【同じじゃない!】動名詞と現在分詞の区別
活躍の場が多い動名詞と現在分詞
僕は日本生まれ日本育ちでアメリカの大学院に進学しました。それまでに留学の経験は一切ないです。
そんな僕の英語力を支えているのは文法力です。文法を敵視している人は多いですが、非ネイティブが英語圏で勝負しようと思えば、文法は避けては通れません。
そして何より、文法は英語力の根本的向上にとても役立ちます。
今日は形は同じ〜ingでも働きの違う動名詞と現在分詞を勉強しましょう。両者とも日常会話でもアカデミックライティングでも多用されますので、しっかり理解して自分で使いましょう!
ただの文法勉強が退屈だという人もいると思うので、一緒に英作文もやりましょう。インプットとアウトプットは順番にするのではなく同時にするのが手っ取り早いですから。
動名詞と現在分詞は何が違うのか
まずは両者の違いを押さえておきましょう。
先にも述べたとおり形は同じ〜ingですね。
では働きはというと動名詞は名詞、現在分詞は形容詞の働きをします。
文法用語なんて聞きたくないという方、ちょっとだけ待ってください。文法用語は実はそんなに難しくなく、文法理解に役立ちます。これから例をあげて、名詞と形容詞の説明もしますのでご安心を。
まず、名詞はその名の通り、物の名前ですね。
ネコや車などに加え、日本・健斗などのいわゆる固有名詞もありますね。
また、国語の授業でやったのを覚えている方もいるかもしれませんが、「〇〇○こと」と「こと」で終わる言葉は名詞扱いですね。「英語を勉強すること」、「留学の準備をすること」などは名詞のかたまりとして扱います。そして、これこそが英語での動名詞です。
ここで、動名詞の説明をしたいところですが、まずは名詞に続き形容詞の説明をします。
形容詞とはズバリ、名詞の説明をするものです。例えば「キレイな花」の「キレイな」の部分は形容詞ですね。
上記の2つは今回のトピックに関わらずマストの知識ですので押さえておいてください。
さて、ここから英語に移ります。
動名詞
動名詞はその名の通り、もともと動詞のものを名詞として使ってくださいね、というものです。
なぜ、こんなことが必要になるのでしょうか。
それは英語の根本ルールである1文に動詞は1つ!というもののため。
例を挙げましょう。
I play tennis. ← ここではplayという動詞が1つ入っていますね。
I go to school play tennis. という文はおかしいですね。andが抜けています。なぜandが必要なのか? それは動詞を2つ入れるためです。
仕組みはこう↓
I go to school and I play tennis. (2つの文に1つずづ動詞が入っている。)
I go to school and play tennis. (主語Iが繰り返しなので省略OK)
これで正しい文になり、1つの文ですが、実はというと2つの動詞の入った2つの文だったという状態になりました。
このように動詞は1つで、0でも2つ以上でもダメというのが英語のルールです。
ではこの文はどうでしょう。
I enjoy play tennis.
enjoy, playはどちらも動詞ですので、ルール違反。
じゃあ先ほどのようにandでつなぎましょうか?
I enjoy and play tennis.
実はこの文はおかしいです。なぜならenjoyの目的語がないからです。
また文法用語ですね。ご安心を。目的語は動作の対象になるものです。
I like cats. のcatsはlike=好きという動作の対象ですね。
さて、enjoyは目的語が必要な動詞です。何を楽しむのかを伝えてあげなければなりません。
そこでです! 動名詞が登場します。
何を楽しむのか。「テニスをすること」ですよね。
そして、先ほど言いましたよね、「〇〇○こと」は名詞ですね(英語では動名詞ですね)。
I enjoy tennis. [名詞(主語) +動詞+名詞]と同じ形で動名詞を使ってみましょう。
I enjoy までは同じです。後ろに名詞(動名詞)をくっつけましょう。
動詞を文に2つ入れるのはルール違反なのでplayはplayingに変えます。
あとは後ろをくっつけるだけ。
つまり、I enjoy playing tennis. これで文法的に正しい文になりましたね。
では、いくつか練習英作文に取り組みましょう。
第一問
私は本を読むことが好きです。
答え↓
I like reading a book./ I like reading books.
likeとreadは動詞なので2つ入れられません。ですので、好きの対象である読むを動名詞に変えます。あとはいつも通り、likeの対象である目的語・本を入れるだけです。
第二問
英語を話すことは楽しいです。
答え↓… としたいところですが、これはまだ教えていません。
英語を話すことはなんと表現しますか?
Speaking Englishですね。「〇〇○こと」は名詞であり英語では〜ingにするんですね。そして、主語は必ず名詞ですよ!
第二問のSpeaking Englishは主語の役割をしています。英語の主語は文頭にきます。なのでそのまま文頭に置きます。
そのあとは?
