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ボランティアを敬遠していた私がゴミ拾いをする理由

ボランティアはしたくない


子供の頃から「ボランティア」と言うものに懐疑的だった。
元々は「自発的に」と言う意味だったはずなのに学校で行うボランティアはいつも強制参加。土日に地域のゴミ拾いをさせられたこともある。朝早くから。

どこかの誰かが捨てたゴミをなぜ私が拾わなければならないのか。
拾ったところで、捨てる人がいる限り街からゴミは無くならない。
まずはゴミを捨てないような根本的な仕組みづくりを…。

しかもゴミを拾ったところで得るものが何もない。
まだ老人ホーム訪問や炊き出しのボランティア(どちらも経験はない)なら目の前で人が喜んでくれるが…。

などと、中学生だった私はゴミを拾いながら思っていた。
大人になって働くようになってからは更にその思いが強くなった。
賃金の発生しない不毛な労働は絶対にしたくない。

そんなボランティア精神とは程遠い私が昨年から断続的にゴミ拾いをしている。

一番最初のきっかけは一本の漫才だった。


きっかけから実行までの約1年間

ここまでボランティアとゴミ拾いを毛嫌いしていた私が初めて自発的にゴミ拾いをするまでには幾つかの段階を踏んでいる。

  1. ゴミと環境問題に興味を持つ(2020年6月)

  2. ゴミ拾い活動に興味を持つ(2020年10月)

  3. 身近なゴミが気になり始める(2021年2月)

  4. 推しがゴミ拾いをする(2021年5月)

  5. 初めて自発的にゴミ拾いをする(2021年6月)

1年をかけて心境が変化していった。
ある日突然「拾おう!」と思ったわけではないのだ。
順を追って説明しよう。

1.ゴミと環境問題に興味を持つ(2020年6月)

ゴミにも環境問題にも全く興味がなかった。
それらに興味を持つ最初のきっかけとなったのは一本の漫才。

三拍子が毎週月曜日にYouTube生配信している『生漫DAY』という番組内では時事漫才が披露される。
第1回目緊急事態宣言中(ステイホームが推奨されていた期間)は三拍子の久保さんと高倉さんがそれぞれの自宅からZOOMで繋いでテレワーク形式で配信を行った。

今からおよそ2年前のその時期に披露された時事漫才で取り扱ったテーマがレジ袋有料化とプラゴミ問題。

それまで環境問題に一切興味がなかった私は、三拍子の時事漫才を見てなぜか興味を持ち、自分でもプラゴミ問題について調べた。

(「海に流れるプラスチックゴミが年間約800万トン」
「800万トンと言うことは久保800人分」
という部分が印象に残ったせいかもしれない。)

自分が出すゴミにも意識が向くようになった。

プラスチックをなるべく捨てない(買わない・もらわない)ようになり、分別をきちんとするようになった。

その頃書いたnote(長い)

2.ゴミ拾い活動に興味を持つ(2020年10月)

人間が出すゴミと環境に与える影響について興味を持ったのが一昨年の6月。その4ヶ月後にゴミ拾い活動に興味を持つ。

そのきっかけとなったのがこちらの動画。

三拍子が虎ノ門の魅力を紹介する「虎三」と言う企画動画。
三拍子の高倉さんがボランティアグループ「グリーンバード」と一緒に街のゴミを拾いながら活動を紹介する。
(サムネ右の着ぐるみは虎ノ門のゆるキャラ「カモ虎課長」。ももクロ紅白でMAXと一緒に踊った強者。)

それまで嫌なイメージしかなかったゴミ拾いのボランティアがすごく楽しそうに見えた。
誰も強制されておらず、自発的に参加している。
しかもゴミ拾いを通してカップルまで出来ている。

少し興味を持ったので、もし地元に似たような組織があれば参加したいと思い検索した。
残念ながらコロナ禍だったせいかどの団体も活動を休止して久しかった。

「じゃあいいや」と思い、その時はそれで終わった。

3.身近なゴミが気になり始める(2021年2月・3月)

そこから約4ヶ月後の2月。雪が溶けて地面が露わになった頃。
通勤路に落ちているゴミが非常に気になった。
あちこちにマスクが落ちている。
毎日落ちている。

不思議なもので一度意識し始めると、それまで目に入っていなかったものまで目につくようになる。
いつも前を見て歩いていたが、ふと視線を下ろせば歩道や植え込みには空き缶や空きペットボトル、多数の吸殻が落ちていた。

3月に海に行った時には海岸のゴミが非常に気になった。

この2月〜3月あたりから「通勤路に落ちているゴミを拾いたい」という意識が芽生えるのだが、あと一歩勇気が出ない。
植え込みに絡まっている不織布マスクを横目に見ながら通勤する日々が始まる。

毎朝の通勤で使う歩道に落ちているペットボトルやビニール袋が気になって仕方がない。拾いたい。でも出勤前に拾ってゴミ持参で出社するのは嫌だし、退勤後に拾ってゴミを携えながらバスに乗るのも嫌だ。かと言って休みの日にわざわざ会社の近くまで行ってゴミを拾うのも嫌だ。そもそもどこかの誰かがポイ捨てしたと思われる物をなぜ私が拾わないといけないのか。
でもめちゃくちゃ拾いたい。拾ってスッキリしたい。
誰か私の背中を押してくれ。

[過去日記]海と砂浜とプラゴミより

4.推しがゴミ拾いをする(2021年5月)

