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40歳、初めての転職、キャリアチェンジ。Vol.2

40歳という節目を挟んで、自分の人生が大きく変わりました。それは転職です。今や転職は特別なことではなくなってきていますが、この歳まで同じ会社で勤めて、初めて転職・キャリアチェンジをするということは、私にとっては人生の大きな区切りであり決断でした。

とはいえ、偶然でもあり必然でもあったこの人生のイベントを経て、その過程で考えたこと、感じたことを記憶が褪せる前に記録しておきたいと思います。

(Vol.1からの続き)

③転職前にやったこと(キャリア編)


40歳という節目を迎えて、この先仕事として何をやりたいのかを改めて自分自身に真剣に問うてみよう。そう思い、以下のことをやってみました。


・興味のある分野を勉強してみる
・コーチングを始める

1.興味のある分野の勉強


今後のキャリアを考える上で、今までの延長ではないキャリア・人生を歩みたいという気持ちが強くありました。でも、何をやりたいのかが分からず右往左往していましたが、何かの本で「勉強を通して疑似体験を積むことができる」と書いてあったことに納得し、いくつかの興味ある分野を勉強してみることにしました。

企業の経営戦略・管理、新規事業立案、人材マネジメント、キャリアコンサルタント、ESGなどの現職とは違う新しい分野から、ファイナンス、アカウンティング、不動産投資などの現職に関連する分野まで。会社のE-ラーニング、Udemy、グロービスの単科生講座、その他オンライン講座、関連書籍など。半年くらいの間、とにかく興味のある分野に手当たり次第に手を出してみました。

そうすると、「この分野は面白いけど、これ以上深堀りたい程ではない/仕事にする程ではない」とその分野への興味の有無が分かってきました。加えて、「経済的利益を生み出すためにどうするかと利益重視で考えることよりも、その事業や業務を通じて社会や組織をどれだけ良くすることができるかといった社会的意義も自分にとっては重要」と、自分自身の仕事への考え方も見えてくるようになりました。

2.コーチング


これまでも、自己理解を深めようと、多数の自己啓発本を読んだり、それに沿って自己分析をやってみたり、転職コンサルに相談してみたり、単発の有料キャリアコンサルティングを受けたりと、様々なやり方を試していました。しかし、自分一人で自分の内面を深く理解することに限界を感じ、継続的に自己理解を深められる機会の必要性を感じて、行き着いたのがコーチングでした。コーチのマッチングサービスを通じて自分に合いそうなコーチを探して、そこからコーチングのセッションが始まりました。

私のコーチングのテーマは「自分は人生や仕事で何をやりたいのかを知る」「自分にとって何が大事なのかを知る」。結果として、私はコーチングのおかげで自分のコアな価値観、思考や行動の傾向など、自分が「どういう人間なのか」「自分にとって何が大事なのか」を深く知ることができたと思います。

内省を通して、自分のこれまでの人生において、その時々でなぜそう考え、行動したのかを、人に話しながら振り返ったり、コーチからの質問・投げかけに対して答えたりしていると、「あ!この時の自分、素で楽しんでいたな」「今の話、言いながらも何か違和感を感じるな」等々、とにかく自分の色んな感情に気づいたり、思い出したりすることができました。また、セッションを重ねる中で、自分の口から同じようなキーワードが何回も出てきたりして、「あ!これは私にとって大事なことなんだ」と気づくことができました。

長い間、大組織の一員として生きてきて、無意識のうちにそこに合わせた自分がベースになってしまっていましたが、一枚一枚ベールが剝がされて素の自分が見えてくる感覚でした。

3.「興味のある分野の勉強」「コーチング」の先に見えたもの


「興味のある分野の勉強」「コーチング」を行いながら、その過程で感じたことをメモしていると、だんだんと自分が「やりたい仕事」に加えて、「望ましい状態」が見えてきました。やりたい仕事は「経済的利益・社会的意義の両立を可能とする社会作りに貢献できる仕事」、望ましい状態は「仕事のやりがいとプライベートの時間を両立できる状態」「知的刺激・人的刺激が得られる状態」「ニュートラルでいられる状態(×組織や上司に振り回される)」「人生を自由に選択できる状態(キャリア、働き方、住む場所、コミュニティ等)」。

セカンドキャリアでは、自分らしさを取り戻し、自分軸を大切にして、サステナブルな働き方をしたい、そう強く思いました。この自分軸を整理したことで、最終的に現職に留まらずに転職することに納得して決めることができたと思います。

④転職前にやったこと(マネープラン編)


転職をするに当たって、どうしても避けて通れないのが「お金」のこと。私は転職に際して、給料が下がることを許容しました。それよりも、やりたい仕事、望ましい状態を得ることを優先しました。

とはいえ、現実問題、今まで私の方が夫よりも収入が高いだけに、家計への影響も大きい。ではいくら以上の収入が必要なのか。それを知るために、マネープランを確認して、将来にわたって必要な収入金額を事前に計算しました。銀行員という職業病もあって、元々マネープランは綿密に立てていました(特に出産を機に、年金も含めた収入、教育費も含めた支出、貯蓄について、子供が成人するまでの年間収支計画を立てて、定期的にアップデートしています)。

給料の問題に加えて、もう一つ大きな金銭的なハードルがありました。それは勤続20年で得られる企業年金を受け取る権利が得られなくなることです。正直、銀行の企業年金は充実しています。これを知ってから、銀行を辞められなくなってしまったと言っても過言ではありません。ただ、今やめると企業年金は放棄することになります。本当にそれで良いのか、大丈夫なのか。それも必要な収入金額を見直す中で、考慮して考えました。

なぜ、給料を下げて、企業年金も諦められたのか。幾つか理由はあります。

・銀行リタイヤ後は給与が下がり且つ60歳位までしか働けないと思っていたが、転職後は給与を維持してもっと長く働ける仕事に就くことにした
・元々銀行リタイヤ後は早期リタイヤもアリかなと考えていたが、自分の性格や体力面を考えてもきっと働き続けるだろうと考え、早期リタイヤを諦めた
・元々昇給に合わせて生活水準をあまり上げずにいた
・多少の貯蓄はあった

たぶん、どの家庭にも当てはまる内容ではないと思います。ただ、40歳という現実を踏まえて、今後のことを考えて、改めてマネープランを見直したことで、給料や企業年金が無くても、一定の収入を得られれば無理のない生活はできるなと分かり、今の給料水準や企業年金は諦めることができました。

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