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体にしみついたものは消えていない。

案の定、やられた。月曜日のヨガに、ずいぶんと打ちのめされてしまった。とりわけ、プランクサイドプランクがつらい。ただでさえつらいのに、それを、間を空けて何度か入れてこられるのも、つらい。インストラクターのカップルが、涼しい顔で指示を出してくるのも、つらい。へろへろになりながらも、しかし、なんとか最後までやり遂げることができたので、明日はもう少し楽に感じられるのではないか。ひとまず今日は、自分を褒めたい。

ウイルス関連の報道がほとんどを占めるこの数か月のなかで、今日、一つだけ、きらきらと輝きながら、目に飛び込んできたニュースがある。ラグビーで、日本が「ティア1」とよばれる強豪国に認定される見通しになったというのだ。

ラグビーについては、昨年のワールドカップを見ることで学び始めた程度のわたしでも、この出来事の価値はわかる。「ティア1」といえば、あのリーチ・マイケル キャプテンをして、「(勝つには)やさしい気持ちは必要ない。鬼にならないと」と言わしめた存在だ。あの日本代表チームのたたかいぶりが、そういう存在であると認められたんだねえと、一人感慨にふけった。ラグビー経験のある弟も、「こんなこと、今までの日本じゃ考えられないことだよ。すごい。ほんとに」と、驚き、喜んでいた。

スポーツの世界で、アジア人が活躍するとルールの改正がなされ、アジア人が勝ちにくくなる、という話を耳にすることもある。表の事情も裏の事情もわたしには知りえないが、それでも、このニュースから思えたのは、ラグビーはそういうスポーツではなかったんだなあということ。ノーサイドの精神は、だてではない。久しぶりに、すかっと晴れわたる気持ちにさせてくれたニュースだった。

夕食に、夫が下ごしらえしてくれた鶏肉を焼いて食べる。塩麹に漬け込んだ肉は、やわらかくておいしい。塩加減もちょうどよく、これは、塩麹仕込み、大成功なのではないか。夫にそう伝えると、満足そうに肉をほおばっていた。しばらく、塩麹を使った料理の模索が続きそうだ。

夜、いつものように TBSラジオ「Session-22」を聴いていた。澤田記者が国会や専門家会議の会見について報告してくれているとき、突如として、スマホの緊急地震速報アラームの音がラジオごしに鳴った。心臓が縮んだ。どうやら、関東でわりと大きな地震が起きたらしい。

しばらくしてニュース速報が流れ、それほど大ごとではなさそうだとわかって安心したが、あのアラーム音にだけは、いつまでたっても慣れることができない。あの音を耳にすると、9年前の東日本大震災の直後、余震が起こるたびに鳴るアラーム音にびくびくしながら過ごした日々がよみがえってくる。今でも、条件反射でびくついてしまうのだ。そして、何ごともないことを確かめて安心する。あのときと状況は変わっても、体にしみついたものは消えていない。今、この外出自粛の毎日を通して、わたしの体には、今度は何がしみついていくだろうか。

首相会見。報道どおり、緊急事態宣言の期限を今月31日まで延長するとのこと。この日記も、少なくともその日まで続くということだ。

(2020年5月4日)


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