英語は主語の後ろは原則動詞がきます。
動名詞で始まる名詞のうしろにはis/wasが来ます。isは現在形、wasは過去形ですね。現在の話なら前者、過去の話なら後者を選ぶだけです。
なぜ動名詞の後ろの動詞がis/wasなのかの説明をしますが、これは今回の話に直接関係ないので飛ばしてもらってもOKです。
なぜ、動名詞の後ろにis/wasが来るのか
is/wasはいわゆるbe動詞ですね。またまた文法用語。ご安心を。
なぜbe動詞がわかりにくいか? それは単純に日本語にないからです。
英語は1文に1つ動詞が必要ですが、日本語はそうではありません。
「私の名前は田中太郎です。」に動詞はありませんね。
My name is Taro Tanaka.にはisが入っています。
日本語には英語で言う一般動詞、つまり動作を表す動詞しかありません(例、遊ぶ、読む、食べるなど)。
ですので、be動詞を毛嫌いしたくなる気持ちもわかりますが、be動詞など単純で朝飯前とはこのこと。
be動詞には6パターンしかありません。いえ、4パターンと言ってもいいです。
英語の動詞は①主語と②時制で決まります。
主語は単数/複数、人称で区別をします。だんだん意味がわからなくなってきましたね。ご安心を。例を挙げます。
まず、単数とはそのまま1人・1つのこと。
人称は順番に1私、2あなた、3それ以外になります。
1人称単数は私Iですね。2人称単数はあなたyouです。3人称単数はこれら2つ以外の単数全てです。she, he, it, that, this, Japan, Ken, Kanako, France, English, speaking Englishなどは3人称単数です。
そう、動名詞は単数扱いで、私でもなくあなたでもないので3人称。まとめると3人称単数になるのです。
ではその後ろにつく動詞は?
I am, You are, It is, Kanako is, English is, Speaking English is ですね。
過去の話ならSpeaking English wasにするだけ。簡単!
ちなみに複数形は1私たち、2あなたたち、3それ以外の複数形。
嬉しいことに複数形につくbe動詞は全てare/wereと決まっています。なので、悩むことなく複数形なら時制に合わせ上の動詞をくっつけるだけ!
またまた、ちなみに、英語には「あなた」と「あなたたち」の区別がなく両方youなのでその後ろにつく動詞も両方are/wereです。
ここまでが動名詞+is/wasの説明です。
動名詞の英作文練習再開
では第二問の続き。「英語を話すことは楽しいです。」もうできますよね。
答え↓
Speaking English is fun.
第三問
早起きするのは大変です。
早く起きる→get up early 大変→hard
答え↓
Getting up early is hard.
簡単ですよね。気をつけて欲しいのはgettingのスペルです。getのeは短母音なので後ろのtは2つになります。この説明は割愛します。気になる方は「英語 短母音 ing」でググってください。
現在分詞の説明をした後に、動名詞と混ぜて英作文問題を出しますので、一旦動名詞英作文はここで終わります。
現在分詞
分詞は先に説明した通りに形容詞の役割を果たします。動名詞は名詞の役割なので違いにご注意を!
分詞には2つあります。現在分詞と過去分詞です。それぞれの形は〜ingと〜ed(過去分詞形)です。
この2つの形を見たことがありますよね。そうです、進行形と受け身に出てくるやつです。これがわかった時点で、分詞など8割終わったも同然。
あとは自分で頑張ってくださいね!…
とは言いませんのでご安心を。
つまり、現在分詞は「している」と訳し、過去分詞は「される」と訳す、それだけです。している、されるのは何でしょう?名詞ですよね。「走っている女の子」、「干されている布団」など名詞の説明、つまり形容詞です。
ここからは現在分詞に絞ります。「している」の説明です。
分詞は名詞の説明なので名詞の直前か直後につけます。ではいつが前でいつが後ろ?
ルールとしては「分詞単体で使うなら前、他の語と組み合わせるなら後ろ」です。
例を挙げます。
走っている女の子はa running girlです。女の子を説明するrunningが単体で使われているので前です。
向こうで走っている女の子の場合はa girl running over thereになります。over thereという「向こうで」というおまけがつくと後ろにきます。
a running over there girlでは分かりにくいから先にgirlといって説明を後ろにくっつけとけ!ということですね。日本人の感覚からすると「それもわかりにくいよ」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、慣れてくるとこのほうがわかりやすいです。
では練習英作文を。
向こうで泳いでるあの男の子を見て。
「見て」は命令形になっているので動詞lookを原形で大文字から始めましょう。命令形がわからない人はググってみましょう。ただ動詞の原形から始めるだけです。本当は前にYouという主語があるんですけどね。命令は目の前のあなたにしかできませんから。わかるものはわざわざ言わなくていいやっていう発想ですね。
ちなみに「を見る」はlook atで、「泳ぐ」はswimです。
答え↓
Look at that boy swimming over there. (swimにも短母音が出てくるのでスペルに注意!)
