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こんこんちきディスクガイド

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偏屈3人組が、週刊を目標に、個人的おすすめ音楽を押し売りします。 【メンバー】●induction_heating:BEMANIを契機にダンスミュージックのつまみ食いを始める。/… もっと読む
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記事一覧

2024年3月の新譜記録

こんにちは!タイトルの通り、私が3月に聴いて良いなあと思った新譜について、感想とともにまとめておく記事です。 良かった新譜アルバムタイトルからsongwhipのページに飛べるので、気になった方はそちらからどうぞ! Underlight & Aftertime - downt 私は四季の中で春が一番好きなのですが、これは春そのもののようなアルバムだと思いました。燃え上がらずに燻る生暖かい温度感と、春の匂いを纏って滞留する空気のように濁った音像、そして終わっていくものを想う

最近、逆にBUMP OF CHICKENに付いていけない話

先日、一緒に音楽マガジン(?)を書いているゆざめ君が、BUMP OF CHICKENについての記事を出していました。アルバム「RAY」前後を契機とした、バンドの作風(というか姿勢そのもの)の転換に戸惑い、また和解するという話です。詳しくは記事を読んでね。 というわけで、ゆざめ君は、めでたくバンプと和解したわけなんですが、今度は、私の悩みを聞いてください。 実は、私は、「逆に」最近になって、バンプの新作についていけなくなってきました。遂に。どうしよう……。 私の中でのBU

中東音楽!ターキッシュ・クラリネットを聴く【アルバム4種おすすめ】

皆さん、最近、ワールドミュージック不足じゃないですか?? 邦楽や洋楽もいいんですが、やっぱり栄養分が偏っていると、体に悪いですし……というわけで、私が最近ハマっている「ターキッシュ・クラリネット」という楽器を用いたアルバムをいくつかご紹介します。 ターキッシュ・クラリネットって何だ?ときに、クラリネットという楽器は、御存知でしょうか。童謡『クラリネット壊しちゃった』で有名な楽器ですね。クラシック、ジャズ、軍楽隊、吹奏楽などで使われています。 この楽器は、息の力によって、

BUMP OF CHICKEN『RAY』10年越しの回想 - 「反撃」の終幕

未だにバンプを聴いています。中1のときに彼らに出会い、それをきっかけに音楽にハマり、やがて彼らとは似ても似つかない音楽を聴くようになった現在ですら、未だにバンプを聴いています。たぶんこの先も聴き続けるでしょう。果ては葬式でも流してもらうかもしれません。そのくらい、自分の音楽観や人生観に深く入り込んだ存在が、バンプことBUMP OF CHICKENです。 ところがそんな私も、彼らから離れていた時期がありました。他でもない、7thアルバム『RAY』から8thアルバム『Butte

2024年2月の新譜記録

こんにちは!タイトルの通り、私が2月に聴いて良いなあと思った新譜について、感想とともにまとめておく記事です。 良かった新譜アルバムタイトルからsongwhipのページに飛べるので、気になった方はそちらからどうぞ! 1624 - No Buses やるせなさや怒りを単純な絶叫や爆音による発散に捨象せず(あるいはできず)、ミニマルなパーツが重なり合う構造に託す作風がこれまで以上に明確になった、言ってしまえば非常に内に篭った作品だと感じました。しかし「人を寄せ付けない」という

歳を取るにつれて柔軟性がなくなってコンテンツが吸収できない話

3名で運営しているディスクガイド(?)の編集会議録シリーズ。登場人物は下記。 中野ゆざめ:バンドサウンド畑。 induction_heating:クラブミュージック畑で雅楽もやってる。 Phillsy:クラシック畑だけど雑食。 (中野ゆざめ)この前、人生で初めてオールナイトのDJイベント行ったんだよね〜。 (一同)おぉ〜〜。どうだった? (ゆざめ)良かったんだけど、深夜になるにつれてなんか飽きてきちゃって、結局途中抜けして4時くらいの渋谷を散歩したりしてた。あれってみん

2024年1月の新譜記録

こんにちは!タイトルの通り、私が1月に聴いて良いなあと思った新譜について、感想とともにまとめておく記事です。今年もやります。 良かった新譜アルバムタイトルからsongwhipのページに飛べるので、気になった方はそちらからどうぞ! Three Bells - Ty Segall 過剰で不穏。ブルースやサイケの不穏さを完全にやりすぎていて、それによって広げた巨大な掌でこちらの耳を掌握しに来る粗暴で生々しいパワーを感じるアルバム。生身の人間がそれを真顔でやっていそうなのがかな

