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小説 | 天才少女ルナの物語③


前話はこちら(↓)


「じゃあ、お母さん、聞いててね」
ルナは本当に楽しそうに、解読を始めた。


女神モーヴが
目覚めし時
川の水は
下流から上流へ
流れ始めた。

普段は荒れ狂う海が
嘘のように穏やかになった。

僕とお姉ちゃんは
海へ泳ぎに行きました。

「あら、君たち楽しそうね」
女神モーヴは僕たちに微笑んだ。

「楽しいです、女神様。とっても」

「そう、よかったわね」
そう言うと
女神ビブリオン・モーヴは
空高く舞い上がっていった。


「この先は、ルナには読めない。ちょっと難しい文字が使われているみたい」
ルナは寂しげに言った。

「ルナ、ありがとうね」
私はルナの話を半信半疑で聞いていた。

 「しかし」と思う。仮にルナの話が本当ならば、いまルナが読み上げた断片を元にして、解読が進むのではないかと。

 私は出土品の文字を写真に撮った。
 そして、ルナの話した現代語訳を書き込んでいった。

 すると、文字列のパターンの繰り返しから、どれが主語でどれが動詞なのかという、古代語の文法規則が朧気に見えてきた。

 ルナが解読できなかった続きの部分も、ルナの解読をもとに考えれば、言語学者ならば、解読できるのではないだろうか?
 ソフィアは期待に胸を膨らませた。



…つづく

第4話はこちら(↓)



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