酒井貴弘-2

写真の力、繋ぐ縁。 酒井貴弘

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こんにちは!Fiveon株式会社の大森です。

弊社は、delivery photographer app『PHOTTE(フォッテ)』というサービスを運営しています。

noteで様々なフォトグラファーやインフルエンサーの考えに迫る『PHOTTE interview』を発信しています。

第二弾となる今回は!!

被写体の透明感を写し出すポートレート作品で絶大な支持を誇る人気のフォトグラファー酒井貴弘さんにPHOTTEがインタビュー。
PHOTTEを交え、『人』をテーマに写真に対する意識の変化や想いを紐解きます。

酒井貴弘さん
東京でフォトグラファーとして活動しながら、企業広告やポートレートを中心とした作品制作をしている。
被写体の持っている一面を引き出す撮影スタイルで、素敵や綺麗という言葉では形容できない透明感のある写真を創る。
酒井さんの写真の要素として、フォトスタジオ勤務での経験やフォトグラファーとしては稀有なグラフィックデザイナーの経歴が反映されている。

フォトグラファーの喜び

大森
この度はインタビューを引き受けて頂きありがとうございます。

現在フリーのフォトグラファーとしてご活躍されていて、ポートレート作品だけでなく、企業広告の撮影もされていますよね。
何気なく街中を歩いていて目に入る広告が酒井さんの写真だったなんてこともあります!

好きだからこそフォトグラファーとして活動されていると思うのですが、

ーーグラフィックデザイナーからフォトグラファーとして活動するにあたっての気持ちの変化やきっかけはどこにあったのでしょうか?

酒井さん
グラフィックデザイナーからカメラ業界へ転職する気持ちの変化として、このまま頑張れればいいけど、結婚して子供ができたらこの生活は嫌だなと思い始めた頃がありました。
グラフィックの業界って、大変で終電帰りとかよくあるので。(笑)

その時に、友人から写真が好きならスタジオ写真館の募集を受けてみたらと勧められました。
カメラは元々、今から5年前くらいに始めていたので。

写真は好きだし休日もやりたいと思えました
そのくらい好きなら写真を仕事にしてもいいかなと思ってスタジオの仕事を始めました。

そこまでやりたいと思えるものってあんまりないなと思うし、写真は趣味にも仕事にもなりやすいものだと思うので。

あと、もしあと1年で死ぬとしたら、グラフィックデザインはやらないなあって。
でも多分に出るなと思いました。
旅行に行っても写真は撮るし、どこかしらで写真は撮り続けるだろうなって思ったからですかね。

大森
酒井さんは自分の人生にタイムリミットを設けて考えた時に、写真は撮り続けるという判断をされた。
自分の好きなものを当てはめて考えると、判断のきっかけになる気がします。
昨年より写真館の勤務からフリーランスになられて、現在幅広く活動されていると思います。
好きなものを仕事としている中で、

ーー改めて、どんな瞬間に写真が好きだったりフォトグラファーとして喜びを感じますか?

酒井さん
僕は記録として思い出をあまり撮るタイプではなくて、表現としての写真がほとんどです。

作ったものや撮ったものが自分の満足できるものだったり、いいなと思うものになって、人の心を動かす瞬間が面白いなって思います。

今でこそSNSで人に見てもらえる時代になりましたけど、10万人(酒井さんのインスタフォロワー数)に見てもらうことなんて普通に生きていてないじゃないですか。 

写真がなければ自分を知ってもらうことも、こんなにも大切な人との出会いや繋がりもなかったです。

今まで想像もしなかったことが写真のおかげでやり遂げるできたと思います。

いろんなお仕事の機会、それこそ渋谷のポスターも、写真が僕を色んなステージに連れて行ってくれたんです。

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大森
SNSの普及に伴って、世界中の人に自分の写真を見てもらえる機会や媒体があります。
これから活躍していくカメラマンや趣味で写真を楽しんでる人にも酒井さんと同じように感じる瞬間ありそうですね。
そんな喜びを実感する機会が増えれば、カメラマンにとっても、被写体にとっても、もっと幸せな気がします。

3月にリリースされたアプリ『PHOTTE(フォッテ)』は、カメラマンのウーバー化を掲げ、スポット撮影(現在地付近のカメラマンをその場に呼び、撮影できる)サービスを提供しています。

ーー率直にこのdelivery photographer app『PHOTTE』というサービスに関してどういう印象をお持ちになりましたか?

