見出し画像

ドミニク・ミラー『Vagabond』恐らく最速レビュー

ドミニク・ミラーの新譜「Vagabond」の配信がもう始まっていたので、手元にCDが届くのを待っていられないので全部聴いてしまった。これを今、4/21の深夜2時に書いているから、ひょっとしたら最速レビューかもしれないな。

やはり予想通り前の2作とは全く違う。ドミニク・ミラーは音楽的天邪鬼なので、同じ事はやらない。

「Silent Light」では彼の音楽の「核」の部分が純粋に表現された。
「Absinthe」では今まであまりバンドサウンドをソロではやってこなかった彼がバンドを意識し、その音はフランス印象派の画家達への思いと、彼の産まれたアルゼンチンへの思いが融合したものだった。

しかし今回はまだどう表現したらいいか、うまい言葉が見つからない。

ただ言えるのは、ドミニク・ミラーというギタリストは音の美しさは元々折紙付きだったが、今回そのの音の凄さが史上最高レベルになっている。ゾクゾクする程美しい。他のメンバーの音も凄まじく良い。言葉にならないほどの圧倒的な美しさだ。その彼らの音が更にドミニクの音の美しさをより一層輝かせている。この美しさは今までの中でも一番だろう。圧倒的な音の調和だ。

特に今回初参加のスウェーデンのピアニスト、ヤコブ・カールソンの存在感は大きい。レンジが広がった気がします。

特に「Open Heart」や「Clandestin」は恐ろしいほど密度の濃い音の空間が展開される。

勿論、ドミニク・ミラーの音楽哲学である「スペース」が重要視された音楽だ。これは本当に深い。

まだ全く情報が無いから詳しくは解らないが、「Mi Viejo」は亡くなられたお父さんに捧げた曲だろう。彼の優しい気持ちが音に溢れている。
あと、「Cruel but fair」は2年くらい前に亡くなったスティングのツアーマネージャーのウィリアム・フランシス(通称ビリー)に捧げたもののようです。
'Cruel but fair', 「残酷だけど公平だ」ってのは彼が何か起きた時に良く言って皆を和ませていた言葉だそうです。

「Altea」はアルバム「Third World」からだね。

本当にいつもドミニク・ミラーとバンドメンバーには驚かされる。素晴らしいアルバムだ。

追記:まだ確認中だけど、今回のドミニクはツアーでジェフ・ベックのトリビュートをしているかもしれない。ワルシャワのライブのドミニク・ミラーのセットリストを見たら、とある曲名が。でもこんな名前の曲は他には…。もしそうなら普通はしないような曲をやるのが如何にもドミニクらしい。
でもこれをまさかアコギでやったのだろうか? →はい。確認取れました。いつものヤイリのトーレスモデルで演奏したそうです。驚いた。

これが4/20のワルシャワのセットリストです。1stセットの曲を良くご覧下さい。

ずっとずっとドミニクのベックのカヴァーが聴きたい聴いたいと私はSNSで喚いていたけど、ひょっとしたら5/18ハンブルグでその夢が叶うかもしれないです。
昨日の深夜新譜聴いたし、もうずっと心臓がドキドキしています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?