induction_heating

クラブミュージックの上澄みをすすっています。 アルバムレビュー更新中(https://…

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クラブミュージックの上澄みをすすっています。 アルバムレビュー更新中(https://note.com/phillsy/m/md6d65850121b)

マガジン

  • こんこんちきディスクガイド

    • 94本

    偏屈3人組が、週刊を目標に、個人的おすすめ音楽を押し売りします。 【メンバー】●induction_heating:BEMANIを契機にダンスミュージックのつまみ食いを始める。/●Phillsy:クラシック畑出身。ひろーくあさーい雑食。最近SH-4Dを買いました。食べるように聴こう!/●中野ゆざめ:バンドでベースを弾いているが、ギターの方が好き。

最近の記事

テリーライリーをみた

感想10月13日、東本願寺能舞台(普段は非公開だそうです)にてテリーライリーのライブを観てきました。 御年88歳ということもあり、スタッフの方同伴で橋掛かりから舞台へ。が、およそ100分間休みなしでの演奏でした。 彼の用いる音色はオーソドックスなもので、シンセのパッドやエレピの音、「アンビエントってこんな音するよね」という音でした。だからこそ、小細工なしの深い音が正面から向かってきて、面食らってしまいました。 日取りは運も含めて完璧だったと言えるでしょう。舞台は屋外で、

    • サブスクで曲を聴いていて今日もうまくいかない

      はじめにサブスクリプションやってますか。私はやってます。Spotifyです。 Spotifyは他音楽サブスクと比較してキュレーションの精度が高いらしく、有名かどうかに関わらず類似曲をどんどんおすすめしてきます。1000再生未満の無名(?)曲も次々にやってきます。しかもどんぴしゃです。 苦労せずに曲を掘れる事自体はとてもいいのですが、いくつか気になることがあります。 うまくいかない①:好きな曲がいつ来るかわからないので気が気でないキュレーションが優秀なので、たまに「これは

      • 音が重なると心地いいという話

        はじめに今回は「Jacob Collierはいいぞ」という記事です。 普段は「ドラムパターンがすべて」「ベースが太ければいい」「日本の歌詞偏重主義に一石を投じるのだ」「303+808+909=2020」みたいな曲を聴くことのほうが多いのですが、Jacob Collierの曲にたまたま触れて「良い歌声はいいなぁ」「そういえばハーモニーって音楽の3要素の一つだったなぁ」とかいう当然の気づきに立ち返る事ができました。普段の窮屈な音楽体験から少し脱出できたかもしれません。 Jac

        • 去年は外で音楽を聴いた、今年も外で音楽を聴く。

          はじめに音楽聴きにいってますか。 アーティストや空間に対価を払わないとなという思いもありますし、なにより外の音響のほうがいいに決まっているので、たまには外で音楽を聴きたい。昨年は意識的に音楽イベントに行こうとしたので、一度総覧したくなりました。 この記事では、昨年自分が行った音楽公演・イベントを振り返っています。 2022外で聴いた音楽笙づくし / 宮田まゆみ 最初の公演はこれでした。笙は雅楽器の一つで、合奏では主に合竹(あいたけ)という奏法で伴奏を担当します。ただ、

        テリーライリーをみた

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        • こんこんちきディスクガイド
          94本

        記事

          2022聴けなかった曲

          年の瀬です。noteでもベストアルバム紹介記事が次々公開されています。みんな曲聴いてますねー。 本当は今年度聴いた曲を紹介したかったのですが、Spotifyの履歴を見返すほどに、皆さんの記事を見るほどに紹介に足るものが手元に無い気がしてきました。明らかな積み残しが一点思い当たり、あえて書いておいて来年に備えようと思います。 その明らかな積み残しとは「UK Garage/2 step」です。聴きはじめのタイミングを数年間探っていました。今年はNC4Kの5周年を聴きに行ったり

          2022聴けなかった曲

          羊文学のライブ「まほうがつかえる2022」を観に行きました

          はじめにすーごいよかったです。 (以下note仲間のディスクガイドです。合わせてどうぞ。) 音がでかいオルタナロックの幻想的な世界観。透き通る空気感。そういうのがやってくるかなと思ってました。羊文学ってスタイリッシュのバンドだと思ってました。モエカさんとコーラスのゆりかさんと、脱力な歌声がいいんだよね、とか。 全然違いました。演奏が始まってすぐドラムの鋭さに驚きました。ホールで出せる音圧をフルで使って押し寄せるライブでした。よかった。その楽器たちの音圧をボーカル・コーラ

          羊文学のライブ「まほうがつかえる2022」を観に行きました

          「雅楽は音楽ではない。」

          はじめに3人組、こんこんちきディスクガイドです。記事更新のため定期的に編集会議を行っています。ただ、会議後の雑談が膨らみに膨らんで、トピックのぶつけ合いの場になってしまいました。しかも振り返ってみると、そこそこ情報量のあるトピックを毎回これのためだけに用意して議論していることに気が付き始めました。目的外の雑談なのに。そこで、会議録をも一つの成果物として公開することにしました。 前回の議事録はこちら。 ディスクガイド本編はこちら。 登場人物 phillsy:雅楽経験なし

          「雅楽は音楽ではない。」

          【アルバム紹介】FUJIN CLUB / 婦人倶楽部(2014)

          はじめに本日はこちらのEPを紹介します。 Spotify以外の方はこちらから。 婦人倶楽部は佐渡島で結成された婦人(?)5名のグループ(http://fujinclub.fun/)。公式サイトやアルバムのアートワークなど、ゆる~い雰囲気がよくて聴いてみました。 日々の暮らしをそのまま切り取りました、というような雰囲気の楽曲だろうなと思って聴いてみるとそうではなく。削ぎ落とされて洗練されているな、という感想です。繰り返し聴くとそういう格好よさが顔をだすようです。 曲紹介

