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みんなと違う耳でもいいんです。~聾者の音大挑戦から就活まで~

最終話 悔し涙。その支えは音楽と、友達。


こんにちは。Deaf.エリーゼです。



第2話の続き、ピアノ、声楽のレッスン、実技試験のこと。そして友達のことを話したいと思います。

一回タイムスリップから現在に戻って・・・


レイ:
こんなに大変だと思わなかったです・・・。
経験した話を聞けてよかったと思います。

サクラ:
自分で行動するしかないですね・・・。
私も夢を叶えるために努力しかないですね!

エリーゼ:
そうだね。辛かったけど・・・もう今、思い出しても大変で辛かった。
2人ともこれから辛いこと、大変なことがきっとあると思う。
頑張って乗り越えてね。
他には聞きたいことある?

サクラ:
あります!友達について!すごく気になります!
大学に入って、友達はできたのですか?

エリーゼ:
おっ!気になる友達のことだね。
できたよ。もともと友達いらない派だったんだけど、こんなにステキな出会いがあるなんて思わなかったよ。

レイ:
どうやって仲良くなったのが気になります。友達は何人くらいですか?

エリーゼ:
人数って、気にしてないなー。別に少なくていい。
ただ、障害をもつ私を理解してくれる人がいい。それが一番大事よ。

サクラ:
やっぱりそうですね。状況をきちんと理解してもらうことが大事ですね。
友達と先生とのコミュニケーションは口話ですか?聞きづらかったときもありましたか?うれしかったことは?

エリーゼ:
もちろん口話だよ。聞きづらかった・・・あったね。声の質だね。
はじめはえっ?と困惑したよ。何回も聞いて声に慣れていって、
だいだい理解したよ。
うれしかったことは、友達から「ありがとうの手話って、どうややるの?」と聞かれて、その時に教えたこと。本当にうれしかったね。

サクラ:
声の質、すごいわかります。手話なんだ。これは知ってほしいですね。

レイ:
あの、話は変わるのですが、一般の大学と違って、どんなことを受けたのですか?

エリーゼ:
一般の大学と芸術系大学は全然違うんだ。本当に面白くていい勉強になった。
これってマンガで読んでいた音楽の世界だな、でも現実にあるんだな、と思ったよ。
サクラは美術の世界。レイは教育の世界。それぞれの世界が違うから、面白いし、新しい発見につながるよ。

サクラ:
卒業のとき、卒業証書を受け取ったときは、どんな気持ちですか?

エリーゼ:
いい質問だね。受け取ったとき、音大に入ってよかった!音楽をやってよかった!・・・じみじみな気持ちだったよ。
ここからは話が長くなるから、一緒にタイムスリップLet's GOしようか!


私は、大学で音楽を学びました。
耳が聞こえないのに、音楽をやるの?と疑問を持たれる方も多いと思います。
以前、この話をしようと思いましたが、
自慢か?バカじゃないの?など
冷たい・批判的なことを言われるかも、と怖くなり、誰にも何にも詳しく話せていないです。

私は夢だった大学に入ったと、誰かに自慢したいとは一切思いません。
音楽で楽しかった所もありますが、もちろん辛かった所も数多くあります。
他の学生から冷たい視線を受けたこともあります。
そんな時、大学で出会った友達がいたからこそ、最後まで頑張れました。
もし友達との出会いがなかったら、一生孤独になったかもしれません。

それでは、大学で学んだ音楽と、出会った友達の話をしたいと思います。
お世話になった先生のこと。たーっぷりな音楽の話も。


卒業したろう学校名、大学名を公開しています。
ただ、絶対に口外しないでください。


冷たい視線の先にあった、新たな出会い。

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