この年の1月9日、推し(=三拍子の高倉さん)が音声配信アプリRadiotalkで毎朝6:30から生配信を開始した。
春になると公園などの屋外から配信し、5月末からはゴミ拾いをしながら配信するようになる。

オタクだからとしか言いようが無いのだが、推しがゴミを拾うなら私も拾おうという気持ちになり、その2日後にずっと気になっていた通勤路のゴミを拾った。

推してたら背中を押された。

そして、一度背中を押されれば行動までは早い。

5.初めて自発的にゴミ拾いをする(2021年6月)

初めての日のことはよく覚えている。悪いことをしているわけではないのに誰にもバレないようにコソコソとゴミを拾おうと心がけた。
トングも買っていたのに目立つのが嫌だから軍手で拾った。
何度もしゃがんで→立ってを繰り返したら翌日には太ももが筋肉痛に。

綺麗に拾ったのに、翌週にはタバコが至る所に落ちていたことにも辟易とした。

それでも、数ヶ月間気になっていた植え込みのマスクを処分できてとても気持ちが良かった。

目的を達成出来たので一度きりで止めようかとも思ったが、毎朝の配信で継続的にゴミ拾いをする高倉さんとゴミ拾いを始めるリスナーさん達の姿を見て(聞いて)続けることに。

翌週からは自宅周辺のゴミを拾うようになる。
最初は人目が気になったが、いつしか何も気にならなくなった。トングは便利。

1ヶ月に1回〜4回くらいのペースで拾うようになり、真夏の炎天下や冬の降雪期間は休んだ。

ゆるく続けている。

以上が、ボランティアを毛嫌いしていた私にゴミ拾いが習慣づくまでの約1年間。

長々と書いたが二言で表すならば、

推してて良かった三拍子

聞いてて良かった朝たかくらじお


ゴミ拾いを始めて良かったこと

ゴミ拾いはおもしろい

春夏秋冬を通してゴミを拾っていると人間の生態を観察しているようでおもしろい。

夏にはアイスの棒やカップ、冬には貼るホッカイロ。
夏の緊急事態宣言中にはコンビニの前や公園にレモンサワーの缶がよく落ちていた。
感染予防の観点から不織布マスクが推奨されてからは布マスクは見かけなくなった。
大雨の翌日には至る所に壊れたビニール傘が落ちていた。

タバコは駐車場や交差点など、人が止まるところによく落ちている。
また、タバコだけは季節や天候関係なく一年を通して落ちている。

植え込みや側溝に押し込むようにゴミが捨てられていることも多い。どこかに隠したいと言うことは捨てることに多少の罪悪感があるということだろうか。

そんなことを考えながら拾っているとおもしろい。

見知らぬ人に「ありがとう」と言われると嬉しい

いつもダウンロードした音楽やラジオを聴きながら黙々と拾っていたが、今日初めて通りすがりの人に「ありがとう」と言われた。

めっっっっちゃくちゃ嬉しかった。

他にも色々と話しかけてくれたのに予期せぬことだったので気の利いたことも返せず、「ありがとうございます。」とペコペコして終わったが心底嬉しかった。褒められると嬉しい。

褒められる為にやっているわけではないが、褒められたら嬉しい。人間だもの。

そして褒められればやる気が出る。
通りすがりの人、ありがとう。


自己満足は誰かの為になる?

1年がかりで心境が変わって、間に休みを挟みつつも9カ月間ゴミ拾いが続いている。
上に書いたように良いこともあるが、街に捨てられるゴミの量は変わらない。拾った数時間後には同じ場所に別のゴミが落ちているのを良く見かける。
私が拾える範囲はたかが知れている。

拾ったところで、捨てる人がいる限り街からゴミは無くならない。
まずはゴミを捨てないような根本的な仕組みづくりを…。

中学生の私が思ったように、ポイ捨てしない仕組み作りが必要なのだと思う。
だから私のボランティア活動は暇人の自己満足でしかない。

誰かの為、環境の為と言うよりは、「自分が良く通る道に落ちているゴミが気になるので拾っている。」と言った方が正しい。
最初のきっかけはゴミや環境問題だったが、現在の心境としては「自分の為」だ。

誰にも強制されていないのでやりたくない時はやらないし、拾いたくないものは拾わない。

だから続けられているのかもしれない。

私のこの行動が誰かの為になっているかは分からないが、私自信は高倉さんや高倉さんのリスナー達がゴミ拾いを始めたと言う報告に背中を押されて最初の一歩を踏み出し、二歩目へと続けることが出来た。

中には「誰にも言わずにやっている人もいますけどね。」なんて言う人もいる。それはその人の美徳であり、大切にしていたら良い。

だが、誰かの行動が見知らぬ誰かの背中を押すことを、私は身をもって体験した。
だから拾う度にツイートをするし、こうしてnoteも書く。

あなたの自己満足も、もしかしたら誰かのためになるかもしれない。


昨年の今頃は「朝たかくらじお(高倉さんの早朝配信)」のおかげで早起きが出来るようになったというnoteを書いた。
その1年後、ボランティアが嫌いだったのにゴミ拾いをするようになったと言うnoteを書いている。

ここからの1年で今度はどんな変化が訪れるのか楽しみだ。


♪ゴミ拾い中に聴いているアルバム『SONGEN』♪
各種サブスクで配信中

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