声が聞こえた。見れば、向かいのシートに猫が座っていた。木製の名札を