【アルバム紹介】lapapọ / Mice Parade (2022)
はじめに
本日はこちらのアルバムを紹介します。
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Mice Paradeはドラム/パーカッションのAdam Pierce1人によるダブ・ポストロックのバンドです。WikipediaでAdam Pierceに飛ぶと同名のプロレスラーに飛んでしまうくらい日本語情報が疎なのですが、どうやらこのアルバムの制作に携わっていたようです。
本人のbandcampページに、2013年から収録を開始し少しずつ録音されたものであること、COVID-19によるワールドツアー中止を受けリリースに至ったことが記載されています。このあたりの事情は全世界全ジャンル共通というか、イベントができない反動でユーザーの手元に届くコンテンツが増えています。消費者側はいつでもお気楽なものです。
演奏が激ウマなので成立していますが、ドラムがぐぐっと前に出たミックスになっています。バンドサウンドにあまり慣れ親しんでいないので不安もありつつ、見切り発車で書いてみます。とにかく曲は良いので。
曲紹介
Eisa Dancers
とにかくこの曲がいい。年始にこの曲のみ先行リリースされていました。Caroline Lufkinさんの歌がいい。楽曲の突き抜けるような空気感を構成しています。ギターの音色が噛み合い、そして前述のバキバキのドラム。
Crystalline
冒頭のかっこよリフからシームレスに弾き語りパートへ。キメでまた戻ってきて。緩急が気持ちいい楽曲になっています。後半に再びCaroline Lufkinさんがボーカルとして参加しており、表情がさらに追加されています。
Ballad Of A Light
サンプリング的に繰り返されるボーカルがくせになる。その裏のドラムとギターのパターンの遊びも楽しい。
síðar
キメで入ってくるサビ(?)のボーカル、メロディが好きです。この曲はギターが前面に出てきていますが、奥から聞こえるハイハットの音がやっぱりいい。パーカッションの人が組み立てたアルバムだなと改めて思います。
Lakana Zone
単調なギターのパターン。が、アルバム後半に配置されており、ここまで聴いてくると心地よく入ってきます。これパーカッションは何の楽器でしょう…?
意外と生演奏聴くとこういう曲が刺さったりしますよね。
Kanabe Dance
リードのマリンバでゆるく始まるかと思いきや、只者ならざる4つ打ちのドラムパターンがやってきます。想像の一歩前まで前進してきます。
音色の出入りも楽しく、どちらかというといつも聴くようなタイプの楽曲なのでうまくグルーヴに乗っかって聴けたような気がします。
おわりに
こうした楽曲の涼しさは一つ間違えると気だるさになるのかなと思います。気だるさを目指すことを否定する訳ではないのですが、本アルバムは激烈なドラムによって筋が立っており、かっこよーな曲がたくさん聴けて楽しかったです。
自分の中にロック側の蓄積があまりないので表現を持ち合わせずいつも以上に言葉足らずとなりました。ただ、惰性ではまず聴かない領域に迂闊に手をだすことも本活動の目的の一つだったりします。それに、ポストロックというジャンルの定義があまり明文されていないようだったので、好き勝手書きました。
アルバム名、曲名はbandcampページの表記に準じているので、一部サブスクのものとは異なります。数年前にこの表記の問題(サブスク上で使える文字に限りがある)が表面化した記憶があるのですが、今はどう落ち着いたのでしょうか。
それからタイトルの話に付随して、Eisa Dancersのボーカル、共同制作(band campにはco-writerとの表記)のCaroline Lufkinさんは沖縄出身とのことです。素直に曲だけ聴いた後レビューの過程でこの事実を知ったので、Eisaの印象が大きく変わる結果となりました。
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