まなちゃん

まなちゃんです。短編小説が得意です!

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最近の記事

情けなく助けを求めたまま

きみはぼくのひかりだったよ。どうしようもなく暗くて窮屈でむさ苦しいあの空間に一筋のひかりをくれたきみのことが大好きだったよ。ぼくにとってきみはひかりを宿してくれる存在だったよ。今思っている感情すべて、ここで出し切らないと全てなかったことにされてしまうことをぼくは知っている。ぼくは悪者になっても構わないなんて言ってみたけれど、やっぱり腑に落ちないなあなんて嘆きながらぼくはここで感情のままに執筆している。ピンクで囲まれた薄暗いワンルームで悪く早まる鼓動と震える手つきで咽び泣きなく

    • 新しい環境で辛いあなたへ

      新学期、新生活。その他も新しい環境で何かを始めた方も多くいるであろうこの季節。 みなさん、いかがお過ごしでしょうか。 不安だったけど案外楽しい!とかずっと楽しみにしてたけどいざ始まると楽しくなかった、とか それぞれいろいろな気持ちがあると思います。 新しい環境の今が楽しい方は、今の素敵な環境や気持ちがこれからも続いていくことを願っています。挫折した時や不安に打ち勝てない日が来たら、是非私のnoteをちょっとした心の支えにしてもらえればなと思っています。 本題ですが、今、

      • 新しい季節も、きみの傍で。

        新しい季節、春。ぼくにはじまりなんて存在しないのに、春になって咲き誇る花々を見てこの花々も時間と共に散りゆくと思うとなんだかやるせない気持ちになる。 新しいはじまりに涙を流すほど不安がっているきみが、どうかひかりに導きだされるように願いながら文書をかくぼくは、繊細なんて一言で片付けられないほどに脆くてやわらかいきみのことをこの文章を通して、きみの傍で、遠いようで近いこの距離で、見守っています。泣かないでなんて言わないから、甘くてかわいくてとろけるような毎日を一緒に過ごしてい

        • 痛かった

          ぼくはここにいて、愛も情けない期待も膨大な不安もぼくの全ては誰かに奪われて、ぼくの感情なんてここには無くなってしまった。 痛かったよ。全てが痛くてたまらなかったよ。きみの偽愛もぼくは本物と思って大切に愛でていたし全てきみのための人生だったと本気で思っていたんだよ。侮られてぼくの内臓が蝕まれて悔しくて悲しくて。ぼくはどうしたら報われるのか分からないまま、ヤケになって自分を傷つけて魔法を飲み、相手がどんな人かも分からないまま依存して生きて、また始めに戻ってしまうのだ。 汚い言葉

        情けなく助けを求めたまま

          生まれ変わっても好きでいる

          寒波が続くなか、すこしせっかちなきみは早まって春が近づいていることを思い出し憂鬱な気分になってしまった。 春になって鮮やかに咲き誇る花々を見て複雑な気持ちになった。春に咲き誇る花々は風に揺られて時に雨に覆い被せられ苦しいのか、それさえも鮮やかな養分として蓄えているのか。少なからず絶え間なく続く嵐に耐える日もあるでしょう。だけど人々の記憶に彩りをのこし綺麗、素敵と呟かれる花々は、陽春が過ぎれば散り呆気なく忘れられてしまう。生まれて人生に一度だけ一生分の絶頂を過ごす花々をみて、

          生まれ変わっても好きでいる

          愛の続き

          ぼくの視線の先には、俯くきみの顔。きみは怒ってそっぽを向いた。ぼくはきみの全てが愛おしくなってもう一度顔をのぞきこんだ。そしたら今度は頬を赤らめて呆れたように笑うきみ。安心して涙が出た。ぼくだけに向けてくれるきみの笑顔。その笑顔にはその都度いくつもの感情が存在していて愛おしい。悲しく涙を流すきみとその感情に揺さぶられて涙を流すぼく。ぼくがきみの涙を受け止める時にはぼくまで泣いてしまってきみが頭を撫でてくれるね。こんなありがちなエピソードでもぼくたちは頬を緩めることができる大切

          きみをひかりに導きだすから

          きみは夢の中で、遣うはずのない汚い言葉であの人を罵倒した。「生きててえらいわけがないけれど、ぼくが生きていてきみが生きているこの世界線は愛すべき空間だよ。」そんな言葉をぼくにかけてくれたきみが愛おしくて、いちごのシャンプーの香りがするきみの髪をふわっと撫でた。キッチンの一角で手首から血を流して嗚咽混じりの涙声を漏らすきみが切なくて切なくて、ぼくまで涙が出そうになった。きみを救う術を殺しにかかるこんな世の中が憎いけれど、絶対に僕の手できみをひかりに導き出すから、大丈夫だよ。ぼく

          きみをひかりに導きだすから

          浅はかで愚かで馬鹿だ

          あの頃の記憶を掻き分けてここで息をしている。遠い昔になってしまったあの日の記憶で息が詰まる。きみが生きた数年は、誰かの承認欲求にまみれた言葉に殺され生身の身体がここに転がっている。きみは、生きててえらいだなんて浅はかで愚かで馬鹿な言葉だと言った。矢継ぎ早に息を吐き、記憶の中のもういないあの人をきみが遣うはずのない汚い言葉遣いで漫罵した。もう誰も好きになりたくないなんて泣いているきみは、情けない期待をして今日も生きてしまったと喚いた。だいすきだよと譫言を言ったきみの頬に一筋の涙

