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自分次第で何でもできる!-Pilot01 チョークアーティストSayoさん-


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Pilot企画第一弾はチョークアーティストのSayoさんです!

いつも前向きで、フットワークの軽いSayoさん。

大阪に拠点を移して半年で、交流した人は400人にも上るそう。

薬剤師からチョークアーティストを目指した理由、活動する上で心がけていることとは…!

――チョークアートをお仕事にしようと思ったきっかけについて教えていただけますか。

 元々、薬剤師として働いていました。給料もいいですし、周りからも「良いように見える」職業だと思いますが、患者さんや、会社、そして社会のために働くことが重点になっていました。そうではなくて、「自分の人生は自分のために生きていきたい」と強く思ったことがきっかけです。

――すぐにチョークアートを始められたのですか。
 いえ、そのときはまだチョークアートのことは頭になくて、まずはずっとやりたいと思っていた海外留学に行きました。中学2年生のときにニュージーランドでホームステイをしていた経験があり、外国で暮らす憧れがありました。英語圏だということと、ヨーロッパ旅行もしたかったので、行き先はイギリスに決めました。映画の「007」のジェームズ・ボンドが大好きだというのも決め手の一つです(笑)
 イギリスでは、半年間ホームステイをしながら語学学校に通い、最後の3週間でヨーロッパを周りました。

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――留学されて、いかがでしたか。
 生活をするだけなら、そんなに難しいことはありませんでした。自分の力で留学の準備をして、実際に行って、旅行もして…そういったことが成し遂げられたことで、「これからも自分次第で何でもできるんだな」っていう勇気みたいなものが、自分の中に湧いてきました。
 イギリスにいる間に、「帰国してからどうしようかな」ということを考えていて。「もう薬剤師には戻らずに、自分の好きなことで仕事をしていきたい」ということは、帰国前に決めていました。

――まだチョークアートにしようとは決めていなかったのですね。
 そうです。私はチョークアートの他にも、写真や音楽、食品サンプルなど、好きなことがたくさんあります。それらについて、今後プロとしてやっていくためにすべきことをイメージしていったときに、何をすればいいのかビジョンが一番見えたのがチョークアートだったんです。それでチョークアートに決めました。

――チョークアートとはどのような出会いがあったのですか。
 初めてチョークアートというものを知ったのは、小学生のときに見たテレビでした。ハンバーガーの絵だったんですが、どういう番組だったのかは全く覚えていませんが、とにかくおいしそうで。「絵なのに食べたくなるくらいおいしそう!」と思ったのが記憶にあります。
 その後、特にチョークアートに触れる機会は無かったんですが、薬剤師として働いているときに、近所にチョークアート教室ができたのを地域の情報誌で知って。「やってみたいな」と思って通い始めました。といっても、コンスタントには通えず、3回くらいしか行けませんでしたが…。マンツーマンレッスンで、モチーフは指定されたものでしたが、「おもしろいな」という感触はありました。

――チョークアートを今後仕事としてやっていこうと決めて、されたことについて教えてください。
 イギリスへの語学留学から戻って、チョークアートを本気でやろうと決めていろいろ調べて、次はチョークアートのプロ資格を取るためにオーストラリアに留学しました。それも、たまたまいろんなことが重なってそうなったんです。そのとき住んでいたところにはチョークアート教室が無く、遠方に通うしかないなと思っていたところ、実家の近くで催されていた手作り市に行ったときにチョークアーティストの方がいらっしゃったので、「チョークアートを仕事にしたい」ということを相談したんです。そうしたら、その方はオーストラリアでチョークアートを学んだ経験があり、「行ってみたら」とすすめられました。調べてみると、そのオーストラリアの学校の様々なコースがある中で、プロ資格が取れるコースが開講されるのが年に一回しか無いんですが、それが11月で少し先だったので「行けるやん!!」と。
 もちろん、日本で学ぶこともできるんですが、人と同じはつまらないし(笑)、語学留学して帰ってきたところだったので、「英語で学ぶ」ということについて抵抗が無かったことも大きかったですね。

――オーストラリアのチョークアートの学校はいかがでしたか。
 チョークアートの第一人者の方が作ったスクールだったので、技術的な部分だけでなく、絵に対する考え方や、プロとしての考え方について学べたことがとても良かったです。その学校の先生は教え方も素晴らしくて、生徒の個性というか良さを引き立てつつ、作品としてより良くするにはどうしたらいいかという指導をしてくださいました。

――帰国されてからの活動について教えてください。
 チョークアートに必要な画材や道具を、日本でどのように調達するのかを探すところからのスタートでした。そうしながらSNSで発信してみたり、起業家さんたちが集まる交流会に参加してアピールしてみたり、住んでいる地域の飲食店に営業してみたり…。チョークアートで何ができるのか、どうしたら自分の活動を知ってもらえるのかなどを考えながら活動していました。
 しばらくして、オーダーを2人の方からいただきました。1人の方は、フリーマーケットのようなところでアクセサリーや小物を売っている方で、そこに置く小さな看板を。もう1人の方からは、吹奏楽の演奏会の看板を依頼されました。
 いろいろ試行錯誤して動いていましたが、難しいなという感もありました。そのとき住んでいたのが割と田舎の方だったこともあり、需要があまり無かったというか。今思えば、「この看板やメニューボードをお店に置いたらこんなメリットがありますよ」ということをお店のオーナーさんにもっとお伝えすれば良かったかもしれないと思っています。

