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エッセイ | 異質なものを同質なものと見るとは?

 最近ちょっと数学的な話題を多めに書いてみようかな、という気持ちになっている。
 noteの一般的な傾向として、詩・俳句・短編小説や写真を載せた記事が読まれやすいと思っていた。しかし、久し振りにダッシュボードを開いてみたら、数学を話題にした記事が、私の書いた記事の中で上位にあった。
 他の記事と比べると、コメントやスキの数こそ多くはないが、pvでは、上から20位内に数学の記事がけっこうランクインしている。
 たぶん興味をもっていても、説明が分かりにくいからスキは押しにくいのかな、と思っている。
 本質的なことはそのままに、なるべく分かりやすい記事を書くように心掛けたい。

異質なものを同質と見ること。

 自然数(正の整数)を考える。

自然数とは、
1,2,3,4,5,6,7,8,9・・・という数のことである。
ふつうに考えれば、1も2も3も4も5も6も、すべて「異質な」整数である。
しかし、たとえば、それぞれの整数の「3で割ったときの余り」に注目すると、みっつのグループに分類することができる。

①余りが0のグループ

3,6,9,12,15,18,・・・

②余りが1のグループ

4,7,10,13,16,19・・・

③余りが2のグループ

5,8,11,14,17,20・・・

余りが0なら[0]、1なら[1]、2なら[2]というように表すことにすれば、
1=[1]、2=[2]、3=[0]、
4=[1]、5=[2]、6=[0]、
7=[1]、8=[2]、9=[0]・・・と書ける。

これにしたがって、演算をするとこんな感じ。

5+8=[2]+[2]=2+2=4=[1]

5+8=13。13=3×4+1だから、
確かに13を3で割ったときの余りは1である。

もう少し、演算をしてみよう。

問題
3で割ったとき、余りが2になる任意の自然数 a が10個と、余りが1になる任意の自然数 b が13個ある。このすべてを足し合わせてできる整数を3で割ったときの余りを求めよ。


解答
10個の a と13個の b との和は
10 × a + 13 × b。

10a + 13b
= [ 1 ] × [ 2 ] + [ 1 ] × [ 1 ] 
= 2 + 1
= 3
= [ 0 ]

よって、3で割りきれる。
余りは、0 [終] 

補足あるいは蛇足

つまらない、と思われるかもしれないが、数字を大きくしてみると、いかに計算が楽になったか、実感できるはずだ。
たとえば、a = 302、b = 6001として、ふつうに計算すると

10 × 302 + 13 × 6001
= 3020 + 78013
= 81033 

81033 ÷ 3 = 27011
よって、3で割りきれるから、
余りは0になる。

まとめ

 対数(logarithm)も、桁の大きな数の掛け算を、単純な足し算に直して計算できるようにしたものである。
 実際の複雑な計算をせずに、楽に計算をできるようにと、公式を最初に覚えてしまうと、ただ小難しいものだな、と思ってしまう。
 一度は面倒な計算をしてみるのもよいかもしれない。
 微積分にしても、ニュートン以前は答えを求めるのに何年もかかったものが、今では、普通の高校生が5分程度で計算できるようになった。これって、すごいことだと思う。


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