          浅はかで愚かで馬鹿だ

          死にたいと泣いたあの夜を超えて

          やり直せない人生を過ごしてきみが死んでしまったとしても、きみとぼくが生きた重たい数年間を自殺なんかじゃ済まさせないし採伐とした他殺を治安だとかいう一言で片付けないから安心してね。きみが苦しかった日々に終止符を打って安心して眠れる明日になろうね。みんなが思うことを同じように思えなくて不安だったあの日もきみが血まみれになって憎んだあのひとも明日にはきみのものになって安心できるから大丈夫だよ。もう苦しまなくていいんだよなんていうありふれた終わりの言葉できみを飾って、手に入らなかった

          死にたいと泣いたあの夜を超えて

          死にたいきみの隣でずっと

          新年に浮かれている街や人々に寂しさをおぼえてしまったたきみは、逃げるようにスマホのメモを開きフリック入力をした。そしたらキーボードまで浮かれ気分で悲しくなってしまった。 きみにとって新しい年の始まりである新年はとても憂鬱なものだと僕に昔、話してくれたことを憶えている。大晦日や年末はひとり死にたいきみを呑み込んでまで、師走だなんだと騒いでいるから、きみの感情は置いてけぼりでひとりぼっちで、寂しくて消えてしまいたくなるみたいだ。このまま一年が終わる前に、今が去年になる前に死んで

          死にたいきみの隣でずっと

          大晦日に死にたくなっちゃうわたしときみも絶対に来るいつかの日まであと少しだからきっと大丈夫、今日のよるもいつも通りの日常がきみのもとに戻ってきますように もうすぐひかりに手が届くよ

          大晦日に死にたくなっちゃうわたしときみも絶対に来るいつかの日まであと少しだからきっと大丈夫、今日のよるもいつも通りの日常がきみのもとに戻ってきますように もうすぐひかりに手が届くよ

          いつかの離ればなれが怖くってさ

          何も分からないから大丈夫と希望や夢を語るふりをして絶望を吟味するきみは、もう味なんてなくなった己の感情を遠くから悲しげに見つめ、まだ生きたいと呟いた。きみの真っ黒い心と表情が愛おしくて、届かないきみを抱きしめた。 いつかの離ればなれが怖くて堪らなくなって、きみの髪をふわっと撫でた。世間は師走で忙しなく街が動いているけれど、ぼくはきみがいなくなってしまいそうで怖くて何も手につかないよ。きみが毎年、年末に全てを終わらせたいと泣いて空を飛ぼうとしていることや周りが師走で色めきだっ

          いつかの離ればなれが怖くってさ

          即席的に生きているきみは全てを否定されてしまい、感動的美談を歌っている曲が流れてくる。簡単な流行り言葉の一単語できみの好きな文章や音楽は殺されて、きみの愛する空間は、空間ではなく人物そのものだけを愛している人たちに奪われてしまった。あの子の採伐とした他殺は、自殺や治安、そんな簡単なひとことで片付けられてしまった。あの子やきみたちの死を全ての虚空にしてやりたくなくて気張ったら、不謹慎だなんて野次を飛ばされて僕の内臓は空っぽになってしまった。

          きみがいちばんかわいいよ

          甘い香りのシャンプーをしているとき。 何時間も悩み選びながらカラコンを買ったとき。 ジルのアイシャドウを纏ってDiorのマキシマイザーで唇をちゅるんとさせたとき。 ふわっと香水を振った私は、あの子になれなくたって誰よりもかわいい女の子になれる。あの子には譲れない特別な気持ち。

          きみがいちばんかわいいよ

          泣かないでとぼくの頭を撫でてくれるから

          きみの声が遠く感じて、永遠が欲しくてたまらなくて、涙が出て止まらなかった。永遠なんてないよと寂しく震える声で呟くきみの瞳は潤んでいた。 ひとりじゃないよなんて言われる度に誰よりも感じてきた孤独もそばにいるよと言われた屈辱も全部、きみとぼくは魂をひとつにして蹴散らかしたね。きみとぼくがこの顔とこの身体で掻き分けてきたあの子たちの言葉。本当の孤独を感じたことのあるぼくたちの寂しさはきみとぼくだけの特別な感情だね。きみとの永遠が欲しくてたまらなくて泣いてしまうけれど、きみは泣かな

          泣かないでとぼくの頭を撫でてくれるから

          音楽

          静寂を紛らわすために片手間でつけたテレビから流れる事件速報から耳を背けたくなり、テレビを消した。グラスに移し中途半端に残った酒。中途半端に酔いがまわり気分が悪い。乱雑にガチャガチャと音を立てて放り込んだ氷が溶けて机上が湿る。 行き場の失くしたぼくの聴覚はやっぱり音楽を求めていた。音楽を通して苦しくなることがあろうとも、ぼくに残るものは音楽が好きな気持ちだった。知識なんてなくてもひたすらに大好きな気持ちは負けなかった。 きゅっと締まり震える喉のつっかかかりを無視してぼくは右