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詩集
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2018年12月の記事一覧

白い忘れ物

雪だるまが死ぬのは いつだろう

頭が溶けてしまったときか

降り積もり 埋もれたときか

子供達の置いていった スコップやバケツも

もうすでに 姿を隠しつつある

忘れものは これだけなのか

遠い雲から

白い細胞が降ってきて

雪だるまの息を ゆっくりと奪ってゆく。

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りょーさけさんとの詩交換朗読企画!第2弾です!

りょーさけさんの詩はこちら。

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人形の灰

人形の灰

人形を焼いた灰を

ふりかけに混ぜてしまおう

炊きたてのご飯にかけて 一気にかきこんだら

愛情を思い出せるだろうか

焚き火をじっと見ていると

恐ろしさと 懐かしさとが 浮かんでくる 

全く他人の顔の 母親のような 奇妙が

焚き火の向こうに立っているようだ

自分のなかにある なまの部分を

人形に重ねて 焼いてしまおう 

その灰を ふりかけに混ぜて食べたら

自分が分かるだろうか。

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別れのグラスに何浮かべるだろ

君と僕との最後のグラスに

酒を浮かべて笑みを映して

これでよかったと飲み干すだろか




出会った喜び語るときには

間逆に別れを考えていて

沈思黙考したフリをして

「どうでもよいか」とまた飲む僕さ



顔も知らずに挨拶するとは

ハローたぬきさん どうしたことだろ

こちらは今々雲が晴れゆく

君の空は何色だろうか?



顔も知らずに別れ思うとは

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