酒井さん
ウーバーのようにカメラマンをすぐ呼べるっていいですよね。

撮られる側のメリットとしては、日本人の七五三とかは正式に依頼して撮る文化ありますけど、それだけでなくちょっと出かけた時とかにもカメラマンを呼ぶ文化として普及したら面白いですよね。

撮る側のメリットとしてはプロではないフォトグラファーが人と繋がりながら誰かのために撮る機会を簡単に作れることですかね。

難しいところとしては価格設定ですかね。
写真を撮る気軽さフォトグラファーの価値を両立できたらいいなと思います。

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記録としての写真の価値

大森
『PHOTTE』は記録としての写真が主で、多くの人に写真を届けられる機会を創出できるサービスです。
一方、酒井さん自身、今まで作品としての写真の撮影が多かったと思いますが、その中で昨年にお子さんが生まれて、記録としての写真を撮る機会が増えたと思います。

ーー記録としての写真にはどんな価値があるでしょうか?

酒井さん
映像と違って、写真だからこそ、動かない、音もない、モノクロなら色もない、限られた情報だからこそ脳が勝手に想像する部分があります。

その時の思い出とかを写真の切り取った一瞬を見て、頭の中でその思い出を振り返るまた作り上げること写真だからできる思い出の残し方だなと思います。

自分自身の体験もそうですが、振り返る時にただそこにあったもの以外も心で感じれるところにあります。

大森
以前、他のインタビューで撮影における意識として、被写体の持つ内外的魅力を引き出すことや第三者の視点を意識するとおっしゃっていた思うんですが、

ーー記録の写真を撮る意識は作品とは全く違いますか?

酒井さん
記録はそのまま撮っていますね。
けどどこかで、なんで撮ろうと思ったのか何を残すかどこが響いたのかとかは大事にしていて、心が動く場所や瞬間を探すことが大切ですね。
これは作品も記録も一緒だなと思います。

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写真の持つ特別な力

大森
「心が動く瞬間」は酒井さんの写真を紐解くキーワードになりそうですね。
僕らのサービスPHOTTEにとってのキーワードは「おもてなし」です。
「おもてなし」って日本独特の素敵な概念だと思うんです。

このサービスでは、トルー( PHOTTEにおけるフォトグラファー)はユーザーからの感謝を受け取り、新しい価値を感じる。
ユーザーは大切な人と撮ってもらった写真を見返し、優しい気持ちになれる。

優しさ感謝が連鎖することで世界が少しでも温かくなると信じています。
私たちは、写真をおもてなしの手段と考えております。
また、人の数だけおもてなしがあると思います。
写真にはそんな力があると私たちは思っておりますが、

ーー酒井さん自身は写真に特別な力や可能性があると思いますか?

酒井さん
もともと写真館で働いた経験から、子供や家族写真など記録としての表現を撮っていました。

それを撮ることで人が繋がる、改めて家族の愛だったり、大切だなと思う機会を創出できる、そしてそれを家族が改めて実感することができる。

思い出を残すだけではなくて、その心の部分が輪になって広がっていく。
写真は誰かが撮らなきゃ残らない。
たまに結婚式を撮る機会があるんですが、そういう瞬間に立ち会えるのは写真が作った縁だと感じます。

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大森
そう言った写真がめぐり合わせてくれた縁や機会に気づけて、感謝できるのは酒井さんの人柄だなと思います。

ーー酒井さんが撮る上でのマインドや、写真を見た人への影響は特別な意識ありますか?

酒井さん
誰かのために撮っている感覚はないんです。
結局は写真を撮るのはどこまでも自分の撮りたいものを撮りたいのが一番強いです。
そうじゃないと表現としてやっていけないとも思います。

でも基本には誰かが見て何かを思う瞬間、心動かされる時が面白いなと感じます。

自分としては写真を通してこの世界はこんなに美しいんだ美しい瞬間があるんだと思わせる、希望的な想いを抱いて欲しいというのはベースにあります。
そう感じさせることが副産物としてできたらいいなと思っています。

普段写真を撮らないと、天気、空の色、雲の形、光の変化を気付くことができない。
でもそれに気づけるのもカメラと写真のおかげです。

今まで見過ごしてしまっているこの世界の美しさに気づくんです。

見た目の美しさだけではなく、生きることの力強さ、家族愛、感謝も発見できることが写真の可能性としてあります。

目的としてではないが、写真を通してそこに気づいて欲しいなと思います。
見えるもの、見えないもの気持ちに対しての見逃してしまうものにアンテナを張って写し出すのが写真の面白さとしてあると思います。
歌や絵(書く、描くもの)とは違って写真は紛れもない事実です。

事実と真実。

事実からいろんな真実に気づけるんです。

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大森
酒井さんの撮影のスタイルとして先ほどの話、被写体の持つ魅力を引き出すことが写真が気づかせる美しさに関連付くと思いました。
魅力を引き出すのに寒い日はカイロだったりおもてなしグッズが撮影鞄の中に入っていると他の記事で拝見しました。

ーーおもてなしはポートレート撮影においてやはり重要視していますか?

