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なぜTwo-way留学を決断したのか【沼田町Two-way留学 vol.1】

2024年8月〜9月のおよそ1ヶ月間、地元を離れて北海道雨竜郡沼田町に移住し、沼田町の学校に子どもを就学させました。

なぜTwo-way留学を考えたのか。その経緯をまとめます。


第四子の誕生

2023年9月に第4子が生まれ、夫婦で育休を取得しました。
妻:2023年9月〜2025年3月
夫(私):2024年4月〜9月

2024年の前半で夫婦ダブル育休となるのでこの期間に何かしたいよねと話して出てきたのが育休移住でした。

育休移住という選択肢

子どもが生まれるとなって育休の記事をあさっていたらこんなものに出会ったのです。

この記事についての所感は以下に記しています。

育休中にメルボルンに滞在した知人もいました。

私たち夫婦は公務員で、地元に居を構えています。

働いている以上、地元以外の地に一家で居住するという経験が現実的ではありません。

ちょっと違うところに住む経験はこの期間しかできないと考えました。

また、まちづくりにも関心があり、地元地域を相対的に見たいという思いもありました。

子育てに優しいといわれている町?はたまた海外?
夢は膨らみました。

就学という壁

しかし、すぐにこの話は頓挫しかけました。

なぜなら、長女がすでに就学していたのです。
加えて、この4月から長男が小学校に入学しています。

先の記事や知人の移住の例は子どもが未就学でした。

私たちには小学校の認識として以下がありました。

  • 小学校は毎日通うものとして設計されている

  • 住民票を学区に置かないとその地の学校には就学できない

ですので、小学生がいる家庭で育休移住は困難なのだろうと考えたのです。

デュアルスクールとの出会い

そんな折、妻がデュアルスクールの情報を持ってきました。

デュアルスクールとは、地方と都市の2つの学校の行き来を容易にし、双方で教育を受けることができる新しい学校のかたちのことです。
地方と都市の交流人口や「関係人口」の増加による地方創生と少子化への対応、子どもの豊かな体験機会の提供の視点から、地方と都市の学校を結ぶ教育環境を創造することによって、地方と都市双方の視点に立った考え方のできる人材を育成するとともに、「二地域居住」や「地方移住」を促進することを目的としています。

dualschool.jp

どうやら住民票を移さずに移住し、現地の学校に一時的に転校し、しかも自治体お墨付きの制度だからサポートもしっかりだといいます。

こ、こんなに「渡りに船」な制度があるなんて!

早速見てみると株式会社あわえが教育委員会との調整を仲介して徳島県内で広く実施していることがわかりました。

小学生にとってもまたとない経験になる

そして、この育休期間の移住が親にとってまたと無い経験になるのと相似で、小学生にとっても短期で転校をするというのは貴重な経験になるだろうとすぐに考えました。

また地元に戻って来れるという安心材料をもったまま、新たな環境に期限付きで入ってみる。

私がそうであったように、小学生にとっては学校が絶対的な社会の姿なのだと思います。

それが、気候も文化も人柄も違う学校に身を置くことで、自分の地元を子ども自身も相対化できるのではないかと考えました。

さらには、普段はリーチできない遠隔の地に友人を友人をもつことができる。

考えていくうちに小学生の方が貴重な経験を重ねられそうで羨ましくもなっていきました。

こうして私は脳裏にデュアルスクールの語を刻み込んで、育休を待ったのでした。

<余談> 実は全国どこでもできる

平成28年12月に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生総合戦略」において「地方への移住に伴う子供の就学手続について区域外就学制度が活用できることを周知する」ことが明記されています。
これを受けて文部科学省は都道府県教育委員会に以下の通知を発出しています。

私は全く知りませんでしたが、地方移住や二拠点生活のために区域外就学を活用して、移動先の学校に就学することは国がGOサインを出していたのですね。

思わぬ課題

ところが思わぬ落とし穴があり、再び頭を抱えることになりました。

株式会社あわえの主催するイベントや、個別相談をしていただくと次の課題が生じたのです。

(※ちなみに株式会社あわえのスタッフの方にはとても丁寧かつ親身に対応いただいたので、以下の課題は私たちの家庭から発した課題であることを添えておきます。)

課題1 手続き開始から就学までは一定の時間を要する。

長男が小1に上がるタイミングだったので、地元での学校生活が軌道に乗ってから、と思いしばらく情報収集を怠っていました。
教育委員会との連絡調整にはおよそ2ヶ月かかることをしばらくしてから知り、1学期の申し込みが難しくなってしまいました。

課題2 初回は2週間という規定がある

移住も1ヶ月程度を考えていたので、初回2週間は私たちにはちょっと短すぎるかな、というところでした。
年度の中で複数回実施できるというのは大きな魅力ではありますが、1度に長めにという希望でしたので。

課題3 認知度が高まっている

そして何より、「厳しいかな」と感じたのは、デュアルスクールの認知度が高まってきていることでした。
受け入れ児童数の制限がある以上、申し込みの中から精査する必要があります。
私たちは一時的な移住ですので、定住を検討する家庭よりも動機が弱いです。

渡りに船その2 Two-way留学

そんなこんなで、夫婦で「もう無理かな」と諦めかけ、先の相談に乗ってくれたスタッフの方にダメもとで聞いてみました。

私「似たような制度ってありますか?」
ス「徳島以外にもデュアルスクールをやっている自治体はありますし、北海道でもTwo-way留学という制度を始めた自治体があります。」
私「(ほ、ほっかいどう!?)」

実は以前に北海道滞在を画策し頓挫した経緯があったので、我が家では北海道への吹っ切れない思いがありました

実施しているのならまさに渡りに船です。

早速調べてみると、上士幌町と沼田町の2自治体で実施していることがわかりました。
上士幌町は数年間の実績があり、沼田町はなんとこの5月にスタートしたばかりだといいます。

地図で位置を確認し、すぐに電話します。

すると、なんと私が問い合わせ1件目ということでした。

「初めての問い合わせです。全町で歓迎します。」なんて驚いた調子で言われたら、ここしかないと思いが強くなっていきました。

1例目ということもあり、期間も柔軟に対応できることや、受け入れに向けて動き出してくれるということで、上記の課題もすぐに解決できそうな見込みがたちました。

妻に相談すると、「行っちゃうか」と意見が一致。

こうして、数ヶ月悩んできたデュアルスクールを諦めた日に、沼田町のTwo-way留学に出会い、申し込みを即決したのでした。

【情報】沼田町Two-way留学について

(続く)


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