          【アルバム紹介】FUJIN CLUB / 婦人倶楽部(2014)

          みなとみらいで電気グルーヴのライブを観ました

          改めまして、執行猶予満了誠におめでとうございます。 はじめにタイトル通り、2022年10/15(土)開催「電気グルーヴand the ARENA ~みんなとみらいのYOUとぴあ~」に行ってきました。初めて電気グルーヴを生で浴びた感想や当日の様子を、冷めないうちに刻みつけておこうと思います。 ライブの感想開演時間になり消灯、そしてステージの照明がついた瞬間、今日来て良かったなと思いました。開場から開演までの間延びした時間を2時間弱ほど過ごしたのですが、開始で一気にスイッチが

          みなとみらいで電気グルーヴのライブを観ました

          【アルバム紹介】5: Five Years of Hyperdub(2009)

          はじめに本日はこちらのコンピレーションの紹介です。 Spotify以外をご利用の方はこちらをどうぞ。 Hyperdubはdubstep黎明期からあるレーベルで、主宰はdubstepを代表するアーティスト、Kode9です。 dubstepというと、どちらかというとSkrillexみたいな派手で強烈なサウンドを想起する方が多いかと思います。ただ、本来のdubstepはjungleとかdubとか2 stepとかがなんかこううまくくっついたやつで、地味です。前者をbrostep

          【アルバム紹介】5: Five Years of Hyperdub(2009)

          【アルバム紹介】lapapọ / Mice Parade (2022)

          はじめに本日はこちらのアルバムを紹介します。 Spotify以外の方はこちら↓を Mice Paradeはドラム/パーカッションのAdam Pierce1人によるダブ・ポストロックのバンドです。WikipediaでAdam Pierceに飛ぶと同名のプロレスラーに飛んでしまうくらい日本語情報が疎なのですが、どうやらこのアルバムの制作に携わっていたようです。 本人のbandcampページに、2013年から収録を開始し少しずつ録音されたものであること、COVID-19による

          【アルバム紹介】lapapọ / Mice Parade (2022)

          【アルバム紹介】Boutique Music Vol. 1 / Boutique Music

          はじめに本日は、Bandcampで先行配信された後に各サブスクで配信となったこちらのアルバムを紹介します。 アルバムのタイトル通り1つめのリリースですが、新しい人というわけではありません。中の人は音楽プロデューサーのkors kさんで、Boutique Musicはその別名義となります。もっとも、リリースから1ヶ月で新宿warpのメインフロア出演、という時点で誰かの別名義なのを隠せるはずもないかなとは思いますが、、、 楽曲のジャンルはHouseです。Houseの印象として

          【アルバム紹介】Boutique Music Vol. 1 / Boutique Music

          【アルバム紹介】時給5000兆円 / 田島ハルコ, バイレファンキかけ子(2022)

          はじめに本日紹介するのはこちらのEPです。最先端です。 パワフルな歌詞に合わせるかのような音の詰まり具合です。高いところでバランスが取れているように思います。 たまたま見つけたアルバムなのでどういうコミュニティに位置しているのか気になり、調べてリリースパーティーの情報に到達したはいいものの、知らない情報が詰まっていて結局何がどうなっているかわからず… 文脈理解は諦めて、ひとまず聴いて楽しむことにしました。 曲紹介時給5000兆円 表題曲です。タイトルも歌詞もパワーに満

          【アルバム紹介】時給5000兆円 / 田島ハルコ, バイレファンキかけ子(2022)

          【アルバム紹介】Perihelion / Sungazer(2021)

          はじめに今回は、こちらのアルバムを紹介します。 Sungazerは、Shawn Crowder(Dr)とAdam Neely(Ba)2人のユニットです。公式にelectro jass+EDMとある通り、生音重視なのにアンビエントに収まっていく不思議な楽曲が収録されています。 以下、数曲気になった楽曲を紹介します。 曲紹介Threshold 1曲目のThresholdは、ゲストに尺八奏者Zac Zingerを迎えての楽曲です。尺八のユリ(ビブラートのこと。首を動かして音に

          【アルバム紹介】Perihelion / Sungazer(2021)

          【アルバム紹介】レジャーやくざは君に語りかける / Bubble-B feat. Enjo-G

          今回は、Bubble-Bより『レジャーやくざは君に語りかける』をご紹介します。 はじめにたまたまこの曲に出会ってしまい、気づいたらアルバムを聴いていました。 パロディ元の落ち着いた雰囲気を破壊するダミ声が癖になります。ダメ押しのシンセリードとGABBA大オチでめちゃくちゃになっており、もう原曲の味がわからなくなりました。 Enjo-Gの香水を含むアルバム『君に聴かせたいテクノがあるんだ』は5/1リリースで、MVも各曲公開されています。リリースを待っても良かったのですが今

          【アルバム紹介】レジャーやくざは君に語りかける / Bubble-B feat. Enjo-G

          【アルバム紹介】Techy Works EP / Nhato(2022)

          はじめに本日リリース! 以下、今回紹介のEPです。 (サブスク範囲内だと特に)最近はシングル単位でのリリースが多かったですが、突然tech danceなEPのリリースです。Nhatoさんの楽曲は派手でキャッチーなメインテーマが目立ちますが、その裏で繊細な展開、細かい音色の足し引きもあります。今回のEPは特に後者を凝縮したような曲が収録されています。 曲紹介1曲目Vertは、いつもよりアップテンポでテクノっぽい始まりです。繰り返されるメロディーの裏がとにかく細かい。単にフレ

          【アルバム紹介】Techy Works EP / Nhato(2022)