ルソー『エミール』から学ぶ、新しい子育ての形 前回、ルソー「エミール」3編を読んでブログを書きました。 今回は、そこで描かれた、「子供(小学生)が実感できる経験型教育を実践するにはどうしたら良いのか」を考えてみたいと思います。 最初に日本における現代教育の問題点について考えていきます。 3つあると思います。1つは、一斉授業であること。2つ目は、同学年だけのクラス編成なこと。3つ目は主体性を持てない学校体制です。 一斉授業であること。1クラス40人くらいまでの子供たちが
自然に従って育てる ルソーをご存じでしょうか。私は聞いたことある程度でしたが、今回、教育書として有名なルソー「エミール」3巻5編のうち、2編を読んでみました。この本は、家庭教師と教え子「エミール」のやりとりを通して理想の教育増が描かれています。 これを読むことで自分自身のためにもなったと思いましたので、ご紹介したいと思います。 2編は、5才から12才くらいまでの教育について書かれています。 そのくらいといえばほとんど小学生ですね。最近の日本の小学生は、とても忙しいよう
先日、お寺にてヨガの師匠が開催するイベントがあったので行ってきました。前半にヨガをしてから座禅をして、さらに精進料理をいただくという贅沢フルコースです。 コロナ前にも行きましたので4年ぶりです。今回は、このイベントで「幸せとは?」ということについて学んだことや考えたことをシェアしていきます。 プロセスを大切にするヨガ 前半のヨガでは業界の大御所、綿本彰先生がヨガを担当します。このヨガは、のちほど行う座禅につなげるヨガと位置付け。さぞ静かなヨガなのかと思いきや、ペアワーク
転校したことはありますか?私の人格形成において、転校したことはとても影響したと思っています。そんな私の転校の経験を書いていこうと思います。 転校の歴史 私は、小学生時代に父の仕事の都合で3回転校しました。当時はそれが当たり前だと思っていました。住まいもほとんど社宅だったので、周囲の人も2、3年したら引っ越していくのが日常茶飯事という生活でした。 そんな私が最初に転校したのは、1年生の夏休み。夏休み明けから新しい小学校に行きました。田舎の小学校だったので校庭の広さに驚きま
私の母は、膝が悪いです。5-6年前に左膝に人工関節を入れる手術をしています。最近急に調子が悪くなり、歩くのがおっくうになってきてしまいました。顔をしかめることも増え、家に閉じこもりがち。そうなると心も塞いでしまいます。 そんな時、ちょうど以前から気になっていたひもトレ講習会に参加しました。母の膝痛が軽減できたらいいなぁ。。。とかすかに期待もしていきました。 それが思いがけず効果があって驚きました。今回はこの体験談と、ひもトレの根底にある哲学を紹介します。 ひもトレって何?
インド映画「RRR」を観てきました(2023年4月15日現在)。2022年10月から公開されているロングランヒット作品です。3時間という長編映画ですが、時間があっという間に感じるほど楽しめます。本作は分かりやすい正義のヒーロー型映画で、今回はその中から正義について考えてみたいと思います。なるべくネタバレを避けつつ書くつもりですが、観ていない方はご注意ください。 どんな映画? 1920年代のイギリス統治下のインドを舞台にした「RRR」は、英政府に復讐するラジュとビームという
「鍵泥棒のメソッド」という映画がとても好きだ。10年以上前に公開された映画である。テレビ放映された録画をいまだに時々観ている。 この映画は、「自由」の使い方がとても良く表現されている映画だと思う。時には面白く、時にはせつなく、「自由」という観点からこの映画を考えてみたい。ネタバレしているので観ていない方は注意してもらいたい。 映画について 2012年に公開された内田けんじ監督・脚本。2013年第86回キネマ旬報ベスト・テンで日本映画脚本賞、芸術選奨文部科学大臣賞、第36
どんな映画? 今上映中(2023年4月8日現在)の映画「BLUE GIANT」にとても感動した。 そこでなるべくネタバレしないようにおすすめブログを書いてみた。ネタバレ絶対NGの方は注意してほしい。観ようか悩んでいる方、知らなかった方、観終わって語り合う人がいなくてウズウズしている方にも読んでいただきたい。 この物語は、主人公でサックス奏者「宮本大」、都内に上京してきた大学生ドラム担当「玉田俊二」、ピアニストとして既に活動している「沢辺雪祈(ゆきのり)」の同世代3人の友
俳優の中村倫也さんと日本テレビのアナウンサー水卜麻美さんの結婚報道があった。(2023年3月25日中村の所属事務所より発表)お二人とも好感度が高く、祝福ムードに包まれましたね。 今回は、幸せいっぱいのお二人にちなんで「永遠の愛」について哲学的に考えてみたいと思います。今回はPart1「愛」について生活に即して考えていきます。 そもそも愛ってなんだっけ? 哲学的に有名な愛は、純愛を意味するプラトンの「エロス」があります。一般的に使われる「エロい」という言葉はここから派生し
WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で日本が世界一になった。(2023年3月22日)普段全く野球に興味のない私も夢中でテレビ観戦し日本中が大盛り上がりした嬉しいニュースであった。 特にアメリカで活躍している大谷翔平選手の人格的素晴らしさは世界中で話題となっているようだ。 アメリカのインタビューでは、大谷選手の返答が「感謝しかない。」に対して「あなたはどこの惑星から来たのですか?」という質問を返した。人間を超越したような返答の崇高さに、尊敬の念を感じたからこその質問
私が哲学にひかれる理由 哲学と聞くと難しそうと拒否反応を示す人も多い。私もその一人であった。私が哲学に興味を持ったのは、ヨガを学んでからだ。 ヨガとは、美容のためにするエクササイズの一つというイメージを持つ方もいるのではないだろうか。 しかし、エクササイズに見えるヨガのポーズは、仏教的に例えると「悟り」を開くための修行段階の1つなのである。本来はヨガ哲学に基づいたもっと奥の深いものだった。 私はヨガ哲学を学んでから考え方が変わり、生きるのが格段に楽になった。 例えば「
そもそも愛するってどういうこと? 「愛する」と聞くとどんなことを思い浮かべるだろうか?恋人、配偶者、子供、家族愛、国家愛もそうだ。今、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の試合で日本は盛り上がっている。こういうときは断然、国家愛に目覚める。 「人から愛されたい」と思うのは万人の持つ自然な願いのように思う。しかし、誰からもということはあり得ない。頭では分かっているのに日常生活ではきちんと区別せずに、モヤモヤすることがあるのではないだろうか。 今回は、「汝の隣人を愛
ナルキッススの自己愛 ナルシストという言葉は有名であるが、ナルキッススはご存じだろうか。 ナルキッススとは古代ギリシャの物語にでてくる16歳の若い少年である。とても美しい少年で多くの女性が恋したが誰も相手にしなかった。 しかしある日、泉の水面に映る美少年に恋をしてしまう。それは自分自身であり叶うはずもない恋であった。 彼は苦しみ、自分を責め続けた。私たちの使うナルシストはここからきている。そして彼は最後にはやつれ果てて亡くなってしまう。 しかし屍はなく、1輪の水仙