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キングオブコント2021を観たので改めてニューヨークのことを話す

期待していなかったけれど、

TVerでキングオブコント2021の見逃し配信が!!!!

TBS放送圏外で観られないと思っていた私はとびついた。まずは、応援中のニューヨークの出場場面を数回観て、把握し、そして全組を流れで観て。


そのうえで、改めて書く記事だ。

※前回記事はこちら。コメントくださった方々、本当にありがとうございます。




Twitter情報で聞いていた、

前回準優勝のニューヨークがまさかの最下位だったこと、採点後に屋敷さんが審査員の松本人志さんに嚙みついたこと、そのときの屋敷さんの手が震え涙目だったこと、そして、実際のネタ。

などなどを、TVerでしっかり観て把握した。





、、、、、、うん。



こういうことか。



◆まずは私の感想。


・ネタについて

ウェディングプランナーのネタ。私は初見。先日の単独ライブでは披露したものらしい。

私は、先日のテレ朝の『お笑い実力刃』で4本のネタ(漫才含む)を観て、展開やキャラクター、実は込められているメッセージ性など、”これがニューヨークなのか”、と改めて実感したし、YouTubeチャンネルに既出のものよりもおもしろく、より視聴者を世界観に惹きこんでいく力を今のニューヨークは持っているな、と感じた。

それがあっただけに、そのときのような出来を期待していたが、今回キングオブコントで披露されたウエディングプランナーのネタは、ニューヨーク特有のメッセージ性が弱かった(伝わりにくかった)し、なんだか、パンチがなかったな、という印象だった。ニューヨークらしくはないかな?というか、、、、、、

「らしさって何?」と言われると、私なんかが何も答えられないけれど。

審査員も「ニューヨークのことを知っていただけに期待値が上がっていたのかもしれない」話していたが、彼らは前回準優勝、メディア出演も増え忙しいし、芸風ももうバレている。でも、決勝に進んできた以上そんなことを言い訳にはできなくて、その期待に応える、超えるのが本物なんだろうけれど、、、、、、

言ってしまえば、この多忙な中で単独LIVEを行ったり、賞レースで決勝まで勝ち進んできていること自体がすごいのだ。ユニット参加が認められ、自由度の高い大会だった今回のキングオブコント。だが、すでに王者となっているシソンヌ×言わずと知れた実力派のチョコレートプラネットの4人のユニット”チョコンヌ”が準決勝敗退。さらに間寛平さん×村上ショージさんというレジェンドユニット”ヤギとひつじ”も敗退している。そんな中で決勝に進めただけでも、十分に評価できることだと思うのだ。ただ、それを言ってしまうと慰めにしかならないんだよなぁ、、、、、、

単独LIVEに参加するようなアツいニューヨークのファンからの声は様々で、「ニューヨークのネタがいちばん笑えた」と評価するひともいたが、「単独LIVEのときのあのネタのほうが」「こっちのネタのほうが」という声も結構多かったので、やはり残念だった。


・審査結果発表後の件に関して

ニューヨークの出順は7番目。今回は審査員を大幅に変えたこともあったのか、それまでに出番を終えたコンビ・トリオへの点数は例年より高めについていた。ニューヨークについた合計点数、453点は、今までの6組を超えず、その時点での最下位が決定。ニューヨークは、暫定席にすら行くことができなかったのだ。

あわわわ、、、、、、

”最下位”という言葉はTwitterで聞いてはいたが、渾身のネタが終わってすぐに出た結果が最下位って、それまでの出場者を誰も超えていないって、結構な衝撃だったろう。ネタ終了直後のふたりの表情が明るかっただけに(嶋佐さんは目にテープを張っていたのでよくわからなかったが)、これは相当な衝撃であり、反応も難しいだろうなと。がんばりが報われなかったショックは大きいが、そんなときも、自分たちはTVに映っている、という意識がないといけない。

