【アルバム紹介】Ella & Louis Christmas / エラ・フィッツジェラルド & ルイ・アームストロング(2016)

どうも!ご無沙汰です!!街も色付き、シンと冷える日々。クリスマスが今年も近づいてまいりました!

私はイルミネーションとか夜景とかが小さい頃から大好きなので、クリスマスが近づいてくるとテンションが上がります!!まぁ、だからといって特に予定は何もないんですが……。

とにかく今回は、そんなこの時期にぴったり、どこで流しても映えるホリデーアルバムをご紹介します。

アーティスト紹介:エラ・フィッツジェラルドとルイ・アームストロングについて

今回紹介するのは、ジャズの名コンビ、エラ・フィッツジェラルドとルイ・アームストロングの名演を詰め合わせた、『Ella & Louis Christmas』です。

……ジャズ系2連チャンになってすみませんね。一応ジャンルは振るように心がけているんですが。まぁ、クリスマスなので仕方ないですね。

2人とも説明不要の伝説的名手……なのですが、説明しないと私の仕事がなくなってしまうので少し。

エラ・フィッツジェラルド(1917〜1996)は、20世紀に活躍したジャズシンガーで、グラミー賞を13回受賞するなど、伝説的歌手です。一方、ルイ・アームストロング(1901〜1971)は、「高い音を出しすぎて家の犬が耳を悪くした」という、ホントか嘘かわからない話まで伝わる稀代の天才トランペッター。「サッチモ」の愛称で知られ、ラッパだけではなく、自身で歌も歌います。というかこのアルバムでは歌が主。

この2人は1950年代から共演を繰り返し、当時の音楽界で、なんと全盛期のビートルズを押し退けてヒットチャート1位に食い込むなど、確固たる地位を築きました。

と、言っても今回紹介するアルバムは、共演アルバムではなく、2人の曲を詰め込んだだけのアルバムなんですが……。

ちなみに、エラ・フィッツジェラルドは親の死と共に孤児となり、ルイ・アームストロングもお祭りでテンション上がり過ぎてピストルぶっ放して少年院に入るなど(なんでそんなことになったのか謎)、難しい立ち位置から見事に頂点まで上り詰めた人です。当時は黒人差別も激しく、この辺りにジャズ含む黒人音楽の持つ内なるパワフルさを感じますね。

アルバム『Ella & Louis Christmas』

さて、アルバムを紹介していきます。曲数が多いのでかいつまんでになりますが、どれもかなりいいので、紹介していない曲もじっくり聴いてみてください。

いきなり少し飛ばして4.「Christmas Night in Harlem (Single Version) 」から。1934年にレイモンド・スコット(通称レイスコ)により書かれ、ルイ・アームストロングが1955年にカバーしたことで有名になった楽曲です。もう、入りのピアノから惹き込まれますね。

ちなみにレイスコは電子楽器のパイオニアですが、この曲が書かれたのは、電子楽器を使用するより前の、クインテットを率いていた時代のようですね(レイスコの記事もそのうち書きたい!)。

さて、閑話休題して5.「Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!」へ。こちらも誰でも知っている名曲ですが、そこにエラ・フィッツジェラルドの圧倒的歌唱力が光ります。バックも最高で、上品なコードと音量の伴奏に引き込まれるんですが、特に間奏やキメの部分でふっとスポットが当たるとうっとりしますね。6.「Frosty the Snowman」も同様。歌唱力の点でも独特な表現力の点でも、エラ・フィッツジェラルドは歌うますぎてびっくりしますね。あと、伴奏のブラスが突っ込む合いの手が最高すぎてドキっとします

9.「Baby, It's Cold Outside, Pts. 1 & 2 (Live)」は名録音として名高いんですが、同時に、そもそも曲自体が有名な問題作。この曲は「オオカミ(男)」が、早く帰らなきゃと言っている「ネズミ(女)」を何だかんだと言って家に引き留める、というストーリーのラブソングですが、アメリカではデートレイプを示唆しているとして一部批判も浴びています。ただ、歌詞を自然な解釈で読むと、明らかにネズミ役も帰らずに、オオカミ君のお家で一発「あったまっていきたい」のが見え透いています。なんたって、ネズミが早く帰らなきゃいけない理由としてあげているのが、「世間体があるから」とか「独身のおばが逆ギレするから」とかなんですから……。ライブ音源なので、録音にも笑い声がいっぱい入ってますね。おそらく身振り手振りもついていたんでしょう。現地で見たかった。

ざっくり飛ばして、16.「The Secret of Christmas」。こちらは、ビング・クロスビーが「Say One for Me」という映画のために書き下ろした曲のカバー。この曲は、ちょっと他の曲と雰囲気が違いますね〜。原曲は以下なんですが、エラ・フィッツジェラルドの歌声で、より儚げな仕上がりになっています。こんな歌い上げもできるのか!!

Sleigh Ride(そりすべり)の遍歴について

最後に少し、順番前後して2.「Sleigh Ride」について。この曲は、「そりすべり」という邦題でも知られていますが、もともとはルロイ・アンダーソン作曲の管弦楽曲(↓)。

これにアメリカの作詞家、ミッチェル・パリッシュが歌詞をつけて、3人姉妹コーラスグループのアンドリュー・シスターズが歌ったものが有名になり(↓)、

さらにそれが今回紹介したアルバムにまで昇華しています。

このアルバムはカバー曲が多いため、同じようにジャジーに昇華した曲、というか、もはやカバーの結果、原曲の原型をもはやとどめていない曲が他にも沢山あります(当時は著作権の概念がなかったんですかね??)。カバーでこんなに変わるのか、と驚かされます。

ちなみに、アンダーソンも面白い作曲家ですので、そのうち紹介する機会を作りますね。

ダメ押し:新しい曲も少し

今回は、少し古いアルバムを紹介しました(発売自体は新しいですが、中身が古い)。個人的には、家でも、ドライブでも、どこでかけても映えるアルバムだと思うので、これだけでこのシーズンは十分戦えると思うのですが(何に?)、最新の音を求めているあなたにもう一つだけご紹介。

これはApple Musicの人限定になってしまうのですが、こんなバケモノプレイリストが毎年作成されています。

毎年この時期になると作られているもので、Apple Musicが今イケイケのアーティストにリミックスさせた曲が並びます。紙幅の都合から(?)、中身に詳しくは立ち入りませんが、衝撃の連続なので是非ご傾聴を。

ということで、長くなったので今日はこの辺で。

またお会いしましょう。

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