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――今は大阪にお住まいですが、大阪に来られて変化はありましたか。
 それはもう、全然違います。まず、人との交流が増えました。起業されている方の交流会には積極的に参加しているんですが、名刺を交換したのが約400人の方です。例えば、「チョークアートをやっている」という話をすると、「自分も欲しい」と好反応をいただけたり、「自分は必要無いけど、ここのお店にぴったりじゃないか」とおすすめしていただいたり、そういったことが大阪に来てから増えました。

――交流するときに心がけていることはありますか。
 一番は、仕事をもらうことより、目立つことと相手の方に覚えてもらうようにすることです。そのために常に作品も持っています。いくつかの交流会に参加していますが、別の交流会でお会いしたことがある方や、前回お会いした方がいらっしゃっていることがあって、興味のある方には必ずお声がけするようにしています。そうすることで自分の印象を強くすることができます。
 心がけていることは他にもいくつかあります。「自分は本気でやっている」ということを伝えることも大切だと思っています。「女性で手作り」ということで、「趣味なんじゃないの」と思われないように、「仕事としてやっている」ということを強調しています。あとは、相手の方に誠心誠意対応すること。目の前の人に集中することが大事だと思っています。相手に興味を持って、自分の話だけしないことも気を付けています。出会ったそのときにお仕事がいただけなくてもいいと思っていて。つながりを深めて、自分を知ってもらうことで、「この人に制作をお願いしようかな」となったらいいなと。でも、うまくお仕事がいただけたとして、その依頼主さんに依存しないようにしています。「今受けている〇割を占める」となったら安定しているようにも思いますが、何となく依存してしまうとフェアじゃなくなる気がして…依存しない方が、仕事をする上での精神的に、安定するなと感じています。

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――なるほど。積極的に起業家さんの交流会に参加されているようですが、つながりを広げるために他にされていることはありますか。
 例えば、「1対1で会いたい」と連絡をいただいたときや、交流会などで出会った方に「紹介しますよ」と声をかけていただいた方とは、基本的にお会いすることにしています。あとは、地域の商工会とのつながりも作っています。商工会のイベントに出席したことがきっかけで、商工会主催の子ども向けイベントに呼んでいただいたこともあります。自分が活動するエリアに自分のことをどれだけ知ってもらうかが大事だと感じています。

――これまでにどういったお仕事がもらえましたか。
 店舗の看板やメニューボード、iPhoneケース、プレゼント用のインテリアボードなどですね。あとは、イベントに出店したり、子ども向けにワークショップを開いたりしたこともあります。

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――今後の展望について教えてください。
 実践・経験をどんどん積んで、さらには壁一面を私のチョークアートでデザインして空間作りのお手伝いをしたいです。そして、ゆくゆくはメディアに出て有名になりたいですね。YouTuberの方とも先日お知り合いになったので、今度何か一緒にやれたらなと思っています。
 お仕事の件数は、実はあまり考えすぎないことにしているのですが、月5件のご依頼をコンスタントにいただけるようになりたいです。今は、それが達成できる月もあれば、できない月もある、という感じです。
 もっとこうなったらいいなぁ、というのは、作品作りに集中できる時間を増やしたいです。営業したり、宣伝したり、イベントに出たりその準備をしたり…そういったことに時間をかなり割いているので。種まきは大事だと思っているので、もうしばらくはこのままかと思うんですが、少しずつ時間を使う割合が変わっていったらいいなと思います。
 最終目標としては、「チョークアートのこの分野では、Sayoにまかせる!右に出る者はいない!」といった存在になりたいです。「この分野」というのは、まだ模索している最中ですが。

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――子どもたちへのメッセージをお願いします。
 目の前に用意されたものの中から選ぶのではなくて、自分の中からしたいことで仕事を選んでほしいです。
 日本は、子どもの自尊心が外国と比べて低い傾向にあります。「大人になっても嬉しくなさそうだから」というのが原因の一つと聞いたこともあります。私は、大人になって自分で自分の責任が持てるということはとてもいいことだと思っています。いくらでも、好きなことが仕事になる可能性がある世の中になっていると思いますし、私の存在も、子どもたちの視野が広がるきっかけの一つになればと思います。いろいろな人と出会って、ぜひ、将来の選択肢を増やしていってほしいです。

――ありがとうございました。

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Sayoさん プロフィール

大阪府生まれ。

2012年 大学を卒業後、薬剤師として北陸地方で勤務。

2016年12月 退職し、2017年1月より半年間イギリスへ語学留学。

2017年11月 チョークアートを学ぶために1ヶ月間オーストラリアへ。

帰国後、チョークアーティストとして活動を開始。

2019年 拠点を大阪へ移し、精力的に活動中。

ホームページ  https://sayochalkart.shopinfo.jp

Instagram https://www.instagram.com/sayo_chalk_art

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