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パーソナルスタイリストの夢に向かって歩き始めたガレットさん ~素質と縁が道を開く~

フリースクールのスタッフ養成講座でご一緒させていただいたガレットさん。私がインタビュー活動を始めていることを話すと、すぐにインタビューの受け手になります!と言ってくださいました。2020年2月、もう一年ほど前のことです。当時のガレットさんは「障害者の生き方などのテーマで話せると思います」とおっしゃっていたと思います。
あれから世間の激動に紛れて一年越しとなってしまいましたが、お互いのタイミングが重なりインタビューが実現しました。
アパレル業界の仕事に就き、あの頃とは違う景色をみておられるガレットさんの「今」そして「今まで」をお聞きしました。

目くるめく出会いが重なり、ファッションの道に

-ショップ店員のお仕事に就かれるまでの経緯をお聞きしてもよろしいでしょうか?
以前は作業所に通い障害者雇用を目指していたのですが、作業所に通って障害者雇用へというレールに乗っているようなのも腑に落ちない感じがして、作業所通いから卒業したいと思っていました。
昨年10月頃、好きだったライフスタイルショップが2号店オープンのスタッフ募集することを知りすぐに応募しました。そこでスイッチが入り、私自身がどんなふうに働きたいのか、仕事にしたい一番得意なことは何か考え始めました。私の得意なことを親友に尋ねると「買い物の相談」「みんなから買い物の相談を受けて一緒にお店に行ったりコーディネートしたりしているよね」との答えが返ってきました。パーソナルスタイリストという文化が世間で始まっていることも親友が教えてくれ、一般の人向けのお買い物同行やコーディネートをするパーソナルスタイリストを目指そう、それに向けてまずアパレル店員になろうと決めました。それから目くるめく出会いがあったのです!
長く働けるところ、自分が心から良いと思ってお客様に勧められるお洋服を扱える場所を見つけたくお店の調査をしていたとき、あるお店でとても素敵な店員さんに出会いました。こういう人と働きたいと思える人でした。思わずスカートを買ってしまったのですが(笑)お店の出口まで送ってもらったとき、嫌われてもいいと思って店員さんに声をかけました。アパレルの転職活動をしていること、お店のグループ会社に応募したことなどを話すとその店員さんは店長さんを呼んできてくれ、営業時間内にも関わらず、お二人でグループ会社の体制や求人について教えてくれたのです。「がんばってください」という言葉も。その帰り道、一件の着信がありました。それは以前に応募したことがあったお店からの連絡で、以前とは違うお店の採用面接を急遽翌週に受けることになりました。お店の下見に行くとその同じフロアに、素敵な店員さんに出会ったブランドの別店舗があり、吸い込まれるように入ってしまいました。そちらの店長さんにも転職活動をしていることを伝えると、店長さん自身も転職でそのブランドの立ち上げに入ったと話してくれました。アパレル業界の転職を斡旋しているエージェントを教えてくれ、そちらで履歴書の書き方や面接のアドバイスも受けることもできました。そうして臨んだ面接で採用していただいたのが今働いているお店です。こちらも障害に配慮してくれ「困ったらいつでも言って」「気を付けた方がいいことがあったら教えてね」など声をかけてくれます。いま本当に幸せに働けています。


人生を、命を肯定しながら生きていきたい

-「目くるめく」の言葉のとおり、色々な人の繋がりで今のお仕事があるのですね!
10月は転機となることが多いかもしれません。昨年の10月はフリースクールのスタッフ養成講座が始まったときでした。大学生の頃に所属していた不登校を考えるゼミでそのフリースクールとは縁があったのですが、いま何をやっているのかなとふと思って調べたのが講座が始まるタイミングでした。
講座に参加して、自分の不登校体験を振り返ることになりました。とある勉強会で参加者がご両親との関係を話されるのを聞いたとき、‟私は両親のことを好きかもしれない“と気づきました、それまでは、家庭環境や親のことを‟恨んでいないとやってられない”、‟こんな家に生まれてきたくなかった“と思っていたのですが、その重い蓋が開いた感じでした。勉強会でお酒をいただいていたこともあり、勉強会から帰ってすぐ、「両親のことを好きかもしれないかも」とお父さんに伝えました。今は親子関係が以前より良くなりました。
私は幼少期と17歳のころに手術を受けていて、自殺未遂をしたこともありました。死に目に何回か遭っているのに身体は元気で、ありがたい半面、好きなことを満足にできず生きる意味が分からなくて辛いなと思っていました。学生時代は自己否定MAXでした。私には兄がいるのですが、私が小1のとき兄が不登校になりました。家庭内暴力を受け、あのようになってはいけないんだっていう思いがありました。親が辛そうにする様子も見ていたし、わがままを言わないように迷惑をかけないように、あの頃の家族を支えていたと思います。私は勉強や絵、作文など、親からすれば褒めやすいことが得意だったので愛されているようでしたが、愛されているのは私じゃないような気がしていました。親が認める私は幻想というか。人間性や結果に続くプロセスや努力を認めてほしいという思いを手放せずにいたのが、ここ1年で自分がそこから卒業できたように思います。
今までの人生がいいことばかりじゃなく、まわりに迷惑をかける人生だったけれど、今の自分になれたのは今までの自分があったからだと思います。未来のことは分からないし、過去も変えられない。自分の人生を肯定しながら、命を肯定しながら生きたいと思っています。いまを常にHappyで過ごすこと、自分の機嫌は自分でとること、自分のことも周りのこともいいところを探す・見ること、問題は早めに解決することを、自分の哲学、忘れたくないこととして考えています。


―最後に、これからやってみたいことや方向性などお聞かせいただけますか?
たぶんこれから変わると思うのですが、今は夢を叶えたい人向けの、夢を叶えるスタイリングをやってみたいです。絵も少し描けるので、オプションとして‟夢が叶ったときのあなたを描きます“というのも考えています。叶ったときの自分は画像検索しても出てこないですが、絵でなら見える形にすることができる。いろいろな人の夢の話をききたいですね。
オンライン交流会とかに参加していると「こうするとバズる!」「すぐマネタイズできるよ」など勧誘やコンサルをしてくる人に出会います。そういうときに受ける/断るを意思表示できるようになりたいです。
最短距離でパーソナルスタイリストになりたいわけじゃないんです。刺激を受けながら自分で確かめながら進んでいきたいし、気持ちや実力を整え、裏打ちあるサービスとして出発したいです。


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これまで人生のこと、ここ1年の大きな動きについて丁寧なことばで力強くガレットさんは語ってくださいました。
インタビューの最後、ガレットさんにとってファッションとは?と尋ねると、こんな言葉が返ってきました。

「誰もが毎日できる一番身近な自己表現であるし、自信と勇気をくれるもの、変身ツール、スイッチを切り替えるものでしょうか。納得したコーディネートのときって背筋伸ばして歩けると思うので。今日私は白い服を着ているのですが、白が似合うと言われていて、ありのままの自分で居られるようにと選びました」

白が似合い、白を手に取るガレットさんの姿勢は、内面にも通じているのだろうと想像します。
人にオープンであることはガレットさんの魅力の一つだと思います。‟どんなカラーも受け入れます“というような受け身の白というよりも、人に・社会に飛び込んでいく勇気、積極性、瞬発力の高さをあらわすような主体的でしなやかな白。
そのような素質と縁のハーモニーが人の道を開くということを、今回のお話を通してガレットさんが教えてくれました。本当に勇気づけられました。

ガレットさん、ありがとうございました♡


ガレットさんのnoteはこちら。絵もおいしそうです^^




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