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読書 | 國分功一郎 | 哲学の先生と人生の話をしよう

 以前にも國分功一郎先生の著作を取り上げたことがある(↓)。今回は別の著書を紹介する。

 哲学者・國分功一郎先生の「哲学の先生と人生の話をしよう」(朝日文庫)。
 あとがきによれば、2012~2013年にメールマガジンで連載された人生相談をまとめた文庫本である。
 一般の人々の相談に國分先生が答えるというQ&A方式で書かれていて、それぞれの相談に対して、おすすめの書籍が載せられている。

 専門知識がなくても、比較的容易に読み進めることができて、哲学者らしい答え方がとても勉強になる。なるほど!、と膝をうつような文章が所々に書かれている。


●岐路に立った人間が自由意志で選択するのが決断であるという考えは、西洋思想が作り出したステレオタイプに過ぎません。(中略)
人間は「こうしよう!」という形で決断するのではなく、「そうなってしまう・・・」という形で決断するのです。
(前掲書p14)

→「こうしよう!」ではなく、「そうなってしまう」というのが決断。たしかに😄。


●重要なのは、「恋愛」という言葉を構成している「恋」と「愛」の違いです。「恋する」とは「相手を求め、自分のものにしたがること」、「愛する」とは「相手を認めること」(中略)
「愛する」とはつまり、「相手が存在していることを、心から『いい』と受け止めること」(前掲書p30~p31)

→「恋」とは「自分→相手」、「愛」とは「相手→自分」。方向が真逆。なるほど😃💕。


●「モテる」とは「敷居が低い」ことを意味している---これが私の結論です。
(前掲書p40)
●多くの人の憧れの対象になるのと「モテる」のとは全然違います。憧れは「あの人のようになりたい」「あの人がいてくれてうれしい」という、憧れを抱いているその人本人の力になる気持ちです。(中略)それに対し、「モテる」のは、欠落を埋めて欲しいという人たちが殺到する状態です。(前掲書p41)
●「『心の穴』からは確かにさみしさや欠点が出てくる。しかし、あなたの魅力もそこから生まれている」(中略)
誰もが「心の穴」を持っている。(中略)
幸せな人というのは、その「心の穴」を無理に塞いだりしようとせず、折り合いをつけているのです。心からの充足感なんてウソなのです。(前掲書p42)

→「モテる」とは敷居が低いこと。確かに😄。いつでも、何でも話しやすい雰囲気のある人は、男女問わずモテますね。


まとめ

 本文だけでなく、参考文献もあわせて読むと、さまざまな知識が身に付きそうです。哲学への入り口になるかも。また今後、この本を取り上げるかもしれません。

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