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詩「善も目を背ける悲惨」

「善も目を背ける悲惨」
黒実 音子



ああ・・
ある砂地の海辺に
マテ貝や、
カリフォルニアのムール貝を求めて
海カワウソ達がやって来ます。

いけない!!
その点源の砂地の貝達は、
原虫パーキンサス・マリヌスに
汚染されている!!

窪地の獣達の糞便が川に流れ、
海に注ぐ、悍ましい砂地こそが、
書物にも書かれる事もない
[善も目を背ける悲惨]なのです。

しかし、神は
悪しき霊の暴露の手段を容認し、
地上での
命のやり取りを行ないます。

ああ!!
祝福の代価はいつも惨悽であり、
それは火と蛆虫です。
肉体が腐り落ちたアンティオコスの様に
この地上で痛覚を訴え続ける。

嵐の後には、水が濁り、
良くないものが掘り起こされ、
疫病が発生し、
海藻は毒化し、
沢山の鰭脚類達が死にます。

二枚貝の
靭帯下真珠層の中に
歯茎を剥き出しにした
死が笑い始めます。

ですが、清潔な住居で・・
清浄な海を見下ろす者達も
覚悟しなければなりません。

最終的には、
誰もがこの砂地にやって来るのです。
最終的には、
音の無い湿った十字架を背負いながら・・
誰もが死にます。




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