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いざ、4年に一度の蹴球の祭典!

サッカーとは何か。
4年に一度の祭典が迫るにつれて、こうした取り止めもないことが、頭に浮かんでは消える夜更けを過ごしている。

オランダの英雄、ヨハン・クライフ曰く、、

『監督たちは皆、とにかく動きや、走ることにこだわる。私はそこまで走る必要はないと思う。サッカーは脳を使うゲームだ。良いポジションに、いかにタイミングよく「居れるか」が重要だ。早すぎても遅すぎてもいけない』
思考力強化の末、空を飛んでいる時のヨハン・クライフ氏


一方、アルゼンチンの天才、マラドーナは、、

『サッカーは時としてサッカーの理論を持たない。強い者が勝つとは限らないんだ。それがサッカー、それが人生さ』
手を使ったのではなく、「ただ神の手が触れた」瞬間


サッカーは脳のゲームでもあるし、理論を持たないもの。そして強いものが勝つとは限らないスポーツ。
矛盾しているようで、それが自然体なことが、魅力の1つであると個人的には感じている。

国によってサッカー観やプレースタイルも違い、最近では帰化したり国籍を変えてプレーする選手も増えてきており、ダイバーシティの象徴、これを体現しているものに他ならない。

ということで、理論と感覚の狭間で今大会の予想を実施!いつもの通り、独断と偏見のためご容赦を…

ズバリ結論から言うと、このような印となった。

==========
◎オランダ
○イングランド
▲ブラジル
★スイス
注アルゼンチン
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なかなか突拍子もない印をうち、戦々恐々としてはいるものの、気を衒わずにはいられない性分をどうかお察しいただきたい。

ここからはグループリーグの展望を中心に記載していく。

■グループリーグ

グループA:1位オランダ、2位エクアドル

オランダの優勢は堅い。ファンハール最後ということで、攻撃面はアレだが、中盤の底から最終ラインは世界一クラス。所感として、守備にまとまりがある時の方がオランダはうまくいっている気がする。

2位通過はエクアドルに一票。攻撃から守備のバランスがよく、非常に統率されているイメージである。短期戦のリーグ戦、トーナメント戦においては、こうしたチームとしての意思統一が強固なチームが勝ち上がるイメージ。目立ったスター選手はいないが、チーム力で勝ち上がる目算。

グループB:1位イングランド、2位イラン

イングランドは昨年地元開催のユーロで若いチームが躍動。ユーロ→ワールドカップというこの流れでピークに持ってきたチーム。今なら半世紀の時を超えた優勝も当然。重い印を打ちます。個人的なことだが、現監督サウスゲイトの指揮初戦をウェンブリーで観たのが非常に良い思い出。(2015年マルタ戦)その頃から比べると、割とメンツも入れ替わったが、当監督の集大成をここで発揮してほしいものである。

イランは、ほぼ地元の中東開催のため、地の利があると踏んでいる。そして何より監督に、経験者カルロス・ケイロスが戻ってきたのは非常に大きい。攻撃陣もタレミ、アズムンら好タレントを要しており、上手くハマれば2位通過の可能性あり。当チームは強豪に対する実績がそこまでないのでは?との声もあるが、今年はウルグアイに勝っている実績がある。ランキング上位国にリスペクトせずに戦えるかも1つのポイントとなりそうだ。

グループC:1位アルゼンチン、2位ポーランド

アルゼンチンの1位通過は手堅い。日程面においても、初戦がサウジアラビア戦であるため、優位にこのグループを戦えるはずだ。昨年のコパアメリカでも優勝、英雄メッシは恐らく最後のW杯だが、それだけではなく前回大会から4年間でセリエAで名を挙げたラウタロ・マルティネスも絶好調。優勝を目指す上でのポイントは、守備面の仕上がりといったところだろうか。

