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エッセイ | 古典に学ぶアイデアの生み出し方(noteの記事を書きつづけるために)


 毎日投稿をつづけていると、アイデアが浮かびやすい日と、アイデアが浮かびにくい日というものがあることがわかる。
 この記事では、そもそもアイデアって何だろう?ということから説き起こして、具体的なアイデアの出し方を考察する。


(1) シュンペーター「経済発展の理論」


この記事(↑)では、主要な論点をわかりやすく述べているが、「要点1」には次のように書かれている。

要点1
これまでの経済理論は、消費と生産の関係性が一定の循環経済を前提としていたが、それは現実にはそぐわない。「新結合」によって変化する動的な経済こそが資本主義の本質だ。

「新結合」とは何だろう?

現在では「異分野融合」と呼ばれることが多いが、イノベーションとは「モノ」や「考え方」の「新しい組み合わせ」のことである。その新しい組み合わせのことを「新結合」という。

noteにおける創作というものは、まったく新しいモノを生み出すというより、既存のモノの組み合わせ方の新しさを求めることかもしれない。

簡単に言えば、今までに発表した作品を組み合わせることや、下書きに残した複数の記事を一本にまとめることも新結合であり、創作である。

未だかつて存在しなかったことを作り出すことだけが、創作というわけではない。
発想が生まれにくいとき、複数の過去作を一本に統一することを考えてもよい。


(2)川喜田二郎「発想法」( KJ法 )


川喜田二郎「発想法」(中公新書)



KJ法とは、川喜田二郎(著)「発想法」(中公新書)で提唱された、発想法。川喜田二郎の頭文字をとって「KJ法」と呼ばれる。ブレーン・ストーミング(brain storming) [略して「ブレスト」]とほぼ同義。KJ法のルールは4つ。

①自由に発言すること。
②批判しないこと。
③組み合わせ。
④質より量。

基本的には何人か集まっておこなう方法だが、1人でもある程度できる。

「KJ法1人バージョン」はこんな感じ。

①自分には無理と考えないで、思い付いたことをどんどん「カード」に書きとめること。
②自己批判しないこと。
③ある程度の数のカードがたまったら、いくつかのグループに分けてみる。
④「いい」とか「悪い」とか考えずに、様々な考えや分類をしてみること。

最初から「質」を求めようとすると、なかなか発想が生まれない。とりあえず、できるだけ多くアイデアを出してみる。

質より量を重視する発想法なので、当然、当たりハズレはある。
しかし、一度も試したことがないのに、やる前から断念していることはないだろうか?
やるだけやってみて、また考え直すという、試行錯誤(trials and errors)の中で、何かつかめるかもしれない。


(3) ユクスキュル「生物から見た世界」


 ユクスキュルの環世界という概念については、この前記事(↓)にした。

 簡単にいうと環世界とは、次のような概念である。
 人間は、視覚・聴覚などの五感を通じて身のまわりの世界を認識する。相手の顔色、声、匂いなどを総合して世界を見ている。
 しかし、「マダニ」(ダニの一種)には、視覚も聴覚もない。マダニが認知できるのは、動物の発する「熱」や「酪酸」だけである。
 このように、人間とマダニとでは、同じ場所にいても見える世界が違う。そうような世界の認識の違いをユクスキュルは、それぞれの「環世界」と呼んだ。

 同じ人間という生き物であっても、個々人の「環世界」は違う。簡単に言えば、「私の環世界」で書いた記事を「彼の環世界」に置き換えてみると、新しい記事が書けたり、新しい感想が書けるはずだ。

 たとえば、夏目漱石の「坊っちゃん」。漱石の小説だから、国語の先生か英語の先生が主人公と思いがちだが、坊っちゃんは「数学の先生」である。
 坊っちゃんは痛快な小説だが、漱石の本当の視点はどこにあったのか、と考えてみると、漱石の人物の描き方が今までと違って見えて、抱く感想も大きく異なることになるだろう。


まとめ

noteに投稿する記事の話題や書き方の参考になりそうな「古典」的な名著を挙げてみた。
記事を書く上で、何らかの参考になればうれしい。


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