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デュエル・マスターズ プレイスという最強の"懐かしさ" マーケティング


先日会社の朝礼で同僚が言っていたのですが、"懐かしさ"マーケティングの餌食になってていて、最近は子供とポケモンを毎日プレイしているらしいです。

私はメンタルが弱々だし、“昔に戻りてぇ”って思うことが人生通して常にあったので、”懐かしい”と思って昔好きだったコンテンツに興味を示すことは非常に多いのが正直なところ。

テレビドラマなんかで言ったら、最近では動画配信サービスですぐに見ることができますからね。”ごくせん第2シリーズ”とか、今まで衝動的に何回も見返しましたよ。

そんな僕らアラサー世代にはつい最近、"いやこれはアツい!"と感じずにはいられなかった懐かしコンテンツ復興のニュースがありましたよね!!

そう、あのデジモンアドベンチャーが実に20年ぶりにアニメで復活するのです!しかも登場キャラクターたちは年齢も当時のまま。世界観を現代に寄せた形での新たな物語となるらしい。

デジモンアドベンチャーといえば、私は小学校一年生の時に毎週もっとも楽しみにしていたアニメの一つで、主題歌の"Butter-fly"は我々世代では男女問わず知らない人は一人もいないレベルの圧倒的知名度を誇ります。学生時代にこの曲を歌わないカラオケの時間などなかったでしょう。

また当時大流行していた"たまごっち"に対抗するかのように発売された”デジモンペンデュラム”は、自分でデジモンを携帯し、育成することができました。私も小学生の頃に友人とデジモンを戦わせたりしたものです。ちょっと目を離すとウンチを漏らしていたり、朝起きたら画面にお墓が現れて(死んだ)いたり。まるで本物のペットを飼っているかのような感覚でしたね。まあデジモンですけど。
※以下参考:2018年に復興したデジモンペンデュラム

そんなデジモンアドベンチャーが、20年の時を経てテレビアニメに帰ってきます。厳密には劇場版としてなんどもリメイクはされているのですが。

毎週見ることも、リアルタイムでテレビの前に待機して見ることもないような気はしますが、少なくとも1話はどんな形でも視聴するんだろうなぁ〜と、少しワクワクしています。

そんな、”懐かしさ”から消費者の購買意欲を掻き立てる市場戦略を、巷では”ノスタルジー マーケティング”と呼ぶらしいです。

私はいま現在、まさにそのマーケティングの格好の餌食になっております。厳密にいえば、”なろうとしている”でしょうか。まだお金は落としておりませんが、時間はとあるコンテンツに少しずつ奪われていっています。


それが、”デュエル・マスターズ プレイス”。

デュエル・マスターズ(Duel Masters)は、アメリカのウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が開発し日本ではタカラトミー(旧:株式会社タカラ)が発売している1対1対戦型トレーディングカードゲーム。略称としては「デュエマ」「DM」などが使われることがある。 ※Wikipediaより引用

デュエル・マスターズをご存知の人はいるでしょうか。カードゲームとしては”遊戯王”の知名度が他の群を抜いて圧倒的王者に長らく君臨し続けていると思いますが、我々のようなアラサー 世代が小学生の頃にはこの”デュエマ”もかなりの流行と知名度を誇っていました。実際私の周りの友人たちは遊戯王よりもデュエマの方が競技人口が多かったです。というか遊戯王をやっている人は周りにいませんでした。

そんなデュエルマスターズがスマホゲームとして復活したのです。昨年12月より配信を開始して2ヶ月、500万ダウンロードを突破しました。私も配信早々ダウンロード、年末年始はかなりの時間を奪われる結果となりました。

なぜそんなにハマってしまったのか、いちばんの理由はやはり”懐かしさ”でしょうね。

デュエルマスターズは2002年に発売が開始されて今年で18年にもなりますが、未だに人気のあるゲームです。2002年はお笑い芸人で例えるとキングコングや南海キャンディーズ、ナイツが結成された翌年に発売されたことになりますね。かまいたちやジャルジャル、銀シャリの結成よりも早い年です。

発売当初からその人気は高く、カードゲームといえば遊戯王かデュエマかの二大巨頭でした。2002年、当時私は小学四年生でしたがもちろん熱中しており、そこから小学六年生の途中まで約2年ほどお世話になっていた記憶があります。

そして今回リリースされたスマホゲームでの取り扱いカードが、まさに私たちにとってドンピシャなのです。発売当初”最初期”のカードが勢揃い。

ボルシャックドラゴン、クリスタルランサー、アルカディアス、バロム、ボルメテウス、ホーリースパーク、デーモンハンド。あの頃の思い出のカードで埋め尽くされています。

もちろん基本プレイは無料。もっとカードが欲しくなったら拡張パックを課金して購入するシステムです。1パック5枚入りが150ゴールド。これも当時の1パックの値段を完全に意識していますね。

デュエル・マスターズ創世記に夢中になっていた世代は、今やアラサーが多いです。社会人にもなって自由にお金を使えるようになっています。今になって懐かしさからお店に行ってカードを買うなんてことはかなり大きなハードルとなりますが、スマホゲーム上で課金することのハードルは極めて低いですよね。

少年時代、お小遣いではカードを揃えることが出来ずに理想的なデッキを作ることができなかった。そんな当時を思い返し、スマホ上で理想のデッキを作成。なんてことにワクワクする大人も多いのではないでしょうか。

もちろんスマホなのでいつでもどこでも誰とでも対戦ができます。小学校以来、今も付き合いのある友人とはゲーム上で友達になり、暇つぶしにデュエルをすることもあります。あの当時の懐かしさを最大限に感じることができますね。小学生当時の脳味噌では考えもつかなかった新たな戦略を考えることができるのも、また楽しみのひとつです。

デュエル・マスターズ プレイスは、ノスタルジーマーケティングの手法として最も理想的なコンテンツ成功例の一つだと思います。

スマホゲーム・課金全盛のこの時代に、かつて一世を風靡したカードゲームを、当時少年だった大人たちに与えている。”そうだ、デュエマをスマホでリリースしよう”という発想自体は今の時代、誰でも考えられうることだと思いますが、このかつての大ヒットコンテンツに関しては最適も最適だったのではないでしょうか。こうなってくると、実際の競技人口のうち”当時カードゲームをやっていた人”の比率を知りたくなってきますね。

しかし言ってもまだリリースから2ヶ月。これからプレイヤーの数を落とさないためにもどんな施策が打たれるのかも必見です。

世の中がノスタルジーマーケティングにまみれて、リアル”オトナ帝国”のようになってしまうことだけは、想像しただけでも恐ろしいことではあるのですが。


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