2位通過は正直、悩みに悩んだが、ここはポーランドで行きたい。大エース、レヴァンドフスキを擁してワールドカップに挑む姿が、2006年大会にこちらも大エースのシェフチェンコを中心にベスト8に進出したウクライナと被って見えるのだ。無論、レヴァンドフスキだけではなく、ミリク、ジエリンスキーとセリエAで活躍中のタレントも揃っている。日程的にも第三戦に南米の水色の縦縞とやれるのも大きい。

グループD:1位フランス、2位チュニジア

フランスと言えば、優勝した98年大会、18年大会より印象的なのが、日韓大会。アレだけのメンバーを擁していながらまさかのグループリーグ敗退。14年大会のスペイン、18年大会のドイツもそうであるが、優勝国がいかに研究されるか、また、優勝国が敗れた瞬間、世界のサッカーの潮流が一気に変わるような雰囲気を感じるものである。よほどの空中分解がない限りグループリーグは突破できるものと見ている。スロースターターのレ・ブルーの第二戦に、何かとサプライズしがちなダニッシュダイナマイト(ネーションズリーグでフランスに勝利)というのは一抹の不安ではある。

となると、2位候補はデンマークでいいじゃないか!となるが、ここはチュニジアとしたい。
日本をホームでけちょんけちょんにしたあのカウンター、必ずや本番で生きるでのはないだろうか。初戦の相手がデンマーク、第二戦がオーストラリア、2試合で勝ち点4とれれば、グループを接戦に持ち込むことができる。自慢の守備組織がこのグループを戦うには適性アリと見ている。

グループE:1位スペイン、2位ドイツ(※)

普通に考えればこうなる。問題はどちらが1位通過するかということだが、スペインに分があると見ている。ペドリ、ガビ、アンス・ファティら期待の若手とブスケッツ、ジョルディ・アルバらベテランが融合し、プレスの強度とポゼッションのバランスがとれたチームである。
初戦のコスタリカに勝ち、勢いのままドイツ、日本に連勝であっさりと決めてしまう可能性は大いにある。

ドイツは本番前最後の強化試合のオマーン戦を見ている限り、グループリーグの戦いの中で徐々に仕上げてくるのではないだろうか。開催地は夜でも高温の気候であることから、初戦の日本戦からプレス全開でいけるかとなると、いささか環境に慣れきってはいない状態だろう。1トップ候補であったヴェルナーが負傷、ハヴァーツの調子は今ひとつ、となると怖いのは若手だろう。ムシアラやフュルクルクらがブレイクしても驚きはない。

(※)日本については後述

グループF:1位ベルギー、2位クロアチア

赤い悪魔、10年での躍進は見事であった。本当にワールドカップを優勝するとまで思えるチームであった。初期ヴィルモッツ監督の頃は、まだまだ守備陣のギャップ、距離感やスピードなど、割とザルなところもあったが、それを補う攻撃の破壊力を磨いてきた。
18年大会においては、実は伝統的であった守備力についても発揮され、ブラジルからの大金星はまさに、両輪が噛み合った伝説の試合であった。
ただ、今回大会、この守備が上手くハマらないと、トーナメントでの上位進出はキツいであろう。試合を通じた修正力、経験、10年がかりのこういったところをフルに活かしてほしいものである。

クロアチアは「シン・東欧のブラジル」。かつて、シュケル、ヤルニ、プロシネツキ、ボバンを擁した98年大会、これを上回る成績はあるのだろうか、と思っていたところの前回準優勝である。その中心であり前回MVP、バロンドールのモドリッチは、今回も健在!
37歳とは思えないキレッキレぶりである。前回の中心メンバーは他にもコバチッチ、ペリシッチ、ブロゾビッチなど攻守ともに運動量豊富なメンバーが揃っている。こちらも経験力を武器に勝ち上がりたい。ベルギーとの差はそこまでないものと見ている。

