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ジャン・ユスターシュ映画祭で日仏へ

こんにちは。あるいはこんばんは。おしゃま図書です。
金・土・日と3日間、日仏学院で開催中のジャン・ユスターシュ映画祭に行ってきました。
これまで実はずっと縁がなくて見逃していて。
特にアクション映画が好きになってからは、ちょっと、こういうやつ、絶対寝ちゃいそうで避けていたのです。
でもね。フランスが趣味なのだったら、きちんとスクリーンで観とかなきゃ、と思って行ってきました。3日間でサンタクロースの眼は青い(併映:わるい仲間)、ママと娼婦、ぼくの小さな恋人たちの4本を鑑賞しました。

期間中の土日には、元欧明社リブゴーシュがカフェに!!!

今回の映画祭に合わせて、元欧明社リブゴーシュをカフェにしていたの、とてもよかったです。できれば、あの建物、そういう形で使ってほしいです。何しろ前と違って館内のカフェもなくなっちゃったし、レストランも未だに入らないし。常にフランス映画のチラシとかが手に取れて、カフェでちょっとした飲み物やお菓子くらい食べれるといいのに…。

やっぱりこの外観ステキ。パンフレットとか買ったらポストカードもらえました!


ユスターシュ映画祭の看板

わるい仲間 Du côté de Robinson

1963年/フランス/白黒/39分
監督・脚本・編集:ユスターシュ/撮影:ミシェル・H・ロベール、フィリップ・テオディエール/音楽:セザール・ガッテーニョ
出演:アリスティド・ドメニコ(ジャクソン)、ダニエル・バール(友人)、ドミニク・ジェール(女性)
ナンパした女の人がなびかなくて財布を盗むというメンズ(2人組)のお話。本当に、どうでもいい話です。そして、気づいたときには「財布返してくるよ」ってやり取りになってて、わたし、また肝心なとこ寝てしまったんだなーと思いました。ガックリ。

サンタクロースの眼は青い Le Père Noël a les yeux bleus

1966年/フランス/白黒/47分
監督・脚本:ユスターシュ/撮影:フィリップ・テオディエール/編集:クリスチアーヌ・ラック、ユスターシュ/音楽:ルネ・コル、セザール・ガッテーニョ
出演:ジャン゠ピエール・レオー(ダニエル)、ジェラール・ジメルマン(デュマ)、ルネ・ジルソン(写真家)
『ママと娼婦』『ぼくの小さな恋人たち』と合わせて、自伝的三部作と呼ばれるものの1作目に当たります。ゴダールの『男性女性』のフィルムの残りを使ったという話も適当ですが、適当な男を演じさせたらこの人しかいないと思うジャン=ピエール・レオーが主演。
要は、女の子にもてたいと思っている男子が、もてるためにダッフルコートが欲しいと奔走する青年の話。そして最終的には結局モテなくて、売春宿にGO!っていう…。

ママと娼婦 La Maman et la putain

1973年/フランス/白黒/215分
監督・脚本:ユスターシュ/撮影:ピエール・ロム、ジャック・ルナール、ミシェル・セネ/編集:ドゥニーズ・ド・カサビアンカ、ユスターシュ
出演:ベルナデット・ラフォン(マリー)、ジャン゠ピエール・レオー(アレクサンドル)、フランソワーズ・ルブラン(ヴェロニカ)
ユスターシュの長編第1作。

トリュフォーの「あこがれ」で自転車に乗っていたきれいなお姉さんは、ユスターシュ映画ではクズなヒモをやしなう三十路女になっていました。
そして、この映画とは全く関係ないところで偶然目にしたSNSの投稿に激しく同意。

そして、かくいうアレクサンドル(ジャン=ピエール・レオーが演じている)も、手ぶらの男です。当然、クズです。
そして、クズ男ってのは本当によく喋る。どうでもいいことを。アレクサンドルはね、家をもってる女としか付き合わない。なぜなら家がないから。
ルノーの歌に「Viens chez moi j'habite chez une copine(うちに来いよ、彼女の家に居候してるけど)」って歌があって、パトリス・ルコント監督のコメディ映画にもなってましたけれど。