酒井さん
人を撮ることはどこまでも人対人のことです。
人と人が結びつきながら生まれるものだから、一番大事なのはお互いが真摯に向き合うことですね。

おもてなしや相手を思う気持ちがベースにあって、初めて成立すると思います。

大森
ーーその気持ちがベースにあって、被写体の方と初めましての場合、撮影で気をつけるところはどこでしょう?

酒井さん
ナチュラルにリラックスしてほしいから、緊張させないことですね。
自分から壁を崩せるようにわざとラフに話しかけたりします。
だけど、丁寧なところは丁寧にしてます。

とにかくリラックスさせるように心がけています。

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トルー(サービス内フォトグラファー)へ向けて

大森
この心がけをお聞きしていたのも、これからクライアントワーク未経験のトルー増えていくからです。
PHOTTEにおけるフォトグラファーは写真が好きで、おもてなし上手な人が前提なので、その気持ちさえあれば趣味でしか写真撮ったことのない人もトルーになれます。

趣味のトルーからクライアントワークの経験のあるトルーが幅広くいる中で、写真はおもてなしの手段と考えているからこそ、撮ってもらう人もトルーもお互いがとにかく『写真という文化、おもてなし』を楽しんでほしいなと思っております。
それが重要だなと改めて感じています。

酒井さんはPHOTTEのサービス、誰かにとって忘れたくない一瞬を切り取ることの難しさと楽しさを知っていると思います。

ーー最後にこれから活動していくトルーにアドバイスをお願いします!!

酒井さん
さっきの話にも繋がるんですが、記録も表現も心が動く瞬間が大事だなと思います。

もちろんおもてなしも、お客さんを満足させる写真を撮る、相手を喜ばせるのもそうなんですけど、写真はマッサージとは違います。
全部ただ相手が気持ちの良いところを押すものではないんです。

なんで感動するかって言ったら、自分たちには見えていなかった視点が写真に現れているから。

こんなにも思い出が綺麗に残っているとかこんなにもいい思い出だったのかって気づかせるからであって、心が動く瞬間を撮らないと誰かに撮ってもらう意味がないと思います。

その人が心動く瞬間を探したり、その人がこんな写真撮りたいなと思うものを求めて提供することが一番大事なのかなと思います。

その中で撮る側が楽しまなければいい写真は生まれない。

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大森
トルーに向けて、人が写真に感動する理由や素敵なアドバイスありがとうございました。
楽しみながら、心が動く瞬間を探すこと。
もっと酒井さんの写真を見ることが楽しくなりそうです。
今回はインタビューありがとうございました。

あとがき

このインタビューを振り返り、改めて酒井さんのインスタグラムを拝見した。
プロフィールにある、お子さんが生まれる時の写真「as your father」というストーリーを見て、ここにこのインタビュー全てが詰まっていると感じた。

まさに心が動く瞬間、酒井さんがなぜこの瞬間シャッターを切り、残したのか素人ながらにわかりそうな気がした。
その一瞬の写真からその場にいなかった僕にもストーリーが浮かびあがってくるように頭を駆け巡った。
自分も含め、誰にでも、誕生という尊い瞬間があるにも関わらず、生まれたばかりの僕たちはその時のことを覚えていない。
しかしその瞬間の写真を見ることで、写真は偉大で、今まで見過ごしていた家族の愛を気付かせる。
酒井さんの写真、写真に纏うストーリーに自分を照らし、思わず涙が出た。

いい写真の定義は、人それぞれにあると思う。
でも人が繋がるサービスを創るものとして、誰かにとっての忘れたくない一瞬の写真は、間違いなく"いい写真"だと思う。
その瞬間を残せた人にも、その瞬間に立会い、切り取れたカメラマンにも幸せなことだと思う。

気付けていないだけで、特別じゃない日なんてない。

普段写真を撮らない人にもPHOTTEで自分の幸せに気付いてほしい。
トルーになる人にも自分は写真で素敵なことをしていると実感してほしい。
おもてなしは出来るけど、趣味でしか写真をやってこなかったからと、一歩踏み出せない人にこそトルーとして改めて写真に向き合ってほしい。

だって、思いやりのあるあなたが撮る心が動く瞬間はきっと誰かを幸せにできるから。

自分自身、写真で思い出をもっと残していこうと思った。
その時の感情、等身大の自分。
見過ごしてしまっていたこの世界の美しさ、目に見えないものまでも写していきたい。
自分が父になったら、毎日子供を撮ろう。

一人の写真でこれだけ希望を持てるんだ。
これを書いている間にも、実は世界は優しさに溢れているんじゃないかなと思った。

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