『愛がなんだ』が好きなんだ。
あなたが心の底から愛している小説は?
そう問われて真っ先に思い浮かぶのは、角田光代さんの『愛がなんだ』だ。
27歳・OLのテルコがマモちゃんに出会って恋に落ち、しかし恋人同士にはなれないままでひたすら想いを加速させていく、究極の片思い小説である。
物語の中では、特筆すべきなにかが起こるわけではない。
ただテルコは、とにかくマモちゃんのことが好きで好きでたまらず、時に、いや頻繁にちょっと行きすぎた行動をとったりもしつつ、マモちゃんはそれを受け入れたり突然拒絶したりし、そ