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思索

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2021年12月の記事一覧

小林秀雄の「花」とイデア

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 小林秀雄の『美しい「花」がある、「花」の美しさという様なものはない』はイデア論批判として読むことができるだろう。

 混乱していた当時のギリシャにおいてはもはや非言語的なコミュニケーションは困難となり、前後の文脈を無視した記号的なものを用いるしかなくなった。

 プラトンは文脈に左右されない、記号としてのイデアによってコミュニケーションを図ったわけ

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ポストモダンの人間関係及び「エヴァンゲリオン」以前のオタク文化

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 ポストモダンの記号論的世界観において、人間および創作のキャラクターは「記号」の組み合わせとして現れる。「萌え」る「記号」の集積たる「データベース」(東浩紀)から「記号」が取捨選択され、人格を形成しているのだ。「アウラの喪失」(ベンヤミン)の結果、彼らのうちに「物語」を表象するものは残されていない。よってコミュニ

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