内緒の関係　のどか奥様のストーリー①

「今日雨だから現場休みねー」
朝一番のコール音で俺を叩き起こした後、電話の相手はそう告げた。ベッドからのそのそと起き上がりカーテンを開けると、確かに大粒の雨が窓を叩いている。俺が働いている現場も、きっと今頃は泥だらけだろう。こんな状態では作業が出来ない。
「了解です、電話ありがとうございます」
　急に暇になったな、と電話を切った後ため息をついた。別に仕事が特段好きなわけではないので休み自体はありがたいが、この雨ではぶらぶら街に出かけるのもおっくうだ。
しかし別に楽しむ手段がないわけではない。俺は慣れた手つきでスマホのブラウザを開き、とあるサイトに飛んだ。外に出ない、服が汚れない、でも楽しい。こうして突然予定が空いてしまった時には、女の子と遊ぶのが一番手っ取り早い暇潰しだ。
その時の俺は本気でそんなことしか考えていなかった。その後店からやってきてくれた彼女のことを本気で可愛いと思ってしまうなんて、夢にも思わなかったのだ。