何年も先取りしていたんですね。ユスターシュは。ルコントはコメディにしてたけど。ユスターシュも、自虐ネタを笑えるくらいに昇華できていればよかったんじゃないかしら。
そして、不思議なのは、金がないといいながら、みんな、カフェに行って酒を飲むんですよね。アレクサンドルはたいてい、セフレとの待ち合わせはドゥマゴかフロール。てことは、6区に住んでいるってことよね。そしてカフェで飲むのはウイスキーかリカールです。そして!車を運転するの。時代。。。で片付けていいのでしょうか。昔お世話になったシェフがパリでレストランに連れて行ってくれたときに、ワイン2杯くらい飲んでたけど運転してたことを思い出しました。「僕は体が大きいから2杯までは大丈夫」って言ってたな。
マリーのラパン料理、気になるな(って食べることばかりね、わたし)

ぼくの小さな恋人たち Mes petites amoureuses

1974年/フランス/カラー/123分
監督・脚本:ユスターシュ/撮影:ネストール・アルメンドロス/編集:フランソワーズ・ベルヴィル、ユスターシュ
出演:マルタン・ローブ(ダニエル)、イングリット・カーフェン(母)、ジャクリーヌ・デュフレンヌ(祖母)これが三部作の最後で、長編2作目。そして最後の長編劇映画になるそうです。
祖母と住んでいたペサックから、ナルボンヌへ移り、母と母の再婚相手(正確には結婚してない)と住むことになった少年ダニエルのお話。高校に行かせてもらえず自転車工になったのは自身の境遇からきている設定なんだとか。こういう学歴のないところ、トリュフォーと似てるなって思います。
(ユスターシュにはアンドレ・バザン的な存在がいなかったってことなのかな…)
この話も要は、女の子に興味をもって、キスとか胸触ったりとかしてみたいっていうお話です。なんかこう、小さな恋のメロディ的な展開にすらならないのが、かえってリアル?
興行的に失敗だったそうですが、やっぱり、このタイトルなら、「甘酸っぱい何か」を期待しちゃいますよね。小さな恋のメロディ的な。ね。

私にユスターシュを観る才能はない

とにかく。寝不足なども含めましてね。時折眠くなっちゃって。正直、私はユスターシュとは相性悪いなと思った次第。そして、何だかこういう映画をちゃんと「面白い」と思えないと知識人じゃないような、そんな強迫観念にかられて、「お、おもしろかったです」って言っちゃう人、いるんじゃないかしらと思いました。きっと私も20代だったら、そう尖ってたと思います。今はもう、ゆるいおとなになったので、寝ちゃったこともカミングアウトできちゃう人になりました!
なんかでも、身も蓋もないかもしれませんが、今回観たユスターシュの4作品、多少居眠りしたことを差し引いたとしても、どれも要は「モテたい」男子の煩悩の話だったなぁと思いましたが、どうですかね。少なからず文芸作品とかも結局不倫の話だったりしますしね。

シメはトレドのカレー

というわけで。久しぶりに日仏学院3日連続詣でとなったのでした。帰りにおそめのランチをトレドで。継ぎ足しカレーが好き。チキンカツカレーと100円しか違わないから(なんか、カツが食べたかったの)トルコライスにしました。

トルコライス1300円

お会計のときに「阿波踊りを見に来たんですか?」と聞かれたので(今日は、阿波おどりをやっていた)、「日仏の帰りです。私、昔ここがまだこうなる前のトレドにも来てたんですよ。それで懐かしくって」とちょこっとおしゃべりしました。

道幅が狭いから、お客さんとの距離感が近い!


なんだかね、先週は猫の祭りをやっていたらしい。なにそれ? めっちゃ気になる。と、思ったら、神楽坂化け猫フェスティバルっていうらしい。
神楽坂、猫、祭で検索したら次のような投稿がたくさんありました。え、いつからこんなんやってたの? ていうか、紀の善がなくなっててびっくりしたんですけど! 抹茶ババロアもう食べれないの?




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