衝撃で悔しい表情を見せた屋敷さんは、多分、一瞬冷静になってそのあとの対処を数秒のうちに考えた結果、2019年のM-1決勝のときからの関係もあって(「最悪や!」のくだりがおなじみ)、審査員長の松本人志氏に、悔しさをぶつけることにしたのだろう。もちろん、このまま静かに帰るわけにはいかないという判断のもとで。ただ、屋敷さん側から、あの熱量で仕掛けたとはちょっと予想していなかった。私は、松本さんから何か言われたことに対して言い返したのだと思っていたので。

ただ、屋敷さんは冷静になれてはいなかったのは、実はここから感じる。だって、「お客さんに笑うなと言った」のは、よく考えたら審査員の点数とは関係ない(自分たちがパフォーマンスしやすいかという問題)。でも、よく覚えていたなぁ、前の出番の後輩コンビ、”そいつどいつ”のときの採点中に話していた、松本さんの言葉を。

そして、Twitterで聞いていたように、松本さんを指さしながら強い口調で責め立てるときの屋敷さんの指先は、本当に、明らかに、震えていた。目も赤く、確かに潤んでいた。

松本さんが、「おおむね漫才でもできるネタ」だと評価したことに対し、「じゃあこれをM-1でやるんで、100点つけてくださいね?」などと煽っていた屋敷さん。隣にいたMCの浜田さんも、何度もはたいて突っ込んでいたが、屋敷さんは止まらない。どこまでをパフォーマンスとしてやったのかはわからない。そして、どこまで彼が理性をもってやっていたのかも、わからない。ただ、ここまでくると、私のようにニューヨークを応援していたわけではない視聴者からすると、確実に印象は悪くなるだろうな、全国民が観ている中で、不快な気持ちになったりするひとは多いだろうな、ということは、容易に想像できる光景だった。

、、、、、、そっかぁ、、、、、、と、思った。




◆観た後に考えたこと。


誰がどんなことをしようと、賛否はあっておかしくない。屋敷さんが松本さんに噛みついた件に関しては、自分がもしニューヨークを応援していなければ、いい印象は受けないと思う。

私が応援している立場として言えるのは、屋敷さんはおそらく点数が出たとき、”今このやり場のない気持ちをどうしようか、今自分はTVに映っている、ここでニューヨークが無言で去っていくわけにはいかない”、と、咄嗟に判断して、勇気を出して松本さんの胸を借りる覚悟をしたのだと思う。彼なりの、精いっぱいの勇気だったと思う。この場で、ふたりがしゅんとしてただ普通に帰ってしまったら、もう次はないと思ったのかもしれない。私も、あのまま「次はがんばります」的な謙虚なことを言って帰ってしまうニューヨークを想像したら、らしくなさすぎて心配になる。あれも、ニューヨークにとってのコントのひとつ。このへんは、ファンだからこそ理解できることで、理解できないひともいておかしくない。

そもそも、松本さんのようなレジェンドは、後輩に厳しい言葉をかけられたり、生意気な態度をとられたというだけで、いちコンビを見捨てたりしないと思うのだ。悔しくて自分にあたっているだけだと、容易に想像はつくだろう。あの屋敷さんの眼差しにも、手の震えにも、きっと気づいていたはず。必死なんだと。その行動に込められた気持ちくらい汲める人でなければ、”松本人志”はレジェンド級に尊敬などされていないし、審査員長を任せられるほどの人物にまではなっていないと思うのだ。

ニューヨークは今メディア出演が増えていて、知名度が上がってきている。世に出ている人物として、ふるまいや言動についての賛否の声は常にある。それを覚悟しなければならない立場になってきているのは、事実だと思う。審査員にたてつくことに関して否定的に捉えたり、不快に思うひとが一定数いることも納得できるし、ネタの中身に関しても、「面白くない」とSNSで発言することも、自由だと思う。素直な感想なので。

ただ。

その意見を、本人たちに直接SNSで言ったり、YouTubeのコメント欄に「解散して引退しろ」などなどと書いたり、、、するのは、どうなんだろう。それを本人に伝えて、そのひとは満足しているのだろうか。書いているひとは、お笑いの賞レースで決勝まで勝ち進むほどの力を持っているのだろうか。お笑いの何を知っているのだろうか。何を考えてそんなことを。

