見出し画像

バイクで美術館巡り:松山庭園美術館

〒289-2152 千葉県匝瑳市松山 630
http://matuyamaartmuseum.web.fc2.com (金土日祝開館)

駐車場

バイク、自転車:専用の場所はないが問題なく駐輪できる
クルマ:無料の駐車場がある
入場料:800 円 (美術館ウェブサイトの割引券を印刷して持参すると 100円引き)

美術館は、房総半島の太平洋に面した外房地域に広がる平野の縁にあり、バイクや自転車は年間を通じて強風に用心したほうがよい。美術館に至る道は、山間部の水田の間を縫う、自動車ではすれ違いのできない幅の道だが、離合用の場所もあり、また交通量は非常に少ないので、あまり心配はいらない。ただ手元が狂って田んぼに落ちると、やや落差もあるので、それなりに厳しい惨事になりそうではある。美術館までは「松山ゴルフ」を目指すのが参考になる。経路の下調べをせずに行くと、不安になるところもあるかもしれない。

美術館

入口

現役の芸術家、此木三紅大 (このぎみくお, b. 1937) の作品と彼の収集物を中心に、日本庭園と展示館とで屋内外に展示しており、庭園をテーマに据えた美術館というわけではない。園内に入る前から美しい日本庭園になっている。庭園には此木氏による儒教的な石像が多く配置されているが、それらがごく自然に庭に溶け込んでいて、思い返すと不思議な雰囲気として感覚がよみがえってくる。魚や亀などの水のモチーフも庭の雰囲気を作っていて、庭の中に流れや動きを表現しているような感じがする。

石像群

そして日本庭園の出口の門を抜けると、築山のような広い庭に出る。そこには松に並んで鉄で作られた彫刻作品 (ガンダ彫刻と呼ぶらしい) がいくつか置かれている。形状はかなり異質ではあるのだが、どういうわけかやはり庭にうまく溶け込んでいて、彫刻作品の自己主張が目障りになる事がない。なにやら楽しげに庭で遊んでいるような印象の彫刻である。一方で、園外で林の入口みたいなところに立っている四体のガンダ彫刻 (このページのトップの写真) などは、それなりに異彩を放っていて、やはり不思議な感じがする。

広い庭

庭には洋風と和風の二つの展示館が面している。洋風の方は企画展などが行なわれる別館、和風が本館である。企画展によっては本館も別館もその企画一色になるそうだが、本館にあるケーキと紅茶を出すサロンルームにはそんなときでも、此木氏のコレクションが飾られている。伝ドラクロワという絵もあって、ちょっと驚く。本館の奥には大きな洋風の建物が接続しており、大きな作品が展示されているが、アトリエがあるようだ。

猫と猫

毎年、猫ねこ展覧会と称する企画展が開催されている。2020年は200人以上の作家による作品が展示され、かなり精力的である。そして園内には猫が数匹、庭でも展示館内でも自由にきままに歩いている。築山の彫刻に通じるものがあるようにも思える。

立つ猫と庭の猫

食事

美術館内では食事は提供されないが、南に行って国道 126 号線に出れば、東西のどっちに走っても寿司、そば、ラーメン、うなぎなど、食べるものには事欠かない。コンビニもすぐ見つかる。ただ美術館から徒歩の範囲には食堂はなさそうなので、美術館の方に聞いてみたところ、八日市場駅近くの「吾妻庵」というそば屋を勧めてくださった。駐車場が小さくて厳しいが、優しい味のつゆで、しっかりした手打ちの蕎麦が食べられる。飽きの来にくいおいしい蕎麦だと思う。また、美術館から南に 1 km くらいのところに「はるかふぇ」という行列のできる通年営業のかき氷やさんがあるそうだ。

周囲

美術館から南に 5 km くらい走ると、波の荒ぶる太平洋を望める。

美術館から最寄の八日市場駅まで 2 km くらいだが、駅の手前には天神山公園という広い公園がある。そこは八日市場城趾とのことだが、見たところ、昔年の面影はどこにもない。

匝瑳は九十九里浜の北部に近く、東に 20 km くらいで銚子、犬吠埼である。また西の方に行けばやはり 20 km くらいで書道美術館のある成田である。そのちょっと先が市立美術館や塚本美術館のある佐倉中心部で、佐倉市の南部にはDIC川村美術館がある。

書道美術館@成田 https://note.com/piccolist/n/ne6904ffe343a
佐倉市立美術館@佐倉 https://note.com/piccolist/n/nd83c4d6d26de

この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

ありがとうございます!細く長く取材と執筆を継続していこうと思います。