グループG:1位ブラジル、2位スイス

ブラジルの1位はここも堅い。語彙力不足のためそれ以外に言えることはございません・・・

ブラジルがいるだけに2位争いは大混戦。ここでもしかしたら思わせているダークホーススイスである。スイスは大舞台に強く、外さない戦いぶりである。強豪に勝つシーンも割と多く、今回もヨーロッパ王者イタリアを押し退けての予選首位通過であった。マンCの守備組織にもフィットしたアカンジ、守護神ゾマーらを擁した鉄壁のスイス銀行に加え、シャキリ、ジャカといったアグレッシブなメンバーでの素早く精度の高いカウンターは、スペインやポルトガルといった強豪も苦しめてきている。仮にグループリーグを2位通過すればそこから先も割とチャンスある。ベスト16で当たる可能性のある、ポルトガル、準々決勝であたる可能性のあるドイツとは、ネーションズリーグでも対戦経験があり、大負けはしていない。自慢の守備組織から接戦に持ち込むことができれば、過去最高のベスト8以上も十二分にあり得る。

グループH:1位ポルトガル、2位ウルグアイ

今回のポルトガルはCR7だけではない。ラファエル・レオン、ヌーノ・メンデス、ベルナルド・シルバ、好タレントが揃っている。初戦のガーナ戦に勝ち切れば問題なしと見ている。

2位争いは混戦模様、孫興民にケガがなければ韓国・・・としたいところであったが、ここはウルグアイに一票。主力のスアレス、カバーニは明らかにピークを過ぎている感は否めないが、それでも自力はあると踏んでいる。若手もバルベルデ、ヌニェスらが力をつけており、選手層も厚くなってきている。初戦の韓国戦で勝った方が2位争いの主導権を握っていくだろう。

(※)日本代表について

初戦のドイツ戦でほぼ決まるのでないだろうか。
セットプレーとフィジカルで上回るドイツは正直相性悪い。
前半をイーブンでいき、相手が焦ってきたタイミングにチャンスがあるのではないだろうか。
攻撃陣はドイツ、コスタリカ相手にはそれなりにやれそうな感じはあるため、負傷者やコンディションが整わない、中盤後ろからバックラインの意思統一をなすことが肝心。

かつて、ベスト16に進んだ2002年大会はトルシエ監督のフラット3、2010年大会は阿部勇樹のアンカー起用と闘莉王中澤の空中戦の強さ、2018年は、個人戦でのデュエルとタイムマネジメントが際立ち、良くも悪くも一点に泣き笑いした。まずは守備、それから攻撃へのリズムが整っていることがそれぞれの大会でのグループリーグ突破につながっていた。

残り6日間で、プレスに行き切るポイント、セットプレー時の守備の再確認、ゲーム展開を変えるための3バックの活用、まだまだこのチームの引き出しはあるはず。健闘を期待したい。


■決勝トーナメント

トーナメント表の勝ち上がりこんなイメージ。
これ以上は細かくせず、簡単な展望に留めておきたい。


ポイントは準々決勝で実現しそうな、オランダとアルゼンチン、イングランドとフランス、こちらの勝者いずれかが決勝に行く。オランダの守備網と名将ファンハールの奇策をメッシ率いるアルゼンチン攻撃陣がどう崩すすかが非常に楽しみ。

イングランドとフランスはもう因縁づくし。チームに団結力が備わればフランス。ただ、今回のイングランドは割とプレミア中位のような守備からしっかりと作っていくスタイル。こういったところがいかにもサウスゲイトらしい。どちらに転んでもおかしくない好ゲームを期待したい。


■最後に

約束の地、ドーハ。
2022年は悲劇や争い事の絶えない世の中ではあるが、この時ばかりは一体感のある世界であってほしい。
きっと空飛ぶオランダ人も、神の手を持つ漢も、どこからか選手たちの活躍を見守り、歓喜の杯と祝福を与えてくれるはずだ。

そう願いを込めたところで、もう朝日が昇ってきたため、今回はここまで。

拙文、最後まで閲覧いただきありがとうございました。

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