きっと、実際に顔を晒し、現実世界で面と向かって、嫌いなひとに「嫌いだ」なんて、言えないくせに。正体が知られないのをいいことに、そんな好き勝手は、許されない。

勝手に、自分の中で、”ああ、このコンビはもう応援しないでおこう”、と思うだけでいいのに、それで済まないところが問題だろう。


ニューヨークと付き合いが長く、ニューヨークのYouTubeチャンネルの作家をしている奥田泰さんのツイートがこちら。

もう、アンチという名の活動をしているひと、それを生きがいとしている、相手の思いを汲み取ろうともしないひとたちは、どうしようもない。




◆キングオブコント翌日のラジオで知ったこと。


本当のニューヨークの思いは、このラジオから聴けた。


毎週日曜日の22時からYouTubeで生配信している、『ニューヨークのニューラジオ』。

キングオブコントの、翌日だ。


私がいろいろ書くより、再生して、表情など見てもらえたらわかると思うけれど、こんなにしっかりと、素直に凹んでいる屋敷さんは初めて見た。もはや、強がる元気もなさそうだ。そもそも、ここはオフな感じのふたりが観られる場所なのであれだけれど、この90分の間、何度、屋敷さんが心から「悔しいなぁ」と漏らし、机に顔を伏せていただろう。

屋敷さんは「今まででいちばんキツイ」と漏らす。かなり堪えたようだった。


屋敷さんからの話。

【何にも文句がない。つけられた点数にも、審査員にも、決勝進出メンバーにも、その仲間がみんな最高のパフォーマンスをしたことも。後輩の”空気階段”が優勝したことも素直に嬉しい。でも、「キングオブコント」という言葉を聞くだけでしんどいし、昨日の映像も観られない。何に対しても文句がないからこそ、ただただ自分たちの結果が悔しい。】(以上意訳)

、、、、、、という感じの、日曜の夜の屋敷さんのメンタルだった。


一方の嶋佐さんは、久々にひげをたくわえてしゅっとした顔をしながら、「まぁ、いろいろな要素がありますよ」「いろいろ、流れとかもありますからね」、と、冷静な表情で同じような言葉を繰り返すという通常営業だった。さすがだな、このひとは。

嶋佐さんは、「M-1は運だよ」とよく言っているひと。賞レースに関して、自分たちのやることをやったらあとは、運に委ねるというような考え方。ただ、この大会の裏で、ひたすらショックを受けていたであろう屋敷さん(※予想)とは少し違い、参戦した芸人さんと話し、情報交換をしていたようだ。


嶋佐さんからの話。

【野田さん(マヂカルラブリー)は「シアター系」と表現していたけれど、今回の審査員は、展開やストーリー性のあるようなネタを評価していた。ただただばかばかしい(意味もなく笑える)ようなネタの点数が伸びなかったのかな、という話をした。辻くん(ニッポンの社長)も「自分たちみたいなネタはもうあかんのかなぁ」という話をしていた。】(以上意訳)



ただ。

そんなふたりにとって救いだったエピソードが。


キングオブコント終了時、松本さんの楽屋に挨拶に行くことができたという。そのときに、松本さんから、

「俺にネタを選ばせろや!」

という言葉をかけてもらったそう。

これは、ニューヨークにはこのほかにもっとおもしろいコントのネタがあること、もっとおもしろいことができるコンビだということを、松本さんが知ってくれているということであって。


このことに関してふたりは、口をそろえて「嬉しかったなぁ」と話す。

やっぱり、松本さんは怒ってなんかいない。むしろ、ニューヨークならもっとできるはずだと、期待すらしてくれているのだ。

特に、嶋佐さんは松本さんがすきで芸人になっているので、こんなに嬉しいことはないだろう。



ラジオの中で、いろいろ凹みながら、屋敷さんが漏らした、

「もっかい、ちゃんとおもしろいって思われたい、、、、、、」

という言葉。

YouTubeの中では、素直になれる屋敷さん。この姿を、あの噛みつく場面を目撃し彼の行動を批判した視聴者がみたら、どう思うかな。変わらないかな。これは、屋敷さんが公に晒したい姿ではないと思うけれど。




