⑥「どん底ホームレス社長が見た闇と光」
第2章 ホームレスよりもどん底
セレブ生活
前妻との出会いは、私が33歳の時。得意先の部長さんの紹介です。妻は再婚で二人の娘がいました。子連れの彼女なので結婚など考えられませんでしたが、娘たちへの情が出てきて、彼女への思い、結婚への思いも高まってきました。「結婚しよう」と告げたのですが、「娘たちが成人するまで結婚は待ってほしい」と彼女に言われ、結局13年間待つことになったのです。
娘たちが成人し、やっと結婚ができたのは私が46歳の時です。周りからは、「お金が目的だから気を付けた方がいい」と何度も忠告を受けましたが、“恋は盲目”なのでしょう。妻を信じて待ち続け、やっと結婚ができ、幸せな家庭を持つようになれたというわけです。
その頃には、仕事も私生活も絶好調。兵庫県西宮市のセレブの街、苦楽園口で私は家族とセレブ生活を満喫していました。お金の心配もなく、家は4軒所有、家族旅行は年に数回、休日はショッピングやハイキングで家族団欒です。子供が「車が欲しい」というと、ポンと買ってやり、土曜日の夜は家族で高級店でのディナー、誕生日など一人ひとりの記念日にはサプライズを楽しむこともしていました。
買い物は値段など気にはしません。これはいいなと思うものがあれば、即金でした。お金の心配はまったくなかったのですから。ほしいものは何でも手に入るというのが当たり前になっていたのです。起業した頃の純粋な必死さを忘れ、一円の大切さを忘れてしまっていたのです。
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