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ヨガと座禅から考える幸せとは?

先日、お寺にてヨガの師匠が開催するイベントがあったので行ってきました。前半にヨガをしてから座禅をして、さらに精進料理をいただくという贅沢フルコースです。

コロナ前にも行きましたので4年ぶりです。今回は、このイベントで「幸せとは?」ということについて学んだことや考えたことをシェアしていきます。


プロセスを大切にするヨガ

前半のヨガでは業界の大御所、綿本彰先生がヨガを担当します。このヨガは、のちほど行う座禅につなげるヨガと位置付け。さぞ静かなヨガなのかと思いきや、ペアワークから始まりました。

綿本先生「あっちむいてホイを3回勝つまで行ってください。勝った人にはいいことがあります。」・・・えっ?あっちむいてホイ????
会場は、大騒ぎの大盛り上がり!!私も初対面の隣人と闘志むき出しに、あっちむいてホイを行い、勝ちました!ヤッター!もう満面の笑みです。

しばらくすると、綿本先生は「勝った人は?」と言い、勝った私は満面の笑みで手をあげました。「勝った人に拍手~!!」ということで拍手喝さいをあびていい気分??・・・・たけど、なんじゃこりゃ?と頭の片隅に冷静な私もいました。

すると綿本先生「これでいいんですか?ってことです。」
つまり、結果だけを求めて、今回で言えば、勝敗だけを求めて幸せなのか?勝っただの、負けただのは一瞬の喜び。では、どこに幸せはあるのだろうか?

結果にこだわるのは今までのやり方。これからの時代は、結果ではなくプロセス、つまり結果に至る途上や過程を大切にすることでより幸せになっていきましょうというのです。

例えば、私は妹と一緒に台所に立つと必ずイライラします。妹の行動がとてもゆっくりだからです。私は、とにかく早く終わらせたくてスピードを重視しています。妹はそんな私に「お姉ちゃんといると、焦る。急かさないで。」と文句を言います。言葉に出さないようにしていても私のバタバタした態度が威圧感を与えていたのだと思います。

考えてみれば、洗濯物を干すときも、掃除するときも、いつも効率を求め、早く終わらせることを求めていました。

でも、これでは、バタバタしている間は終わることばかり考えて幸せではないと思いました。もう少し丁寧に家事をしてみようと反省しました。

 このように、結果ではなくその過程をじっくりと味わうことで、生活も変わり、人生を味わうことができるようになります。それを今度は、ヨガを通して練習します。

 実践として行ったヨガは、まるで修行のようでした。同じポーズをゆっくりと時間をかけて行うからです。簡単な例で説明します。「右手をパーからグーに握る」とします。15~30秒くらいかけて、小指から一本一本握り、指ごとに握られていく感覚をそれぞれ感じていくのです。せっかちな私は「早く終わらせたい~。」という気持ちになってしまいますが、感覚に対して敏感に感じ取っていくと不思議と集中できます。

もちろん実際には、ヨガのポーズで行っていきます。ヨガではなくても、例えば千切りしているときも、歩いているときも、今に集中すれば同じように出来ます。

座禅って何だろう?

ヨガが終わると、総持寺の宇野先生から座禅と仏教についての講義がありました。仏教については、手塚治虫の漫画「ブッダ」はとても分かりやすくてお勧めです。ブッダが苦行をしても得られなかった悟りを開くことが出来たのが「座禅」です。

特に座禅の説明が分かりやすく印象的でした。座禅というと「雑念を持ってはいけない。」「心を無にする。」などと考えがちです。しかし、「○○しないように」しようとしている時点でちょっと違うそうです。

例えば、カラスが「カァ~」と鳴いたら、「カァ~」と受け流すそうです。
「カァ~」と聞こえたあとに「あ、カラスだ。座禅しているのにうるさいなぁ。」と思考は、どんどん膨らんでいきます。

何かの感覚を受けるとそれに反応してしまう。それをやめましょうということです。
例えるなら、キッチンのボウルに水をためるのではなく、ザルに水を通すようなイメージだそうです。分かりやすい!

このお寺では、座禅イベントを屋外フェスで行ったことがあるそうです。隣でロックバンドが音楽を鳴らしている中でも出来たそうです。もちろん、参加者は、通りがかった一般人。やろうと思えば誰でも出来るのです。

このような訓練をしていると、日常でも良い効果がたくさんあります。自分が受けた感覚、考えなどで日常はいつも揺さぶられているからです。誰かが言った一言をいつまでも気にしてしまう。起こってもいないことを心配する。過去のことをくよくよと考え込む。実はそういうことに費やす時間とエネルギーは多いことが分かります。

誰かの言った一言が気になったときは、自分の受けた感覚を「傷ついた」「悲しい」→そうなんだ、私「傷ついてるね、悲しいね。」と一旦受け止めます。日常生活では、すべてを座禅のように受け流すことは出来ないかもしれないです。しかし、この一旦受け止めることを練習していくことで、感情的に言い返してしまったり、怒りがおさまらなくてずっと同じことを考えているという状態からは抜け出せるようになってきます。そして、冷静に対応できるようになります。

仏教から考える幸せとは

続いて仏教から考える幸せについての講義がありました。四苦八苦という4文字熟語は、仏教から由来しているというお話から始まりました。四苦は、生老病死。生まれる場所は選べない。老いていくこと、病気になること、死ぬこと。どれも逃れられない苦しみとしています。

 人生のほとんどのことは、「思い通りにならない」と分かること。まずこれが大事だそうです。
そして、思い通りにならないのなら「老いたくない」ではなく、「老いるんだな。」と考えましょうというご提案でした。これは、先ほどのカラスが「カァ~」と鳴いたら、「カァ~」と受け流すに通じる教えです。

 考え方の癖は、なかなか変えることが出来ない。でも、座禅を通して受け止め方を変える訓練が出来る。考え方が変われば幸せになりますという力強いお言葉でした。

ゴールは同じ

 宇野先生が座禅について説明する際に、「指導の違いは登山のようだ。」と例えました。行くルートが違うだけでゴールは同じだと。

 実際、前半のヨガと後半の座禅指導にはとても共通点がありました。座禅というとハードルが高いと感じる人もマインドフルネス、瞑想、ヨガというと始めやすいかと思います。厳密には違うところもあるけれど、大きく目指すところは同じだと思いました。

 翌日、さっそく生活に生かせたと思うささいなことがありました。郵便ポストに厚さのある郵便物を入れに行きました。徒歩5分ほどのポストに到着。入れてみたら、入らない!!ポストの入口よりほんの少しなのですが厚くて押しても押しても入らない。

でも、ちょうどこのイベント参加の翌日だったので、ザルの例えを思い出しました。
「入らなかった。私イラっとした。」と自分の感情を受け止めてみました。すると「徒歩10分先の郵便局へ行けばいい。散歩だと思えばまぁいいか。」と冷静に対応できました。

いつもだったら、イラっとして怒りの感情に飲み込まれていました。同じ郵便局へ行くにしてもイライラしながら速足で行ったと思います。ほんのわずかな時間でもこれだけ幸せ度が変わるのだと実感しました。

すぐに出来るものではないですが、ほんの少しでも出来るようになると幸せ度があがります。「3分座れば(座禅)、3分した分の効果がある。」と聞いたことがあります。是非、気軽に生活に取り入れてみてください。

参考文献
ヨガを担当した綿本彰先生の動画です。3分なので初めての方におすすめです。

↓素材いつもお世話になってます。


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