【感情紀行記】見た目割引
よく、年齢を間違えられる。それも、かなり上に。周りからは、落ち着いているからとか、品があるからなどと言われることもあるが、なんだかしっくりこない。
最大の年齢誤認は、高校三年生の時だ。高校三年生の時、書類を印刷するために、印刷屋さんに行った。その時、サインを求められたので、大学合格祝いでもらった万年筆で書いたことがあった。そうすると、店員さんが、「いいペン持ってますねー」と言ってくるものだから、「合格祝いでいただいたんです」と話していた。続けて、店員さんは、「なんの合格ですか?」と聞いてくるものだから、「大学です!」と張り切って答えた。店員さんはびっくりし、「自分より年上だと思いました!」と。恐る恐る、店員さんの年齢を聞いてみると、「46歳です。」というものだからびっくり。店員さんは、最低でも47歳に見ていたのではないか。30歳近くも誤認されるようなみてくれをしていたのだろうか。普段から年齢が上に見られる自分でも、流石に驚いた。他にも、電車に乗ろうと、駅前を歩いているときに、「ご家族にマンションはいかがですか。」と声をかけられたことがある。そもそもご家族がいない可能性も含めて色々と失礼なのではないか、と思う声かけだが、スーツを着ていたとはいえ、何歳だと思われていたのかと思う。
いつになったら見た目の年齢が実年齢についてくるのかと思っていたが、最近「見た目が若くなったね。」などという不思議な言葉をかけられた。よく、年齢が上に見られることを茶化してきていた人たちからだったので、何か不思議な気分であった。その時と同じような格好に、同じような髪型にしていたら、学校近くのパン屋さんで、学生証の提示を提案された。生憎、お財布を家に忘れていたために、提示することができなかったが、その旨伝えると、割引を適用してくれた。今までは学生証を提示すると割引というのを提案してくれたことすらなかった。大きな進歩である。いや、退化である。
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