詩「いずれにしても、それらはキリストの死体であり・・」
「いずれにしても、それらはキリストの死体であり・・」
黒実 音子
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マグマの流れる不毛の荒野、
それは死滅へ向かう
血管輪の模倣の様に、
熱を持ち、
命に排他的な神域である。
ああ、
神の傷口・・
神の血・・
だが、それは
冷静で静寂な湖でもある。
死骸(コープス)そのものは、
とうの昔に無くなり、
今では磔刑像(コルプス)が
その代役となっているが、
いずれにしても、それらは
キリストの死体であり、
過去の死は語る事は無い。
厳粛な[青い死]こそが
地上の悲しみ