第二問
ピアノを弾いているあの男性を見てください。
Look at that man playing the piano.
manの説明に〜ingをつけるだけです。難しく考えない!playには目的語が必要なので後ろにくっつけるだけ。
第三問
私たちの先生は寝ている男の子を叱りました。
私たちの先生→our teacher 寝る→sleep 男の子→a boy 叱る→scold
答え↓
Our teacher scolded a sleeping boy.
sleeping単体なので前ですよ。
総合問題
それでは、動名詞と現在分詞を混ぜて出題します。今までのことを思い出しながらチャレンジしましょう!
第一問
私は今朝、ねこを抱えている男の子を見ました。
今朝→this morning ねこ→a cat 抱える→hold 男の子→a boy 見る→see
答え↓
I saw a boy holding a cat this morning./ This morning, I saw a boy holding a cat.
ここでは男の子の説明をしているので現在分詞ですね。ちなみにseeの過去形はseedではなくsawですよ。
第二問
私はあの寝ているネコを可愛いと思います。
寝る→sleep ネコ→cat かわいい→cute 私は〇〇だと思う→I think 〇〇
答え↓
I think that sleeping cat is cute.
こちらも現在分詞ですね。ねこの説明です。
第三問
私はバスケをするのが好きです。
答え↓ (ヒントなしでチャレンジ!)
I like playing basketball.
これは動名詞ですね。likeには目的語になる名詞が必要です。
第四問
泣いている私の弟を世話するのは大変でした。
これはちょっと難しいですね。
泣く→cry 私の弟→my brother 世話をする→take care of 大変→hard
答え↓
Taking care of my crying brother was hard.
主語は世話をするなので動名詞ですね。その後ろになんの世話をするかが続くわけですが、なんとここで現在分詞の登場です!なんと2つの合わせ技!takingからbrotherまでが主語のかたまりです… 後ろには過去の3人称単数be動詞ですね。
では合わせ技をもう一つ。
第五問
勉強している生徒を邪魔するのをやめなさい。
勉強する→study 生徒→students 邪魔する→bother(brotherではないですよ、スペルに注意) やめる→stop(ここでは命令していますね)
答え↓
Stop bothering studying students.
なんか変な形ですね。慣れるまではこんな感じによく遭遇しますが我慢です。
第六問
私は料理をするのが好きですが、私の姉は好きではありません。
料理をする→cook 私の姉→my sister 〇〇ではない→do not/does not(3人称単数に使うのは後者、お姉さんは私でもあなたでもない単数なので3人称単数)
答え↓
I like cooking but my sister does not./ I like cooking but my sister does not like it./ I like cooking but my sister does not like cooking.
前の2つは自然ですが、最後はちょっとくどいですね。英語は繰り返しは避けるか、代名詞に変えるので。ただ、文法的には全部OKです。
第七問
私はスマートフォンを使うのをやめたくないです。
自分のスマートフォン→my smartphone 使う→use やめる→stop したい→want to 動詞の原形 〇〇ない→do not
答え↓
I do not want to stop using my smartphone.
want to なんていうのが出てきましたね。不定詞というものです。ここでの説明は割愛しますが、want to 動詞の原型で〇〇したいという意味です。ちなみにここでのto 動詞は名詞として扱われるので動詞の1つとしてはカウントしません。またどこかで詳しく説明します。
usingは動名詞ですね。何をやめるかという目的語である名詞になっています。
第八問
輝いている月がきれいです。
輝く→shine つき→the moon きれい→beautiful
答え↓
The shining moon is beautiful.
これは現在分詞ですね。shineはeで終わっているので〜ingにするときはeは消去します。
第九問
おばあさんは川に流れている桃を見つけました。
おばあさん→an old woman 川に→in the river 流れる→flow 桃→a peach 見つける→find
答え↓
An old woman found a peach flowing in the river.
findの過去形はfoundです。ここに使われているのは現在分詞ですね。
第十問
公園でサッカーをしているあれらの男の子たちは私のクラスメートです。
公園で→in the park あれらの→those クラスメート→classmates
答え↓
Those boys playing soccer in the park are my classmates.
なんて長い主語!parkまでが主語のかたまりです… playingは男の子の説明なので現在分詞ですね。
最終問題
私は時間に間に合うように駅につくのをあきらめました。
時間に間に合う→in time 駅→the station 着く→get to あきらめる→give up
答え↓
I gave up getting to the station in time.
ここでは何をあきらめるか、なので動名詞ですね。giveの過去形はgave。getには短母音が含まれるのでスペルに注意!
いかがでしたか?
慣れるまでは大変かもしれませんが、一度慣れたら無意識でできます。上記総合問題十問を1分以内でできるようにもなります。
無意識にできるようになるまで何度も繰り返し、自分でも新しい文を作ってみましょう!
英語はレベルを上げるのに時間はかかりますが、努力は少しずつでも実るものですよ。
読んでくださってありがとうございました。😀
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