2023年ベストアルバム30

今年もやります。みなさま2023年お疲れさまでした。 年間ベストを作成する行為には、単純に好きなものを並べる楽しさもあり、音楽に紐づいた記憶を整理する楽しさもあり、そしてなにより節目で自分の嗜好にしっかり向き合える楽しさもあると思います。 自分の場合、今年はこれまで以上に音楽を通して「作家の意図や感情、ひいては存在を感じたい」と望んだ一年でした。「リアルさ」を求めていたと言っても良いでしょう。4月に就職をして、公私の区分けがいよいよ明確になったことで、「私」の部分でしっかりリ

【現地レポ】サウジアラビアの超豪華EDMフェス「Soundstorm 2023」に参戦してきました!〜来年行く人向け備忘録〜

どうも、お久しぶりです。最近更新さぼっててすみません……。 実は、12月14日〜16日に、わざわざサウジアラビアまで飛び超豪華意味不明EDMフェス「Soundstorm 2023」に参戦してきました。 ということで、フェス全体がどういう雰囲気だったかとか、来年参戦したい人向けのアドバイスとかを綴っておきます。 まぁ本当は、「厳格なイスラム教国・サウジで開かれた超豪華EDMフェスがやばすぎる!?その特殊すぎる事情とは」とかそんな釣りタイトルにしてPVを狙った方がいいのかもしれ

2023年11月の新譜記録

こんにちは!タイトルの通り、私が11月に聴いて良いなあと思った新譜について、簡単な感想コメントとともにまとめておく記事です。 今月はシューゲイズ系のリリースが熱かったですね。下記でも紹介しますが、年間ベスト級に良いリリースが目白押しでした。折しもこの記事を書く直前にAlvvaysやCoalter Of The Deepers、また10月にはexloversのライブを観てきたため、すっかりシューゲ耳になってしまった1ヶ月でした。 良かった新譜アルバムタイトルを押すとsong

2023年10月の新譜記録

こんにちは!タイトルの通り、私が10月に聴いて良いなあと思った新譜について、簡単な感想コメントとともにまとめておく記事です。 先月の記事で「全然音楽聴けてない」的なことを書きましたが、大型のリリースが続いたこともあり、比較的ペースは取り戻せたんじゃないかと思います。とりあえずこの新譜記録も一年は続けたいところなので、あと2ヶ月この調子で頑張りたいですね。 良かった新譜アルバムタイトルを押すとsongwhipのページに飛べるので、気になった方はそちらからどうぞ! Hack

テリーライリーをみた

感想10月13日、東本願寺能舞台(普段は非公開だそうです)にてテリーライリーのライブを観てきました。 御年88歳ということもあり、スタッフの方同伴で橋掛かりから舞台へ。が、およそ100分間休みなしでの演奏でした。 彼の用いる音色はオーソドックスなもので、シンセのパッドやエレピの音、「アンビエントってこんな音するよね」という音でした。だからこそ、小細工なしの深い音が正面から向かってきて、面食らってしまいました。 日取りは運も含めて完璧だったと言えるでしょう。舞台は屋外で、

2023年8,9月の新譜記録

こんにちは!タイトルの通り、私が8月と9月に聴いて良いなあと思った新譜について、簡単な感想コメントとともにまとめておく記事です。 これまで毎月単位で書いていたんですが、8月末のサマソニでコロナに罹患してぶっ倒れたり、個人的に音楽を作っていたりした関係で記事を書く時間も音楽を聴く時間も取れず、このような形になりました。まあそういうこともあるよね。音源割と良いと思うので良かったら聴いてね。 理想をいえば、音楽を聴く行為と作る行為のバランスをもっとうまいことやりたいところです。ど

サマソニ2023に行きました

サマソニに行きました。ということで今回はその記録も兼ねた感想記事です。本当は帰ってきてすぐ書きたかったのですが、案の定コロナに被弾してぶっ倒れていたため、ちょっと遅くなってしまいました。アクト自体は非常に素晴らしく、とても楽しいフェスでしたが、己の健康との両立について真面目に考えさせられる機会にもなった二日間でした。 とりあえず、観たものたちから振り返っていきたいと思います。 1日目待ちに待ったサマソニ1日目。12時からのNewJeansを観たくて、またその前にサマソニT