「22年間一度も彼氏ができたことがありません」

ー有名人じゃなくても人の注目を集めることのできる時代

tiktokという今若者に大人気のアプリがある。15~30秒くらいのショートムービーを誰でも簡単に作成することができ、tiktokユーザーは様々な動画をとって違うユーザーへと動画を共有できる。動画の内容は様々で日々の日常をとったり、メイク動画をとったり、ダンス動画をとったり、みんなが自分の表現したいことを15~30秒の動画で表現することができる。

tiktokにはオススメというシステムがあり、ユーザーが興味がありそうな動画をAIが判断してそれぞれのオススメ欄へ動画がのせられる。動画の視聴時間が長かったり、いいねやコメントが多かったりすると、反響の大きさに合わせて動画がさらに沢山のtiktokユーザーへと拡散されていくシステムである。

ーあるひとつの動画

私もtiktokを利用しているのだが、数ある動画の中から一つの動画が注目を集めたことに疑問を覚えた。

それは

「私は22年間彼氏ができたことがありません」

とカミングアウトしただけの動画だ。笑

それだけの動画に3000いいね以上…。笑

きっと見てくれている人々のなかで22年間も生きていれば彼氏の一人や二人はできるだろうという当たり前の感覚を崩したことや、もしかして…?というような想像を膨らまして見てくれたこと等が要因であると感じる。(失礼なこといってたらごめんなさい。笑)

理由はどうであれ、人から見て興味を引く発言だったことは確かだ。

でも私側からすれば気がついたら22年間いなかっただけの事実にすぎなかった。しかしここまで注目を集めたくらいだから自分でもなんでいないのか考えてみようと思う。

ー作り出される理想

人は誰かと人間関係をつくるとき、無意識にこうであってほしいと相手に対して思っている。

友達だったら、自分のいうことを理解してほしい。困ったときは相談にのってほしい。

恋人だったら、辛いときはそっとそばにいてほしい。いつも癒してくれる存在であってほしい。

自分の子供だったら、こんな風に育ってほしい。などなど。

「あの人は変わってしまったね」という言葉をよく聞くことがあるが、それも自分がその人にこうであってほしいと思っている理想像とは違っていただけなのだ。そういう思いってどうでもいいと思っている人には思わなくて、少なからず自分に思い入れがあったり、親しい仲で起こりうる問題だ。

人の心って敏感だから、自分がそういうつもりがなくても傷つけてしまうことがある。ただでさえ、敏感なのに、その人の気持ちに自分が答えられない瞬間って私は傷つく。笑(恋愛だけじゃなく)

まだ心が未熟なときって自分がどれくらい誰かから必要とされているかとか、モテているとかそういうことに価値を置きがちだけど、人の好意や気持ちなんてそんなに簡単におしはかれるものではないし。そうやって人からの人望を集める人ほど、裏切ったときの降り幅が大きいのは事実であると思う。

だから、深い恋愛関係において、私はその人の期待に答えたいなっていう気持ちが上回ったり、継続的に期待に応えれる確信があったりする人と仲良くすればいいのかなって思っている。冷たいと思われがちだけど、かえってそれが一番温かい選択だと私は思う。

「22年間彼氏ができたことがありません」は私がそれがいいとか悪いとかではなく、慎重に生きてきた私の価値観の証だと思う。

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