確率エッセイ | 宝くじの思想 | モンティ・ホール問題
(1) 確率は苦手
確率は得意でしょうか?
私は苦手です。
数学自体はどちらかと言えばスキなのですが、確率・統計には苦手意識があります。
方程式を扱う「代数」や図形の高さや長さを求める「幾何学」は、図式化すると視覚的に理解できることが多いのですが、確率になると直感的に分かりにくい。
私は文系でしたが、理系の人にとっても、「確率だけはイヤだ」という人は多いようです。
(2) 宝くじの思想
私は宝くじを買ったことがありません。「濡れ手で粟」のような気がするし、どうせ買っても当たらないだろうな、と思ってみたり。当たったとしても、必ずその陰で泣いている人がいるわけで。
とりあえず、単純化して宝くじについて考えてみましょう。
(3) 宝くじについて、単純化して考えてみよう!
例えば、当選金額1億円、一口1000円の宝くじを、100万人の人が購入することにします。
この宝くじで集まるお金は
1000円 × 100万人 = 10億
集まった10億円のうち、1億円が当選金として支払われるので、宝くじ業者の手取りは9億円ですね。
つまり言い換えると、平均してひとり当たり1000円を支払って、900円のものを買うのと同じことです。
当たればよいのですが、当選する確率は、
1/1000000 ですから、0.0001% 。
この数字をばかばかしいと考えれば、宝くじを購入しないでしょうし、100円の損失で「1億円の夢を見る」ことができるならそれでよい、と考えるか?
人によって考え方が異なるでしょうね。
(4) モンティ・ホール問題とは?
モンティ・ホールという人物が司会を務めたアメリカのテレビ番組「Let's make a deal」(「取り引きしよう!」)。
この番組で行われたゲームが、一般大衆だけでなく、数学者をも巻き込んで論争になったことがある。そのゲームとは
次のようなものである。
A, B, Cという3つあるドアの後ろ側に、賞品がひとつだけ用意されている。
挑戦者はどこに賞品が隠されているのか知らない。
挑戦者は、このA~Cの中から、ひとつだけドアを選択する。
挑戦者がひとつドアを選んだあと、どこに賞品があるのか知っている司会者モンティ・ホールは、「ハズレ」のドアをひとつだけ開ける。
そして、「あなたの選んだドアを変更しますか?それとも変更しませんか?」と尋ねる。
このとき、挑戦者は「選んだドアを変更したほうがよいか?」それとも「変更しないほうがよいか?」
あなただったら、最初に選んだドアを変更しますか?それともそのままにしておきますか?
数学者の間でも、論争になったくらいの問題なのだが、結論を先に言うと「変更したほうがいい」。
数 Ⅰ レベルの確率の問題なのだが、直感的に理解できるように考えてみよう。
仮にA B, C の中で、あなたがB を選択したとすると、どれが当たりかわからないので、当たりの確率は「3分の1」。
ここで、モンティ・ホールは、あなたが選んだB以外のハズレのドア、例えばCを開ける。そして尋ねる。
「変更しますか?変更しませんか?」
このとき、当たりはAかBかのどちらかに絞られている。
今現在のAが当たりである確率は、「二分の1」である。もちろんBもこの段階では「2分の1」だが、Cが開けられる前にドアを選んだあなたにとっては、「3分の1」のままである。だから、変更してAにしたほうが、賞品が当たる確率が高まることになる。
納得できますか?
⚠️正しい解答については、受験参考書の数研出版チャート式に載っているので、そちらを参照してください。
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記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします