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私の詩(El Sventramento)

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スペインやポルトガルを舞台に、細菌やキリストの詩を書いています。こちらに掲載していきます。
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#創作大賞2024

詩「フロリダスッポンの死骸に纏わる神聖さ」

「フロリダスッポンの死骸に纏わる神聖さ」 黒実 音子 ◇ 腐った臓物のミサの話をしようか?…

詩「さようなら」

「さようなら」 黒実 音子 ◇ あの日、楽園で 「さようなら」と誰かが言った。 「さような…

詩「癌の荒れ地 Krebsfriedhof」

「癌の荒れ地 Krebsfriedhof」 黒実 音子 ◇ 地上の肉(カルネ)を高温で長時間炙り、 その肉…

詩「ラクリファギア」

「ラクリファギア」 黒実 音子 ◇ 糞蠅達が涙を舐め、 牛眼虫症にかかった牛が、 じっと荒野…

詩「ソラヌム・アトロプレプレウムの栄光」

「ソラヌム・アトロプレプレウムの栄光」 黒実 音子 ◇ 荒れ果てた牧草地の中、 周囲に馴染…

詩「ノリタンゲレの腓骨」

「ノリタンゲレの腓骨」 黒実 音子 ◇ カリブの海底には 朱い腓骨(フィブラリア)が数多く眠…

詩「ああ、私の骸は沢山のヨーロッパエゾバイ貝に貪られ・・」

「ああ、私の骸は 沢山のヨーロッパエゾバイ貝に貪られ・・」 黒実 音子 ◇ 私は海で死んだ。 灰の様な暗い北極海(オケアヌス・アルクティクス)で、 命の無い荒波の咆哮に飲まれ、 仲間の漁師達と共に 海底に沈んだ。 ああ、ここでは時々 凍える屍衣を羽織った 死者達が歌っている。 邪悪で醜悪な笑みを浮かべながら、 凍った己の魂を抱えて。 ああ、アイスランドの漁師達は、 暖を取る事も叶わぬ。 故郷の灯を見る事も叶わぬ。 かつて私の腐肉には 沢山の西洋海蠃貝(ビュロット)達が

詩「マルスダレ貝の支持政党についての論文」

「マルスダレ貝の支持政党についての論文」 黒実 音子 ◇ 淀んだ黒い海底の砂地に 白い大き…

詩「いずれにしても、それらはキリストの死体であり・・」

「いずれにしても、それらはキリストの死体であり・・」 黒実 音子 ◇ マグマの流れる不毛の…

詩「エボシ貝(ピエ・デ・カブラ)」

「エボシ貝(ピエ・デ・カブラ)」 黒実 音子 ◇ 真夜中に運ばれてきた敗血症(ラ・セプシス)患者…