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【ハラール入門編2/3】ハラルとムスリムフレンドリーの違いって?、日本でのおもてなしは何したらいいの?について解説

ハラール入門編1/3に続き、2/3に突入です。

こちらの記事では、
・ハラールとムスリムフレンドリーの違いについて
・日本でムスリムをおもてなしする際に気をつけたい点
について、誰でも明日から実践できるようわかりやすく紹介します。

この記事を読めば、ハラールやムスリムフレンドリーってそこまで怖くないし、案外できるだなぁって思いますよ!

ハラールとムスリムフレンドリーの違いについて

前回の記事で書いた通り、ハラールはイスラム教徒が食べる、身につけることを許されたモノを指します。

これに対して、ムスリムフレンドリーはオールハラールが絶対条件にはなりません。簡単に説明すると、「ムスリムの皆さんが抱える宗教上の問題に関してできる限り対応しました。つきましては○○なサービスを提供していますので、利用するかどうかはあたな自身で決めてくださいね。」という選択肢の提案になります。

※マレーシアでは、ムスリムフレンドリーを名乗れるのはハラル認証原材料のみを使用(飲料酒は提供なし)した飲食店という解釈が一般的です。これに関しては環境と条件が異なるので今回は無視で。

「ムスリムへのおもてなしはハラール対応を完璧にしないと大変なことになる」と考えている自治体、飲食店、宿泊施設さんが多いと思います。
実際はそこまでガチガチに取り組む必要はないです。

彼らも日本は酒と豚の食文化がある国とわかって来ていますし、海外から日本に来ている身なので無理は言いません。お互い理解しつつ継続できる範囲で出来ることを明確に発信していく形からのスタートがベストです。


日本でムスリムをおもてなしする際に気をつけたい点

このトピックに関しては、①飲食店、②宿泊施設に関してお伝えしますね。

①飲食店


日本は酒を原材料にした調味料や料理、豚という彼らにとってハラムな食材がベースの食文化です。入門編1/3でもお伝えした通り、「豚がダメなら鶏と牛はいけるやん」という訳ではありません。鶏も牛もハラールに則った屠殺が必須で、そんな肉を提供できるのはごく一部のハラルレストランぐらい。

調味料に酒が入っているものも多いですし、日本は添加物天国なので原材料にハラムなものを使用している可能性も実は高いです。

なので残念ながら100%排除するのは至難の技。

・ハラール認証取得の店
・ムスリムがオーナーの店

この2つが鉄板です。
前者に関しては、ジャパン・ハラール・ファンデーションの認証取得店があるのでこちらを参考にしてください。

じゃあ後者の方はどうなのって話ですけど、見極め方はこれ!
ズバリ、「オーナーもしくは店員がムスリム」の店に行くです。
インド料理はイスラム教徒ではないですが、ハラール対応しているレストランが多いですね。(特に神戸)

②宿泊施設


宿泊施設自体にハラール認証はまず見かけません。なぜならムスリムに特化したホテルはないからです。レストランも同様ですがローカル需要があってこそのホテル運営なのです。コロナ渦で閉店したハラル認証店もありました。その多くは観光客をメインにしていたのです。

そんな背景からもローカル顧客メインの対応がベースになる前提になります。一部のホテルではムスリムフレンドリー対応(食器や調理場所を区別など)のレストランが併設されていますが、コロナ渦の影響で運営を一旦止めているとことが多いのでHPに掲載されている場合は事前に確認がおすすめ。

部屋自体に関しては特に制限もありません。
たまに海外のホテルで天井に→のシールが貼っているのを見たことありませんか?マレーシアではどこでも見かけます。あれはメッカーの方向を示しており、ムスリムの礼拝時の方位確認で利用されています。今はスマホにも方位磁針が搭載しているのでこの点も特に問題ないでしょう。

ホテルに関して、課題は食事ですね。現実的には認証レストラン、ムスリム飲食店、もしくは小売店で野菜や果物などを購入になります。


③自分で調理する場合


「せっかくなので我が家で日本食を振る舞いたい」なんていう素晴らしい想いを持たれている方も多いんじゃないでしょうか? 
ムスリムは家庭の日本食に興味があるので、絶対に喜ぶこと間違いなしです。この場合も、ムスリムフレンドリーのアプローチが大事。

・調理器具は別にする
・食器も別にする
・豚の取り扱い
・原材料の把握

この4点を確認して、先方にあなたが今できるベストを伝えて判断を仰ぎましょう。ちなみに豚に触れた調理器具や食器はあかんのか?という話ですが、そんなことはありません。7回真水で洗浄し、その内の最初の一回は土壌水(Soil Water)で洗浄すればOKとJAKIMの基礎講座で学びました。ちなみにこれは血が付いた場合も同じです。

豚の取り扱いに関しては別の冷蔵庫があればいいんですが、そこは難しい話なのでその日に限っては豚がないという状況を作り、それを伝えて判断を仰げばいいと思います。

使用する調味料にも注意。酒や豚エキスなんかが入っているものも多いのです。これは裏面表示にすべてが記載されている訳じゃないので、できるだけシンプルな調味料主体がおすすめです。最近だとさしすせそ系はハラール認証商材がアマゾンで手に入るのでそこでサクッと調達しちゃいましょう。別の記事で国内メーカーでおすすめのハラール認証食品を紹介しますね。

まとめ

ハラール入門編2/3では、ムスリムフレンドリーって何? 日本でムスリムをおもてなしする場合はどうしたらいいの?を3パターンに分けて紹介&解説しました。こんな感じなら私にもできそう!って思いませんか? 私は本帰国したら自宅のBBQコンロを改装してハラールステーキのムスリムフレンドリーBBQショップなんかやってみたいなって真剣に考えています。あくまで大事なのは、正直にできることを伝える。バトンは渡して相手に決めてもらいましょう。

最終回の【ハラール入門編3/3】では、ムスリムの日本滞在時における食の不安/不満/不便についてお話します。