、、、、、、思われよう。屋敷さん。ニューヨーク。




◆私がニューヨークに思うこと。


ニューラジオでは、披露したネタに対して

嶋佐「おもしろいネタなんすけどねぇ」

屋敷「あの目のテープの色にこだわってな」

屋敷「俺が審査員だったら、あのテープだけで2点あげてるよ」

嶋佐「俺も俺も」

と笑いあいながらも、

屋敷「もしかして、俺らの”これおもしろい”ってこと全部間違いなんじゃない⁈」

、、、、、、と。


ネクストブレイクと何年も呼ばれていながら日の目を浴びずだったのが、2019年のM-1決勝進出、2020年のキングオブコント準優勝を経て、ようやくメディア出演を増やし知名度をあげているニューヨーク。2020年はM-1の決勝にも再び進出。”ひとを傷つけない笑い”という風潮がよしとされる中で、彼らの芸風は”毒と偏見”と捉えられる。それが、徐々に共感を得始めてきた中で、そして多忙なスケジュールの中で、賞レースにエントリーし、実力を認められるためにがんばっている。

順当にくるはずのものが、評価を得られない。

私は昔からのファンではないのでいろいろ言えないが、ニューヨークにとってまたここからが踏ん張りどころなのかな。知名度が上がってからの、賞レースでの結果の出し方。世間の目に晒される機会が多い中での、実力の認められ方。

人生を生きている中で、ぶちあたる壁なんて何枚あるだろうか。一難去ったらまた一難。レベルがアップしたらそのレベルの中でまたくじけてしまう。予期せぬ出来事だって起きる。私だってそうだ。鬱病10周年を迎えようとしているが、この鬱病の期間中だけでも、進んではくじけ、また進んだと思ったら困難が。ここ抜け出したいのに、恵まれているまずなのに、どうしてこうもうまくいかない。

ニューヨークのように、表に出る仕事、ひとをたのしませる職業のひとがいるから、私のようなひとが救われている。もういちにち生きてみようって。これって、結構大事なことで、生きることをやめようとおもってしまったら、終わりなのだ。

笑いにも流行があるが、時代に迎合したり、思い切って今までのやり方を変えてうまくいった芸人さんもいる。でも、自分の芸を信じてやり続けた結果、長い年月をかけて世間に受け入れられ、求められるようになった芸人さんもいる。

私は、ニューヨークには、後者であってほしいのだ。

ニューヨークがここで、やさしい心温まるネタなんかを考えだしたら、違うと思うのだ。というか、彼らはきっと、そんなことはしないと思うけれど。

彼らの信念は、「嘘をつかないこと」。

自分たちの気持ちに、やりたいことに、正直でありたいと思っているふたりだ。

貫いてほしい。

これからも。

どこか芯をついている、音楽のようにメッセージを込めたネタを。


これから、余程ひととして外れた行為をしない限りは、私はニューヨークを応援する。し、ニューヨークの味方は本当に多い。彼らが大事にしてきた同期や後輩、先輩、ファン、スタッフ、、、、、、そして、あの”松本人志”氏も、ニューヨークを応援したいからこそ、楽屋でああいう言葉をかけたのだと思う。


なかなか、地上波では理解されにくい彼らの人間らしさ。

ファンにしかわからなくていい、とも思うし、もっとみんなに知ってほしくもあるし、複雑だ。



私と同世代のニューヨーク。

負けるな。

私も、負けないで、生きることだけは続けていくから。

どうか、これからも、笑わせていてほしい。


次は、M-1グランプリが待っている。エントリーをし続けてくれて、ありがとう。テレ朝はこちらでも放送するので、どうか、決勝までまた、来てほしいな。





、、、、、、長々と書いてしまったが、ようやくしめられそう。


こんな長文を読んでくださった方、本当に、ありがとうございます。


そして、いつも思うことだけれど、芸人という、ひとをたのしませる職業を選んでくれたひとたちに、心からの感謝を。


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がんばっているひとの未来に、必ず素敵なことが待っていますように。


、、、、、、負けない。



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