見出し画像

ちょっと前にヨーロッパ横断をした話(最終話 11月27 ジブラルタル海峡)

リスボン→タンジェ(モロッコ)

15時過ぎ、リスボンの市街地を後に地下鉄の駅へ向かった。
これからアフリカ大陸を目指すべく、ジブラルタル海峡まで行くこととなる。

空港はリスボン中央駅から数駅の好立地!

リスボンの空港は地下鉄からすぐのところにあり、アクセスは非常に便利だった。
自分はこの空港から、一旦スペインのマラガというリゾート地への飛行機へ乗り込み、バスでジブラルタル海峡の港町、アルヘシラスへ移動する。
これまでにないスケールの移動、ミスは一つも許されない。

飛行機は7時台の早朝に出発する。
そのため地下鉄の始発だと間に合わいのだ。
仕方なく、空港で1泊する事に。

リスボンの空港は、合計で2つのターミナルから成り立っている。ターミナル1は世界中の航空会社が集う立派なものだった。
何となく、羽田空港っぽい。
問題は自分の利用したターミナル2だった。
連絡バスに乗り、立派なターミナルに背を向けプレハブ校舎みたいなターミナルに運ばれる。
今までいた空港の中で最も殺風景。。
あまりにも見どころが無かったのか、空港の写真は搭乗直前まで1枚も無い。
成田空港でも、LCC向けの簡素なターミナルがあるが、質素さはそれをはるかに上回る。
何より問題なのが、べンチが少ない事。。既に、今夜の運命を決める椅子取りゲームは終わった模様。
立ちつくしてしているベンチ難民で溢れかえっていた。

この旅2度目の飛行機は、ヨーロッパLCCの代表として名高い(悪名高い)ライアンエアーだ。
兎に角安く、日本のLCCの3分の1くらいの値段感。
ただし、安い代わりには代償がもちろんある。セルフサービスが多く、ややこしい制度から利用するに当たっては警戒が必要だ。
そして、今回の便の出発が早朝で、プレハブ空港で夜を明かさなければいけないのも代償の一つだろう。

空白の5時間を過ごし、搭乗の時間となった。
当たり前の様に地上から飛行機に乗り込む。。
ボーデイングブリッジが無いのは、LCCだとざらにある話だが個人的にはこっちの方が好きだ。

離陸した飛行機は束の間のフライトを終え、地面に叩きつけるかの様に着陸した。
スペインのマラガというリゾート地のようだ。
今回は、ここはスルー。
またの機会に行こう。(こんな思考になるなんて勿体無いと思われるかもしれないが、ヨーロッパに長く滞在していると環境に慣れてしまう。)

マラガ空港でバスへ乗り継ぎ

ここで、バスに乗り換えをしてジブラルタル海峡を渡るフェリー乗り場まで向かう。

バスはほぼ満席。それにも関わらず本数はかなり少なかった。
バスでは、特に書くほど面白い出来事も無く、スペイン南端のアルヘシラスという街に到着した。

実質的にスペインの玄関口としての機能もあり、他の街とは何か違った雰囲気がした。

なんとなく、怪しい。

空港泊から、慣れない乗り継ぎをしている内に、疲労が大分溜まってしまった。

ここでフェリーに乗り換え、旅の第2章とも言えるモロッコへの旅路へと繋がる。

ジブラルタル海峡を挟んで、モロッコとスペインを結ぶフェリーはよく利用されるようで、頻繁に便が出てる。
自分は、前もってチケットを買っていた。
余裕を持って1時間前にはフェリーターミナルについたが、2時間ほど遅延している様子だった。
しかも、その間に何便ものフェリーが出航している。
「当日券にすれば良かった。」
何もないターミナルで待たされているとたまらずそう思ってしまった。

当たり前のように遅延するフェリー
一体どこでこんなにズレるんだ…

今回乗るフェリー、徒歩で乗る人はほとんどおらず、乗客のほとんどは自動車からの様だった。

スカスカの乗船ゲート

広さの割に誰もいないターミナルで一人。
まるで、バブル期にできた斜陽テーマパークにいる様だった。

ターミナル内の売店で物色、カフェでティータイム、置いてあるパンフレットを読む。
ターミナル内でできることを全てやり尽くして絶望に浸っていた。気持ち的にもヘトヘトだ。

しばらくして、やっと乗船の案内が入る。
スカスカの乗船ゲートを通り、ついにユーラシア大陸と別れを告げる時が迫ってきた。

フェリーの中は日本のものと少し似ていた。
以前乗船した、デンマークとドイツを結ぶフェリーと比べていささか地味だった。
とはいえ、バーカウンターや免税店といった設備は一通りある。
利用者が多いか少ないかは別として。

暫くすると、船は港からゆっくり離れていった。
出航しても、暫くは港の景色が眺められる。フェリーは別れを惜しむ人にとっては実に良い乗り物だと思った。

天気は相変わらずの曇り。
サンセットを見るにはやや早い時間。
それでも、自分が今見ている港が、これまで1か月余り横断してきたユーラシア大陸の最果てだと思うと、とても感慨深い。

お陰で疲労はmaxだが、こんな経験は中々できることじゃ無い。
ハイテンションと眠気の間を彷徨いながら、大分小さくなってしまった港を眺める。

そして、だんだんと暗くなる大海原を見ながらこれまでの旅路を静かに振り返る。

・・・ことをしようと一度座席に戻った瞬間、自分の体は強制シャットダウ
ンの如く眠りについてしまった。
このフェリーの本当の行き先をその時はまだ知らずに。

(完)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

と言うことで、本編はこれまでです!
何ともあっけない終わり方でごめんなさい。
でも、疲労との戦いや旅路のあっけなさはバックパッカーの醍醐味の一つでもあるかと思います。(個人的に)
ある意味で、旅のリアルを何かしらの形で伝えられたのであれば幸いです。

この後、私は何とかモロッコに上陸するのですが、今思うと良くそんなところに一人で行ったなと思う様な出来事が立て続けにおこりました。
本当の旅は実はこの後とすら思ってしまう位です。

(モロッコでの旅はまたいつか、シリーズにして書いていければとおもっております!)

最後に、最終回の更新が謎に空いてしまいましたが、本シリーズをお読みくださりまして、ありがとうございました。

拙い文章でしたが、今後とも何かしらの発信ができればと考えておりますで、今後ともヨロシクです!






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?