映画「獣の住む家」観ました
「獣の住む家」観ました。
これは良い。
とても良質なホラーでした。
最近、良いホラー映画ばかりに
出会ってるのですが、
その中でも好みな作品。
グロとか血の表現を目指した作品ではなく、
現実の南スーダンの社会問題を絡ませながら、
人間の仄暗い罪の暗闇を描きます。
凄まじい内戦が延々と続く南スーダンから
イギリスへ亡命してきた二人の夫婦が、
与えられた家の中で
様々な怪異に出会うのですが、
いわゆる
お化け屋敷もの
ではありません。
[アフリカからついて来た]何か
のお話です。
幻覚なのか現実なのかわからない
シャイニングを想わせる怪の演出、
不穏な絵画の様な構図、
アフリカ神話を見ている様な
怪物の描き方・・
そうかと思えば、
古典のゾンビの様な造詣の怪物・・
どれをとっても素晴らしかったです。
そしてストーリーが何より良い。
人間の罪の闇を描きます。
アフリカの内戦、
2つの民族の紛争と言えば、
別地のルワンダの
フツ族とツチ族の殺し合いが有名ですが、
アフリカ各地で起きている社会問題ですね
( 今作のテーマの南スーダンでは、
ディンカ族とヌエル族という
2つの部族が殺し合っています)
以前、紹介した
南米グアテマラの
「ラ・ヨローナ~彷徨う女~」の
グアテマラ独裁政権の
マヤ先住民虐殺の悲劇
を題材にしたホラー映画と同じく、
元来ホラーとは、人間の生み出す悪夢、
心の闇を描いた絵画の様なものですから、
こういうマジックリアリズム
(現実の問題の中で生まれる悪夢)
的なホラーが
どんどん作られてくれたら嬉しいです。
ちなみにこの作品、逆に、
恐怖とかグロを求めるホラーファンには
不評の作品かもしれません
(退屈だと言ってる人もいました)
私はこの作品の怪異の演出を見て、
山岸涼子が作中で描く、
数々の不気味な幻想を想い出しましたよ。
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