032_自分らしくない方が面白い
自分らしく、という意思の元に承認欲求、自己顕示、自意識過剰、自己陶酔…、挙句に自己嫌悪に陥っている人は多いと思います。
もちろん、自分らしく、というのは悪い事ではありませんが、良い事でもありません。自分という型というか枠というか、を作ってしまってどうでしょうか。自分基準で物事を判断して、常に最良であれば問題ありませんが、私のように自信がない人間にとって、それは基準ではありませんからね。
PIXTAにイラストを投稿して数年経ちますが、稼ぎの方はお寒いです。それはいいとして、それらのイラストは全て自作でオリジナルですから、自分で考えて自分で判断して、そして自分でフィニッシュを決めて完成させます。つまり誰の指示も判断もなく、制作は全て自己完結しています。
これらがバカ売れしていれば、自分らしくという事に価値を見出せますが、そうではないので凡そ自分というものは疑わしいと思っています。
それはあんたのレベルの問題でしょ? という声が聞こえてきますが、自分という枠に留まっていたら、そのレベルを上げる術はありません。しかも若くはないですからね。
そんな落胆の中で、面白い現象があるんですよ。
売れないにしてもイラストに対してアクセスはあるわけです。それが即ち人気という事ではありませんが、そのPVの数値で優劣はあります。単純にそれが多い作品と少ない作品がある訳ですが、ダントツに多い(と言っても高が知れていますが)イラストが、あまり自分の趣向のものではないのです。
ぶっちゃけ言うと、自分らしくない、自分が描いたものとは思えない。タッチも何も…
それが一番に人気があるというのは不思議ですね。何百点もの作品を作っていれば、そのうち何点かに「何か感じが違う」ものがあると思います。これはクリエイターのみならず、あらゆる作家や製作者にも経験はあると思います。
自分としては嫌いだし、納得していない。でもウケている。という事については複雑な気持ちを抱く反面、そもそも自分のレベルや枠が大したことないので「そういう自分もアリか」と肯定しなければならないのです。
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